以前、米ノースカロライナ州の巨大データセンターが話題になった米Appleだが、こんどは新たなデータセンターを米オレゴン州に建造する計画があるという。地元紙のOregonLive.comが12月3日(現地時間)に報じている。場所はFacebookのデータセンターがあるオレゴン山奥のプラインビル(Prineville)という場所で、冷涼な気候がデータセンターの設置に適しているといわれている。

これはOregonLiveが関係者2人の情報として紹介しているもので、現時点では決定の前段階にあるという。プラインビルはオレゴンでも山奥の僻地にあり、夏を除けば気候の大部分は冷涼である。そのため、積極的に外気を取り入れる構造のデータセンターとすることで、冷却コストを大幅に削減した非常にエコロジーな運用が可能となる。Facebookは現在運用中の設備を段階的に増強し、現在では2つめのデータセンター施設を同地で構築中とのことだ。GoogleやAmazon.comなども、すでに同地でのデータセンター施設を運用しているという。

こうした大手IT企業が交通に不便なこの地をデータセンター運用に選ぶのは、冷却に適した気候だけでなく、他の地域よりも安い電力料金や地元の税金優遇措置などがあるという。データセンター建設とその後のメンテナンス、そして周辺産業の発達で雇用が産まれるため、オレゴン州自身がこうした企業を積極的に誘致しているという背景もある。OregonLiveによれば、Appleはこうした環境の視察のためにチームを編成し、Facebookの施設を昨年2010年夏に訪問していたという。

同紙によれば、現在の課題は電力供給量の急増で、例えばFacebookのデータセンターだけでも昨年の稼働当初の水準から、第2施設がフル稼働した場合の使用電力だけで10倍近くに増加することになるという。もともと僻地で電力需要も少なかったため、送変電施設の容量が追いついていないのが現状のようだ。現状の計画では、2013年6月までに電力供給量を増やせる予定になっており、Appleのデータセンター計画がもし数週間以内に決定した場合、この電力供給が改善されるタイミングをターゲットに施設の建設がスタートすることになるかもしれない。

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