Adobe Systemsは11日(米国時間)、リッチインターネットアプリケーション(RIA)のフレームワーク「Adobe Flex 3」のパブリックベータ版を公開した。Windows/Mac OS Xに対応する「Flex Builder 3」と、Windows/Mac OS X/Linuxに対応する「Flex 3 SDK」のパッケージは、Adobe LabsのWebサイトから無償ダウンロードできる。

Flex 3では、Adobe Creative Suite 3(CS3)との連携を強化。CS3で制作したコンテンツを直接インポートする機能など、デザイナーとプログラマのワークフローを改善する機能が盛り込まれた。CSSのアウトライン表示が可能になり、CSSファイルのプレビュー/編集をサポートする「Flex Builder 3 Design View」も追加されるなど、デザイン面が強化されている。

開発ツールのFlex Builder 3は、プログラムの挙動に影響を与えずソースコードを改善する「リファクタリング機能」に対応。プロジェクトの大規模な変更を迅速に処理することが可能になった。コンパイルの高速化や、クラスの表示をサポートしたアウトラインビュー、バージョンの異なる複数のFlex SDKを切り替える機能も追加されている。

Adobe Flexは、XMLベースの言語「MXML」とスクリプト言語「ActionScript」に対応した、RIA開発フレームワーク。同日公開されたクロスプラットフォームのRIA実行環境「Adobe Integrated Runtime」(AIR、コードネームはApollo)を利用することで、ブラウザとデスクトップの両方で動作するWebアプリケーションを開発できる。従来もFlex SDKの一部は、開発/学習目的のユーザのためソースコードが公開されていたが、Flex 3ではMozilla Public Licence(MPL)のもと全コンポーネントをオープンソース化する方針が打ち出されている。