テスト機材

では今回試用した機材を御紹介する。まずCPUはCore i7-4770K(Photo20,21)。従来のLGA1155のものと比較すると、パッケージサイズは同じだが、誤挿入防止用切り欠きの位置が異なっている事が判る(Photo22,23)。ちなみにCPUパッケージはこの様なものになることが発表されている(Photo24,25)。これに組み合わせるマザーボードであるが、今回はIntel純正のDZ87KLT-75Kを利用した(Photo26~29)。搭載されるZ87は今年4月にPCNが出たZ87である(Photo30,31)が、今回は評価版ということでES品なので、PCNによる修正を行なったRev C2なのか、修正前のRev C1なのかはここからでは確認できない。ちなみにRev C2の量産は始まっているものの、需要を完全に満たせるほどの状況にはなっていないらしい。そこで、当面はMobile向けを中心にRev C2の提供を行なっており、当初リリースされるIntel 8シリーズ搭載マザーボードにはRev C1が搭載されるという話であった。

Photo20: ES品なのでS-Specはあまり意味が無い。

Photo21: 裏面のパスコンがあまり多くないのがちょっと興味深い。

Photo22: 左がCore i7-4770K。右はなぜか部屋に落ちていたPentium G620。

Photo23: こちらも左がCore i7-4770K、右がPentium G620。こうして比較すると、ものすごくパスコンの数が違っているのが判る。

Photo24: こちらはファン付のパッケージ。

Photo25: ファンなしのパッケージは大分薄くなる模様。もっとも見かけは一緒。

Photo26: 遂に光るSkullは廃止になったが、その分電源レギュレータに更に目立つ形でSkullが。

Photo27: 裏面はこんな感じに。電源周りが随分すっきりした印象を受ける。

Photo28: バックパネルはこんな具合。DisplayはHDMI(縦置き)とMiniDisplayPortの構成。

Photo29:パッケージは相変わらずの黒を基調としたもの。

Photo30: こちらはIntel提供のもの。実際にはロゴはダイ上には記されていない。

Photo31: Z87のBall側。Ballの数はかなり多い。

Photo32: 左側の"QE90ES"からわかる通りES品が搭載されていた。

マザーボードに話を戻すと、LGA1150 Socketは、見た目には既存のLGA1155 Socketと見分けがつかない(Photo33,34)。電源は6+2Phase(Photo35,36)、PWMコントローラはIRFのIR3563BMTRPBFが搭載されていた(Photo37)。

Photo33: CPUの留め金具には"LGA 1150"の刻印が逢ったが、逆に言えば違いはその程度。

Photo34: 全体を2つに分け、それぞれ逆の方向に接点を曲げてあるあたりもLGA1155と同じ。

Photo35: こちらが6-Phase分。

Photo36: CPUの上側に更に2-Phase分。もっとも、これら全部で8-Phaseを構成しているのか、それともPhoto35はVcc用でこちらは別のもの用なのかは、判断つきにくい。微妙にコンデンサとかの構成が違う気がする。

Photo37: VR12/VR12.5用の、最大8-PhaseのPWMコントローラ。これだけ見ればPhoto35と36の両方で8-Phaseを構成しているようにも見えるが、別に8-Phase全部使う必要があるわけではないので、やはり不明。

周辺回路としては、電源部に隠れるようにUSB 3.0 Hub×2(Photo38,39)が搭載されているほか、PCI Express x16レーンの切り替えにはasmediaのPCIe Switchが実装されていた(Photo40)。また、未だにIEEE1394コントローラを搭載する(Photo41)ほか、Thunderboltのコントローラも搭載されている(Photo42)。その他のものとして、LPC経由で接続される周辺I/O用にNUVOTONのNCT6683Dを、PCIe/PCI BridgeにはiTEのIT8892Eを搭載する(Photo43)。NCT6683Dの脇にあるのは、Mini PCIe/mSATAコネクタにmSATAを装着した場合に利用されるSTA 6GbpsのPHYである。また直接機能とは関係ないが、結構目立つところにデバッグ用のコネクタが配されていた(Photo44)。

Photo38: GENESYS LogicのGL3520。4ポートのUSB Hubである。

Photo39: こちらはPS2/USBコネクタのそばに配されている。GL3520は1.5Aまでの充電にも対応しているので、充電可能なUSB 2.0ポートもここに接続されているものと思われる。

Photo40: 中央に目立つPLXのPEX8606は、複数あるPCIe x1レーンを接続するためのもので、これはZ87に繋がっている。そのPLXの周囲に配されている横長のものがasmediaのPCIe Gen3に対応したQuick SwitchであるASMediaのASM1480。CPUから来るGen3 x16レーンのうちx8レーン分はこちらを経由して2本のPCIe x16スロットに分配される。

Photo41: TIのIEEE1394a-2000互換のコントローラのTSB43AB22A。その右上にあるのはRealtekのALC898(スペシャル品扱いなので、同社のサイトには情報なし。おそらくコンテンツ保護機能付の7.1+2chのHDA Codecと思われる。

Photo42: IntelのDSL3310(Cactus Ridge 2C)。機能的にはもう2ポート利用できる筈だが、今回は1ポートのみ。

Photo43: NCT6683Dは今年3月に発表されたばかりの製品。IT8892Eは、非常に幅広く利用されている。SATA PHYはASMediaのASM1061

Photo44: これはシステムのデバッグに使われる、XDP(eXtended Debug Port)と呼ばれるもの。Photo27をみると、裏面にもXDPコネクタがあるのが判る。Intelの提供のマザーボードの写真を見るとこのコネクタが実装されていないので、本当に開発用として製造したロットが回ってきたものと思われる。勿論普通は絶対に使わない(というか専用のデバッグ用プローブがないと意味が無い)。

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