LGグループは最近、LG製品の偽造品が増加している状況を受け 、これらの根絶に向けて断固とした措置を取っていくことを発表した。

LGグループによると、同社のデザインを盗用した偽物製品の摘発件数は大幅に増加しており、中国とドバイを例にとると、2005年にそれぞれ5件と1件だったのが、2006年に入り39件と6件に増えたという。

とくに中国では2006年、ウルムチ市でトラック27台分、重さにして1.5トンもの商標盗用されたテレビやエアコンが摘発された例もある。このとき同社は行政当局に告発すると同時にすべての偽製品を処分、業者に対しては刑事的措置を要請した。

こうした事件が相次いだため、LGグループは各国行政当局や税関との共同取締り、および偽造品の定期点検といった措置に乗り出す。

行政当局との協力に関してはさしあたり、商標やザイン盗用業者に対して警告状を送信。各国の行政当局を通じた取り締まりや訴訟提起などを各系列会社別に進めているほか、グループ全体では偽造品の流通や輸出入遮断を進めている。

さらに各国の税関に対しても、同社の商標を登録して偽造品の流通を防ぐほか、中東各国に対しては偽造品の識別教育を実施した。

偽造品の流通状況の定期的な調査にも乗り出す。「とくに発生頻度が多い」(LG)という中国やドバイ、香港などには調査専門機関を置き、警察や税関と協力することで、流通だけでなく製造段階から根絶していく姿勢を見せている。

LGグループではここのところ、高品質かつ高価な製品を戦略的に販売している。こうした戦略はLG電子のブランド力を向上させるのに一役買ったものの、逆効果として多くの偽造品が流通する事態を招いたようだ。偽製品はLGのみではなく世界中のベンダが抱える問題だけに、今回のLGが取った措置の成果が注目される。