CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part2

ツクモのプライベートブランドPC「eX.computer」のカスタマイズパーツの魅力を探るこの集中連載。第2回となる今回も、第1回と同じくCPUクーラーに焦点を当てる。今回はマイクロATX規格を採用したミニタワー「eX.computer エアロストリーム RM5J-C34/S2」で選択できるCPUクーラーの実力を検証した。

■集中連載「eX.computer」おすすめパーツ選択術

第1回……CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part1
第2回……CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part2
第3回……SSDのオーダーはどのくらい有効か?
第4回……80PLUS電源は何が違うのか?

冷却力に定評があるZALMAN製クーラーを用意

RM5J-C34/S2のBTOメニューに用意されているオプションのCPUクーラーは2種類。今回はそのうちのZALMAN「CNPS8000T-Plus」を選択した。ZALMANといえば、マザーボードに対し冷却ファンが垂直になるレイアウトのCPUクーラーが象徴的。前回の連載記事で取り上げた「CNPS9900 MAX」もそうした構造を採用した製品だった。だが、CNPS8000T-Plusは、多くのCPUクーラーでみられるマザーボードと冷却ファンが平行になるレイアウトを採用している。マイクロATXという内部スペースに制約のあるPCケースであるため、オーソドックスな設計のCPUクーラーになったのだろう。とはいえ、エンジンのエキゾーストパイプのように大胆にうねったヒートパイプをみると、その冷却性能の高さを連想させる。

ZALMANのCNPS8000T-Plus。無数の冷却フィンで構成されたヒートシンクの上に92mmの冷却ファンが載る。高さは66mmと省スペースなPCケースにも収まるレベル

大胆にうねったヒートパイプが印象的。冷却ファンはダウンブロー式で、豊富な風量により、ヒートシンクの熱だけでなくCPUソケット周辺のコンデンサや電源回路の熱も散らす

前回のテストでは「CINEBENCH 11.5」のベンチマーク中におけるCPU温度とファン回転数を、標準付属のCPUクーラーと比較した。だが、CINEBENCH 11.5は最新のCore i7クラスのCPUだと1~2分程度で完走してしまう。瞬間的なCPUクーラーの冷却効果の差は出せたが、長時間のゲームプレイなど、実際の利用シーンを考えた場合の参考にはなりにくい。そこで今回は、約4GBのMPEG2-TS動画を「TMPGEnc Video Mastering Works 5」でH.264/AVCに変換。その作業中のCPUクーラーの状態をCNPS8000T-Plusと標準付属クーラーで比較した。

エンコードに利用したTMPGEnc Video Mastering Works 5。同ソフトはSandy Bridgeで利用できるQuick Sync Videoに対応しているが、今回は同ソフトの変換エンジンのみ利用した

CPUクーラーと温度の状態は「CPUID Hardware Monitor」でモニタリングした

効率のよいクーリングを実現

アイドリング状態ではCNPS8000T-Plusが約1,500回転/分で、CPUの温度が33度。標準付属のCPUクーラーが約1,300回転/分で、約35度だった。この状態からエンコードを始めると前者はクーラーの回転数が約2,200回転/分まで上がり、温度は65前後で推移していた。一方後者は回転数は約2,400回転、温度は約73度までアップ。CNPS8000T-Plusが少ない回転数で効率よくCPUの冷却を行っているのがわかる。

アイドリング時のCPU温度とファン回転数

CPUクーラー CPU温度 ファン回転数
CNP9900 MAX 約33度 約1,500回転/分
標準付属CPUクーラー 約35度 約1,300回転/分

動画エンコード時のCPU温度とファン回転数

CPUクーラー CPU温度 ファン回転数
CNP9900 MAX 約65度 約2,200回転/分
標準付属CPUクーラー 約73度 約2,400回転/分

なお、動画エンコードに要した時間はCNPS8000T-Plusを装着した状態で28分27秒、標準付属のCPUクーラーで28分47秒だった。両者で20秒の差が生じたが、約30分にわたるテストなので、誤差の範囲といってしまえばなんとかうなずけなくもない。ただし、同じハードウェアによるエンコードで20秒も差が開くのは違和感をおぼえる。標準付属のCPUクーラーでは70度を超える状態だったため、負荷がかかると最大クロックが上がるインテル ターボ・ブースト・テクノロジーが間引かれた可能性も否定できない。となると、負荷軽減や消音化のみでなく、安定した高パフォーマンスの維持という観点でも、CPUクーラーにこだわる価値は大いにあるといえよう。

今回テストに使用したRM5J-C34/S2。CPUにCore i7-2600を採用したミニタワー型のマシン。ミニタワーでは省略されがちなフロント吸気ファンを備え、強力なエアフローを生む

前回、そして今回と、オプションのCPUクーラーの性能をチェックしたが、高負荷時のCPU冷却に確実に効果があることがわかった。安心してパソコンを利用したいと考えているユーザーには、購入時にぜひとも考えていただきたいオプションといえる。

エアロストリーム RM5J-C34/S2の標準スペック
型番 エアロストリーム RM5J-C34/S2
CPU インテル Core i7-2600(定格3.40GHz、最大3.80GHz)
メモリ DDR3 1333、4GB(2GB×2)
チップセット インテル H67 Express
HDD 1TB(シリアルATAII)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R 2層書き込み対応)
グラフィックス インテル HD 2000 Graphics
筐体 ミニタワーケース EX1/567TM
電源 最大500W(定格450W)
LAN 1000BASE-T
OS Windows 7 Home Premium SP1(64ビット正規版)
価格 67,980円(税込) ※11月14日現在

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