「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」はこのほど、「夏から秋の不調に関する意識調査」の結果を明らかにした。同調査は6月13日~16日、20代~50代の男女858人を対象にインターネットで実施したもの。

昨年秋に感じた不調

秋に不調を感じたことがあるか尋ねたところ、女性の41.1%、男性の36.7%が「ある」と回答した。昨年秋に感じた不調について聞くと、63.8%が「だるさ・倦怠感」、63.2%が「疲れがとれない」と答えている。「首・肩のこり」(42.8%)、「頭痛」(32.6%)、「集中力低下」(30.2%)という回答も多かった。

夏の間に疲れをためてしまい、過ごしやすいはずの秋になって、身体のだるさや疲労感などの心身の不調を感じることを「秋バテ」と呼ぶという。麻布ミューズクリニックの名誉院長・渡邉賀子先生によると、近年、「秋バテ」を訴える人が増えているとのこと。

秋バテの主な原因は「高温多湿」「紫外線」「冷房による冷え」「冷たいもののとりすぎによる内臓冷え」「屋外と室内の温度差」とされている。渡邉先生は「気温が高いと、冷房の設定温度が必要以上に低くなる傾向があります。身体が冷えることにより、疲労感をはじめさまざまな症状をもたらします」とコメントしている。

「秋バテ」の症状は個人の体力や体質によって異なるが、渡邉先生によると大きく「胃腸疲れ」「冷房疲れ」「暑さ疲れ」の3つに分けられるという。

「秋バテ」の危険度とタイプ

「胃腸疲れ」は、冷たいものや油っこいものの摂(と)りすぎなどにより、胃腸の機能が低下することが原因で、食欲不振、胃もたれ、便秘・下痢、疲労感などの症状が出るとのこと。「冷たい飲み物や食べ物が好き」「早食い・ガブ飲みをしがち」「油っこいものや塩辛いものをとることが多い」に当てはまると胃腸疲れになるリスクが高まるという。

「冷房疲れ」の原因は、冷房により体が冷え、室内と屋外との温度差に身体が適応できないことだという。主な症状は冷えや首・肩のコリ、頭痛、ほてり、疲労感、足のむくみ・冷え・痛みとのこと。「冷房の効いた部屋で過ごす時間が長い」「冷房の効いた部屋と暑い屋外を行き来することが多い」「肌を出す服装が多い」場合は要注意だという。

「暑さ疲れ 」はもともと虚弱な人がなりやすく、暑さや紫外線、湿気によるダメージの蓄積が原因とのこと。だるさ・倦怠感、食欲不振、疲労感などの症状が出る。「外を出歩くことが多い」「暑さで寝苦しく感じた」「夏前から具合が悪く、秋になっても続く」に当てはまる場合は、暑さ疲れの可能性があるとのこと。

秋バテは、3つのタイプ別に対策も異なる。「胃腸疲れタイプ」は、氷の入った飲み物は最初の1杯だけにするなど、胃腸の負担にならないことを心がけるとよい。生姜や山椒のようなスパイスを取り入れ、食材で身体の中から温める工夫をしたり、胃腸の働きを活発にするため、温熱シートなどで外からおなかを温めたりすることも効果的だという。

「冷房疲れタイプ」の人は、電車移動や冷房のきいたオフィスで過ごす際は、冷気から身を守るようにするとよい。靴下を履いて足元の冷えを防いだり、ストールや羽織物を活用し、自分で体温調節をしたりすることが大切とのこと。冷房で冷えた身体を温めるには、ぬるめの炭酸入浴がおすすめだという。

「暑さ疲れタイプ」は、睡眠をしっかりとり、疲れをためないことが大切としている。睡眠前にホットアイマスクや蒸しタオルを使い、約40℃の蒸気で目もとを10分程度温めると、高いリラックス効果を得られてスムーズな入眠が期待できるという。