ウエスタンデジタルジャパン(以下、WD)から11月26日にリリースされた「WD Black2 デュアルドライブ」。120GB SSDと1TB HDDを一つの筐体に同居させた新しいジャンルのストレージで、これまでのSSD+HDDのいわゆるハイブリッドとは一線を画す製品となっている。すでにアキバ界隈では話題になっており、この製品に期待するユーザーも大勢いるだろう。今回は直接WDにお話を伺う機会をいただいたのでご紹介しようと思う。

一つのSATAコネクタに繋げることで、120GB SSDと1TB HDDがそれぞれ単独で使える新しいストレージ製品「WD Black2 デュアルドライブ」

SSDとHDD、それぞれの市場ニーズとは?

SSDが登場してからずいぶんの時間が流れた。現在では、プライマリディスクとしてSSDを活用することは自作派のみならず、大手ベンダーのPCにも波及している。しかし、圧倒的なアクセススピードとは裏腹に、容量は現時点でも最大1TB、購買範囲としては128GB、256GBが主流となり、ディスク容量としてはかなり狭く感じてしまうのが現実だ。

SSDの登場前までHDDの大容量化に慣れきっていた多くのユーザーは、SSDを利用する際に二つのドライブを用途に分けて使うというスタイルを選択するしか方法が無かった。128GBもしくは256GB SSDをプライマリとしてOSとアプリケーションをインストールし、セカンダリとして1~4TB HDDを繋いでデータ専用ストレージとして活用するのが一般的なスタイルだ。

こうした流れの中、一部ベンダーからSSDとHDDのハイブリッド製品がリテールでも リリースされた。しかし、SSDは数GBと容量が小さく、HDDのアクセススピードを向上させるためのキャッシュとして利用するというタイプがメインだったのだ。

もちろんハイブリッド製品はHDDと比べればアクセススピードは速く、容量も申し分ない。しかし、内蔵のSSDが単体として使えるなら、さらなるパフォーマンスを得ることが可能になることは、誰もが想像するところでもあった。

「多くのユーザーはSSDはSSDとして、HDDはHDDとして分けて使いたいというのが本音だったようです。弊社のサポートにもそうした声がたくさん届いて、『WDから二つのドライブを一つにしたような製品は出せないのか?』とリクエストも多くなっていたのです」とWDマーケティング部 安田伸幸氏(以降、安田氏)は語る。

WDはこうしたユーザーの声を受け止め、実際に製品化へ向かって開発を進めた。すでに7mm、5mmといった薄型ドライブのノウハウも多く持つ同社にとって、元々薄く作ることができるSSDをHDDへ実装することは可能と判断したのだ。

パッケージを空けると、製品をイメージしたレーシングカーが現れる

一つの筐体に二つのドライブ

ユーザーが求めていたのは、SSDとHDDそれぞれの特長を併せ持つ製品であることには間違い無い。冒頭で述べたような、SSDをプライマリに、HDDをセカンダリとして使える一つのドライブが欲しかったのだ。

本体表

本体裏

「この製品のコンセプトは”The power of two”という文章に凝縮しています。製品名に『デュアルドライブ』と冠したこともそうですが、いわゆるハイブリッドではなく二つの特長を併せ持つ製品であることを知っていただきたかったのです」と安田氏。

2.5インチサイズのHDDと同等のサイズ、そしてSATA3対応のコネクタがひとつ。要するに2.5インチベイとSATAインターフェイスがひとつずつあれば、120GB SSDと1TB HDDが使えるのだ。

「PCと接続する初回のみ、SSDだけが見える仕様になっています。その状態でOSをインストールし、WDサイトにアクセスして『WD Black2 installer』をインストールしていただき、ソフトウェア上でHDDを解除すればOSから見た場合、SSDとHDD、それぞれのドライブが単体として確認できます。OSやアプリケーションはSSDに、写真やムービーなどの大きなデータはHDDに保存というような使い方が出来ます。」と安田氏。

また、SSDの容量は120GBだが、実際には128GB SSDが採用されている。この差分についてはSSDのデータ移行を効率化してSSDのシステム障害を減らす「Shift_Technology 」などのファームウェア実装用のスペースとして利用されている。「デュアルドライブをなるべく長く使っていただくための機能です。容量は多少減りますが、安定性を向上させることにも繋がりますのでご理解いただければと思います」と安田氏は語る。使っている最中には気が付かないかも知れないが、こうした機能を盛り込んでいるのもストレージ業界を牽引するWDならではといえるだろう。

パッケージの内容は本体、マニュアル(日本語ページ有り)、USBアクセスケーブル、ソフトウェアダウンロード先へジャンプするUSBキーだ

WD自信の証明「5年保証」もついてくる

ひとつのドライブを導入することでSSDとHDDが一度に扱えるようになる夢のような製品「WD Black2 デュアルドライブ」。市場実売価格は約32,800円となっている。この値段が高いとみるか、安いとみるかはユーザーそれぞれの価値観にもよるが、少なくとも筆者は安いと感じている。

実際には、デスクトップPCユーザーなら128GB SSDと1TB HDDをそれぞれ買うことで、この製品よりも安くあげることも可能だ。しかし、この製品の価値は単純な足し算では計れない。例えば、ノートPCユーザーは、これまでSSDかHDDか2者択一を迫られていたが、この製品を導入することで速度と大容量を一度に手に入れられることになる。

本体は2.5インチ、厚さ9.5mmとなる。こうして見ると、5mmタイプのHDDの上に、約2mmの厚さでSSDを搭載していることが分かる。ノートPCへ導入する場合は、ベイが9mmタイプであることを事前に確認しておくこと

これは想像する以上に価値のあることで、外付けHDDやオンラインストレージサービスを駆使してデータを逃がしていたようなユーザーや、遅いHDDでも容量が必要で我慢していたユーザーなどのストレスを一気に解消してくれることに繋がる。

また、デスクトップPCユーザーにしても、省スペース性と省電力性を考えれば、それだけでも導入する価値は高い。逆に、現在1TB SSDが約6万円前後ということを考えれば、その約1/2の価格で購入できる本製品は、決して高い買い物では無いことが理解してもらえるはずだ 。さらに、パフォーマンスを必要としないようなデータまで、何でもかんでもSSDに保存しておくという使い方の方が、経済的ではないと容易に想像できる。

従来のハイブリッド製品とは根本的に違う、言い換えればまったく新しいジャンルのストレージが「WD Black2 デュアルドライブ」といえる。「この製品には新しいテクノロジーをつぎ込みました。その効果もあってかなり高品質のストレージを提供できるはずです。弊社としてもそこに大きく期待して保証期間も5年に決めました。長く愛用していただけると思いますので、多くの方々に使っていただきたいですね」と自信を持った表情で語る安田氏。

”デュアルドライブ”を本来の意味で冠するに値する高品質なストレージ「WD Black2 デュアルドライブ」。WindowsXPサポート切れ問題なども相まって、ストレージの入れ替えを検討しているユーザーも多くいるはずだが、その際にはもちろん、これからSSDの購入を考えているすべてのユーザーに一度は手にとって試していただきたい画期的製品といえるだろう。

次回は、実際にノートPCへの換装を行い、その手順を交えながらのレビューを想定している。果たして「WD Black2 デュアルドライブ」がどれほどの恩恵をユーザーに与えてくれるのか、是非とも楽しみにしていてほしい。

待っていた!本当のデュアルドライブがWDから登場!! -WD「WD Black2 デュアルドライブ」換装編-

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