ハドソンは26日、千葉県銚子市の観光シンボルともなっている銚子電気鉄道(以下、銚子電鉄)にて「桃太郎電鉄」のキャラクターイラストが描かれた「桃太郎電鉄」ラッピング電車の運行を開始した。「桃太郎電鉄」シリーズが、来年12月に発売20周年を迎えることを記念したもので、同日はラッピング電車の出発式が開かれた。記念車両は2010年の4月25日まで、銚子電鉄の通常ダイヤに組み込まれる予定。
「桃鉄」シリーズは、プレイヤーが鉄道会社の社長となり、電車に乗って、停車駅の物件を購入しながら目的地を目指す、すごろくタイプのボードゲームだ。その「桃鉄」シリーズに銚子電鉄が登場したのは、2003年12月に発売した『桃太郎電鉄 12 西日本編もありまっせー!』で、銚子電鉄沿線内の10駅をゆっくり走り、一番遅くゴールした人が勝ちというイベント「潮風のんびり銚子電鉄レース」が始まりとされている。
銚子電鉄は現在、経営難を乗り切るために、犬吠崎に銚子名物「ぬれ煎餅」の売店を開業するなど様々な努力を続けている。ハドソンはその姿勢に賛同したとともに、過去にゲームソフト内でのタイアップ実績があることから、20周年を迎えたことを契機に銚子電鉄とのタイアップに再び踏み切ったという。
車両内部の様子。桃太郎電鉄の中吊り広告が一面に貼られていた |
車両見学会は仲ノ町駅で行われた |
銚子電鉄の車両は赤と茶色のツートンカラーだが、今回は一度クリーム色に塗装し直した後、イラストを印刷したラッピングフィルムを車体全体に貼り付けた。フィルムには、青空の下で咲き誇る千葉県の花、菜の花と「桃鉄」シリーズでお馴染みの桃太郎やキングボンビー、夜叉姫などが描かれている。ハドソンは、「桃太郎電鉄も銚子電鉄もラッピング電車は初めての試み。銚子電鉄の景観を損なわないように、控えめでありながら観光客の方が楽しくなるようなイラストになるように配慮しました」と話していた。
通常は赤と茶色のツートンカラー(写真左)だが、記念車両は鮮やかな空色(写真右)。記念車両は銚電デハ1001系。定員98人。自重(輸送用具自体の重量)30.5トン |
記念車両の運行は「桃太郎電鉄」シリーズの最新作となるニンテンドーDS用ソフト『桃太郎電鉄DS~TOKYO&JAPAN』の発売日に行われた。銚子駅で行われた出発式には、「桃鉄」シリーズのゲーム監督であるさくまあきら氏、同シリーズのキャラクターデザインを務める土居孝幸氏、JR東日本の銚子駅駅長である白井和夫氏、銚子電鉄社長の小川文雄氏、ハドソン執行役員常務の香月薫児氏、銚子市長の岡野俊昭氏、銚子市観光協会会長の安藤勇氏、銚子電鉄サポーターズ副代表の坂本雅信氏が出席。
出席者代表として岡野市長が「銚子市の大切な観光資源である銚子電鉄の存続に向けて、銚子市としてもできる限りのバックアップを考えていきたい」と挨拶し、安藤会長も「市民が心配しているのは銚子電鉄の運行が続くのかどうかということ。今回、ハドソンが助っ人となり、桃太郎電鉄が走ることは非常に喜ばしいこと」と述べた。
テープカットの様子。写真右から、ハドソン執行役員常務の香月薫児氏、銚子市長の岡野俊昭氏、銚子市観光協会会長の安藤勇氏、銚子電鉄サポーターズ副代表の坂本雅信氏 |
写真右から「桃鉄」シリーズキャラクターデザインの土居孝幸氏、「桃鉄」シリーズゲーム監督のさくまあきら氏、JR東日本旅客鉄道銚子駅駅長の白井和夫氏、銚子電気鉄道社長の小川文雄氏 |
テープカットが終了した後、報道関係者や鉄道ファンが見守る中、記念車両は一般乗客を乗せて出発。10駅6.4kmを19分で走る銚子電鉄に、新たな助っ人が登場したことで、銚子駅はにぎわいを見せていた。
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