厚生労働省は11月14日、平成27年「国民健康・栄養調査」の結果を公表した。同結果から、日本人の平均睡眠時間が減少傾向にあることや、飲食店での受動喫煙が4割を超えていることなどが明らかになった。

同調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況や栄養素摂取量、生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的としている。平成27年度版は「栄養バランスのとれた食事」「適正な休養の確保」「受動喫煙の防止」などを重点項目としている。

調査の対象は、平成27年国民生活基礎調査において設定された単位区から層化無作為抽出した300単位区内のすべての世帯および世帯員で、平成27年11月1日現在で1歳以上の者とした。

「栄養バランスのとれた食事」に関してみると、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べることが「ほとんど毎日」の割合は男性で47.6%、女性で52.7%と男女ともに約半数だった。年代別では、男女ともに若い世代ほど「ほとんど毎日」の割合が低い傾向にあり、バランスよく食べられていないことがうかがえる。

男女とも若い世代で「ほとんど毎日」が低い割合にとどまっている

一方、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が高い人ほど、炭水化物やたんぱく質、野菜の摂取状況が「食事摂取基準などの目標とされる量に合致している」と評価される割合が有意に高いこともわかった。栄養成分表示に関する質問もしており、食品購入時の参考として必要だと思う栄養成分表示に関しては、男性では「特にない」、女性では「エネルギー(熱量)」の割合が最多だった。

「適正な休養の確保」に関する質問では、睡眠状況について調査。1日の平均睡眠時間は男女とも「6時間以上7時間未満」と解答した割合が最も多く、それぞれ33.9%、34.2%だった。平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は、平成19年以降で有意に増加しているという。

平成27年では6時間未満の割合が4割に迫っている

睡眠の質に関する項目については、6時間未満の回答者が「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」など、「睡眠の質」に関して悩みを抱えていることが多かった。

成人の睡眠の質の状況

飲酒に関しては、生活習慣病のリスクを高める量(1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上)の飲酒をしている割合は、男性で13.9%、女性で8.1%だった。性・年齢階級別にみると、男性では50歳代、女性では40歳代が最多だった。

現在習慣的に喫煙している人の割合は18.2%であり、男性は30.1%、女性は7.9%だった。この10年間でみると、有意に減少している。その中でも、1日に21本以上吸う者の割合は10.0%で、男性が12.4%、女性で2.0%であった。こちらも有意な減少が認められている。

1日に1箱以上タバコを吸う喫煙者の割合

一方で、受動喫煙には関してはまだ改善の余地がありそうだ。過去1カ月間、現在喫煙していない人が受動喫煙を経験した割合を場所別にみると、「飲食店」が41.4%でトップだった。次いで「遊技場」(33.4%)、「職場」(30.9%)と続いている。また、非喫煙者が受動喫煙防止対策が推進されることを望む場所は「飲食店」(35.0%)が最も高く、以下は「路上」(34.8%)、「子供が利用する屋外の空間(公園、通学路など)」(28.2%)となっている。

非喫煙者が受動喫煙防止対策が推進されることを望む場所

画像はすべて平成27年「国民健康・栄養調査」より