手洗いは石けんを用いて念入りに行うようにしよう

2016-2017年シーズンは早い時期からノロウイルス由来の感染性胃腸炎患者が増加しており、東京都は11月24日に都内の患者報告数が流行警報基準を超えたことを明らかにした。

東京都の定点医療機関あたりの患者報告数でみてみると、2016年の第49週(12月5日~11日)が27.24人であったのに対し、2015年の第49週は12.03人と2倍以上の開きがある事実からも、2016年の患者が多いことがうかがえる。

ノロウイルスの感染を防ぐための方法はいくつかあるが、感染性胃腸炎の怖さを知る人たちはどのような対策をとっているのだろうか。このほど、ノロウイルスに感染した経験を持つマイナビニュース会員196名に「ノロウイルスの予防策」を聞いたので紹介しよう。

Q.家庭や職場で行っているノロウイルスの予防対策を教えてください(複数回答可)

1位: 手洗い(85.4%)
2位: 感染者の便や嘔吐物に触れないようにする(50.7%)
3位: 生食を避け、しっかり加熱する(42.3%)
4位: 人が密集する施設や場所には行かない(27.6%)
5位: 調理器具などを消毒する(17.5%)

■手洗い

・「帰宅後に手洗いを1分以上行う」(39歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)
・「とにかく手洗い、うがいの徹底、体の休養をしました」(42歳女性/教育/公共サービス関連)
・「帰宅時と食事の前は必ず手洗いをするようにしています。また、会社の机に個人用の消毒液も用意しています」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「ハンドソープと除菌スプレーは必需品」(28歳女性/食品/事務・企画・経営関連)
・「爪の先まで手を洗う」(60歳以上女性/その他/その他)
・「食事前には必ず手を洗うよう心掛ける。さらにトイレから出る際もよく手を洗うように心掛け、自分の机周りもこまめに吹き掃除をして清潔な環境を心掛けている」(39歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「とにかく手を薬用石鹸で洗いまくった。特にこれといった時だけではなく、気づいたら手を洗うようにした。それに、消毒液も頻繁に使った」(44歳女性/その他/その他)

■感染者の便や嘔吐物に触れないようにする

・「片付ける際、ビニール手袋をする」(45歳女性/その他/その他)
・「手洗いと手のアルコール消毒に紙の手拭き使用、使い捨てマスク着用」(50歳男性/インターネット関連/クリエイティブ関連)
・「家族や知人などがノロウィルスの疑いがあった場合嘔吐物にはさわらないようにしています」(46歳男性/その他/その他)
・「こまめにうがいと手洗いをする。汚染物は直接触らないなど」(47歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)

■生食を避け、しっかり加熱する

・「帰宅後は石けんで手洗いする。煮物や炒め物など、加熱したものを食べる」(38歳女性/農業協同組合/公共サービス関連)
・「特に貝類は生物を控えるようにしている」(40歳男性/サービス(その他)/営業関連)
・「肉、卵、魚など賞味期限内で使い切って、十分に加熱処理をする。こまめにうがい手洗いをすることを心掛けている」(46歳男性/その他/その他)
・「牡蠣の生食は避けている」(25歳女性/その他/その他)
・「生のものをできるだけ食べないようにする。しっかり加熱する」(40歳男性/その他/その他)

■人が密集する施設や場所には行かない

・「人が集まる場所には極力行かないようにし、石鹸を使った手洗いを心がけている」(52歳男性/医療・福祉・介護サービス/医療・福祉・介護サービス)
・「人が多いところではマスクをする。手洗いは家でも外でもこまめにする」(39歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「冬場には人混みを避け、公共のトイレは使用しないようにしている」(39歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■調理器具などを消毒する

・「魚を扱った後やさばいた後のまな板の消毒や手洗いの徹底や魚と野菜を作る時はよく洗ってから野菜を作るように注意するようにしています。もしかかってしまい吐いてしまったら塩素系漂白剤で吐いた場所をよく拭き取りビニール袋に密閉して嘔吐物を捨てることが重要だと思います」(58歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
・「神経質になるぐらい衛生には気を使うにこしたことはない」(60歳以上男性/サービス(その他)/事務・企画・経営関連)

■総評

「手洗い」が8割以上の支持を受けてダントツという結果になった。ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎は、経口感染で感染するケースが大半。それだけに指に付着していたり、爪の間に入り込んでいたりするウイルスをしっかりと洗い落とすための手洗いを励行している人が多いようだ。

2位はおよそ5割の人が回答した「感染者の便や嘔吐物に触れないようにする」。厚生労働省が「ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります」と注意を促しているように、感染者のふん便やおう吐物の処理時には細心の注意が必要。使い捨てタイプの手袋などを着用し、直接汚物に触らないようにしよう。

3位には「生食を避け、しっかり加熱する」がランクイン。ノロウイルス汚染リスクがある二枚貝などの食品の場合、85~95度で中心部を90秒以上加熱することが望ましいとされている。

今回、回答者の多くから「手をアルコール消毒する」とのコメントが寄せられていたが、厚労省は「消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりません」と明記している。手洗いは石けんを用いて行い、汚物が飛び散らかった場所の消毒は塩素系漂白剤で行うのがポイントだと押さえておこう。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2016年11月16日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性141名 女性55名 合計196名
調査方法: インターネットログイン式アンケート