ウエスタンデジタル(WD)からリリースされた画期的製品「WD Black2 デュアルドライブ」。1つの2.5インチベイに120GBのSSDと1TBのHDDを導入することができる、まさに夢のような製品だ。今回は、特にメリットが大きいと思われるノートPCに実際に換装する手順をご紹介しようと思う。なお、検証に使ったノートPCはWindows Vista世代(OSはWindows7へ移行済み)のものにしてみた。あえて、スペック的に一昔、いや二昔前ぐらいのものを利用し、どこまで改善されているか実証してみようというものだ。それではさっそく本編をお届けしよう。

ノートPCの使い勝手は大幅に向上できると予想

WD Black2 デュアルドライブは、これまでのハイブリッド型のHDDとは違い、明確にSSDとHDDが切り分けられる製品だ。スペース上の問題で、増設が難しいノートPCにおいて、このメリットは多大になることは容易に想像できる。

なお、現在主流となっているUltrabookや薄型モバイルノートPCは、標準でSSDが搭載されていることが多い。その場合、SSDの高速レスポンスはそのままに、HDDが追加される容量的な恩恵が受けられる。また、HDDを搭載した古いノートPCの場合、WD Black2 デュアルドライブに換装すれば、SSDの高速性、HDDの容量増という両面でメリットがある。

そこで用意したマシンは、筆者が以前に使っていたWindows Vista世代のノートPC。当初搭載されていたHDDは250GBで当時はそこそこだったものの、現在では動作も遅く、容量的にもやや不足を感じてしまう。WD Black2 デュアルドライブを導入することで、こうした不満は解消できるのか? 興味津々である。

換装用に用意したマシンがこちら。世代も古く、現在ではあまり出番が無くなってしまった感のあるノートPCだ

換装は超簡単! -データ移行編-

WD Black2 デュアルドライブの特長は、製品本体だけでなくデータ移行ツールが同梱(実際にはダウンロードする)されるところにある。要するにメーカー側も、なにがしかのPCへの移行に使ってくださいと、あらかじめ予想しているということだ。こうした所にもWDのアナウンスにあった「ユーザーの声から生まれた」というポリシーが生きているといえる。では、参考までに実際の換装作業を手順にしたがって説明していこう。

手順としては、まず換装元のPCに移行ツールをインストールするところから始める。WDのサイトから「Acronis True Image WD Edition Software」を入手したら、それをインストールすればOKだ。次にWD Black2 デュアルドライブを付属のUSBケーブルでPCと接続する。2つのUSBコネクタが用意されているが、1つは給電用、もう1つはHDD用で、PCのUSB端子に空きがなければHDD用のみでもかまわない。

OSがデバイス(WD Black2 デュアルドライブ)を読み込み接続が確認されたら、ソフトウェアを起動、メイン画面にある「ディスクのクローン作成」を選択する。次ページで「自動」を選べば、ほとんどの作業はウィザード形式で進むので楽だが、移行させるデータ容量がWD Black2 デュアルドライブのSSD部分の120GB以上であれば、オプションボタン を選んで不要なディレクトリを除外にして、120GB内に収める必要があるので注意していただきたい。

ソースディスク、ターゲットディスクをそれぞれ設定したら、ウィザードに従って進めていけば、ディスクのクローニングが始まる。完了すればWD Black2 デュアルドライブに現在のCドライブの内容がコピーされている。作業時間は環境にもよるが、筆者の場合は10数分から20分程度だった。

WD Black2 デュアルドライブを購入するとダウンロードすることができる「Acronis True Image WD Edition Software( http://support.wdc.com/product/downloaddetail.asp?swid=119&wdc_lang=jp)」。入手したら換装元のPCにインストールし、WD Black2 デュアルドライブをPCと接続

「ディスクのクローン作成」を選択したら、「自動」にチェックを入れて「次へ」を押す

ソースディスクを現在内蔵されているHDDに、ターゲットディスクを接続しているWD Black2 デュアルドライブに設定する

準備が整ったらクローニングを開始する。終了すると再起動を要求されるので案内に従おう

再起動直後の画面で、実際のクローニングが行われる。これが終わればデータ移行は完了だ