仮想化技術の標準搭載、マルチコアプロセッサや64ビットアプリケーションのサポートを含む「Windows Server 2008」(Windows Server “Longhorn”)は、「次世代のハードウェア・イノベーションのカギになる」とGates氏。同社は全機能を搭載したベータ3を4月末にリリースしたが、3週間でダウンロードが100,000回以上に達したという。基調講演ではNetwork Access Protectionを通じて、セキュリティポリシーを満たしていないノートPCのネットワークアクセスを制限したり、USBストレージの利用を拒否するプロセスが紹介された。Windows Server 2008はベータ3からIT管理者向けのコマンドライン・インタフェース / スクリプティング環境のPowerShellを搭載しており、Windows環境を容易に管理できるようになった。ポリシーはすべてXMLベースとなるため検索の対象となる。またグループポリシーマネージメント・コンソールが組み込まれるなど、IT管理者はWindows Server 2008を通じて日々の作業にかける時間を削減でき、その分をビジネスの価値を高める作業に注ぎ込めるという。

Windows Server “Longhorn”の正式名は「Windows Server 2008」に

Network Access ProtectionがUSBドライブへのアクセスを拒否

Gates氏が語るPCの今後

Gates氏のWinHEC基調講演は今回が最後になる。そのためか終わりに同氏はPCとIT業界のこれからについて語り始めた。

最初に挙げたのは"64ビット"の浸透。同氏が示したIDCの調査によると、すでにサーバでは64ビットプロセッサが100%に達し、デスクトップも100%に近づいている。2009年になれば、64ビットによってもたらされるメモリー空間が完全標準になる。続いて次世代PCデザインコンテストの作品を例に、PC利用の幅の広がりに即したデザイン進化の必要性を指摘した。

さらにナチュラルユーザーインタフェースを課題の1つとして挙げた。音声や手書きなど、より自然なスタイル入力できる方法は「中国語や日本語など、キーボードの入力に向かない言語の問題を解決してくれる」とGates氏。Microsoftは今年3月に音声ガイドサービスのTellmeを買収している。コミュニケーションについては、VoIPが台頭し、そして電話やPC、モバイル機器を結ぶ統合的なアプローチが当たり前になるという。

そして最後はソフトウェア+サービスだ。オンラインサービスは柔軟性に富み、ローカルのソフトウェアは使い勝手に優れる。2つがシームレスに連携することで、ユーザーに最高の利用体験を提供できる。その実現に向けてMicrosoftはLive時代へと舵を切る。

64ビットプロセッサの浸透状態に関するIDCのレポート

次世代PCデザインコンテストの応募作品

VoIPとユニファイドが、これからのコミュニケーション

人、デバイス、データ、アプリケーションをシームレスに結ぶ「ソフトウェア+サービス」