IMやIRC中に思う、あの機能

Web 2.0の技術にどっぷり浸かった情報ジャンキーにとってIM(Instant messager)やIRC(Internet Relay Chat)はコミュニケーションの必須ツール。これらツールが使えなくなると狼狽するデベロッパの数は少なくない。

IMやIRCは便利だが、これらのコミュニケーションツールは編集可能な画像を共有するという使い方はできない。例えば、IRCでネットワークの問題について議論しているとき、どういったネットワークアーキテクチャを構築しているのか、インフラストラクチャの概要はどういったものかを説明したいことがある。そのような場合には、テキストだけではかなり苦しい。ホワイトボードに図を書いて説明したいわけだ。

意図を伝えるためにアスキーアートでネットワーク図を書いたりもするが、これはどうも扱いにくい。同時に編集できないし、編集するごとに図を表現するテキストが流れるのでストレスが溜まる。メッセンジャーや専用のアプリケーションを使う方法もあるが、マルチプロトコルメッセンジャーはそういった拡張機能に対応していないことが多いし、クライアントアプリケーションごとにコミュニケーションレベルが変わってくると困る。こうした事情もあり、手軽に扱えるホワイトボードのようなサービスがないかなぁというのは誰しも思うところだ。

そこで紹介したいのが、Ruvekaが提供しているskrbl padだ。本稿執筆時点では、β版として公開されており、無償で利用できる。Web版ホワイトボードが欲しいと思ったことがある方は一度試してみるとよい。

ウェブ版のホワイトボードに求められるものは?

skrbl padは、Ruvekaから提供されているウェブ版のホワイトボードサービスだ。ウェブ版のホワイトボードに求められる機能は、なにはともあれ登録なしですぐに誰でも使えること、線がひけること、といったあたりだ。skrbl padはそうした要件を満たしていており、扱いやすい。

skrbl padのWebサイト

ホワイトボードは、アイディアを形にしたり、説明にあたって必要な図を描いたりする用途で使う。後生大事にとっておくようなことはあまりない。とにかく手早く簡単に書けてすぐに消せる、そのあたりがポイントだ。テキストのコミュニケーションにはIMやIRCを活用しているのだから、重要なのは、線を引いたり、すぐに消せたり、誰でもアクセスできたり、といったところになるだろう。skrbl padはそういった点を満たしている点でかなり興味深い。

skrbl padでWebホワイトボード

簡単に使うだけならskrbl padはユーザ登録の必要すらない。skrbl padのサイトにアクセスして、左上にある"start skrbl now"リンクをクリックするだけでよい。新しくホワイトボードが作成されるので、あとはそのままホワイトボードのように使えばいいだけだ。

skrbl pad - 日本語も扱えるし、線も引ける。ユーザ登録すればさらに多くの機能が活用できる

作成されるホワイトボードのURLは実に単純なものだ。URLをそのままホワイトボードにアクセスして欲しいユーザに渡せば、そのユーザがホワイトボードを閲覧/編集できるようになる。

skrbl padには、シンプルなワードプロセッサが備えるような基本的なテキスト機能が用意されているほか、線を引くこともできる。ユーザ登録すればさらに、作成したデータの保存、画像のアップロード、ファイルの共有といった機能も使えるようになる。Web上のホワイトボードとして必要にな機能を備えた、なかなかよい作りになっている。

skrbl padと似た機能を提供しているサービスはほかにもあるが、ホワイトボードと銘打って提供していること、ユーザ登録をしなくても使えること、シンプルで扱いやすいことなどの点で同サービスは興味深い。