Sun Microsystemsは10日(米国時間)、耐障害性ファイルシステム「ZFS(Zettabyte File System)」に関連する技術を、OpenSolarisプロジェクトへ寄贈する方針を明らかにした。ZFSはすでにCDDL(Common Development and Distribution License)のもとオープンソース化されているが、OpenSolarisのGPLへの移行を幹部社員がほのめかした過去もあることから、今回の決断はオープンソースコミュニティから歓迎されるものと予想される。

今回寄贈された技術には、アクティブなZFS領域の複製/置換を可能にする「ZFS Clone Promotion」、高速に再帰的スナップショットを作成する「Recursive Snapshots」、RAID6相当の機能を提供する「Double Parity RAIDZ」、ホットスペアを可能にする「Hot Spares for ZFS Storage Pool Devices」といったZFSを特徴づける機能が含まれる。NFS v4.1(Parallel NFS)やYANFS(WebNFS)、iSCSIやOSD用デバイスドライバなどのストレージ関連技術についても、OpenSolarisへの寄贈が行われた。

ZFSは、Solaris 10で実装された128bitの耐障害性ファイルシステム。複数のディスク装置から構成される「仮想ストレージプール」の利用をベースに設計され、耐障害性機能のほか、コスト削減に効果的な機能が用意されている。ソースコードはオープンソースライセンスの1つCDDLのもと公開され、FreeBSDなど他のUNIX系OSにも移植が進められているが、CDDLがGPLと矛盾するためLinuxでは利用されていない。