CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part1

ツクモのプライベートブランドPC「eX.computer」は、ユーザーのニーズや予算に応じてパーツをカスタマイズできるのがウリだ。特にゲーマー向けブランド「G-GEAR」シリーズは、ストレージのBTOメニューが10種類以上も用意されていたり、電源ユニットが選べたりと、そのきめ細やかさは圧倒的。この集中連載では、そうした注目のオプションを随時紹介していく。まずは、CPUクーラーに注目。CPUクーラーを交換することでどの程度の効果が期待できるのか……。ここでは、標準付属のクーラーとオプションクーラーの差を検証してみた。

■集中連載「eX.computer」おすすめパーツ選択術

第1回……CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part1
第2回……CPUクーラーのアップグレードによる効果を知る Part2
第3回……SSDのオーダーはどのくらい有効か?
第4回……80PLUS電源は何が違うのか?

冷却力に定評があるZALMAN製クーラーを用意

今回、CPUクーラー比較に用意したのは「G-GEAR GA7J-C35/ZS」(カスタマイズモデル)。標準構成をカスタマイズしたモデルで、CPUにCore i7-2600K、120GBのSSDをシステムディスク、1TBのHDDをデータ用ディスクを選択した構成だ。このマシンに用意されるオプションのCPUクーラーがZALMANの「CNPS9900 MAX」となる。通常のヒートパイプよりも冷却効果の高いコンポジットヒートパイプを輪状に曲げ、それに無数の冷却フィンを取り付けたユニークな形状のこのCPUクーラーは、ZALMANの代名詞ともいえる製品だ。同社製品は冷却力の高さに定評があり、これらを用いることを「笊化」(ざるか)と呼ぶくらいだ。

GA7J-C35/ZSでオーダーできるCNPS9900 MAXR。輪状に並んだおなじみの冷却フィンの中心には、135mmの静音ファンが備わる

CNPS9900 MAXRのファンには赤色のLEDが仕込まれ、通電すると発光する。その光がエアインテークからもれる仕組みだ。なお、自作パーツ市場には青色に光るCNPS9900 MAXBもある

今回のテストでは、CPUの温度とCPUクーラーの回転数を測定できる「SpeedFan」というフリーソフトを利用したが、テスト環境との相性がよくないのか、CPU温度の表示が適正ではなかった。このソフトではCPUクーラーの回転数だけを参照し、CPU温度は「Core Temp」というフリーソフトで計測した。

テストに使用した「SpeedFan」。CPU温度の表示がおかしかったので、ファンの回転数のモニタリングに利用した

CPUの温度は「Core Temp」を利用。温度のほかにプロセッサの情報も閲覧できる

大口径ファンにより優れた静音性

まずアイドリング時の状態だが、標準付属のCPUクーラー装着時の各コアの温度は約35度で推移、回転数は1,100回転/分だった。一方、CNP9900 MAXを装着した場合、各コアの温度は32度、回転数は750~800回転/分と、温度、回転数とも下回った。標準付属のクーラーは80mm程度のファンで冷却するが、CNP9900 MAXは135mmと大口径。少ない回転数で風量を稼げることがわかる。

アイドリング時のCPU温度とファン回転数

CPUクーラー CPU温度 ファン回転数
CNP9900 MAX 32度 約800回転/分
標準付属CPUクーラー 35度 約1,100回転/分

続いて負荷をかけた際のCPU温度と回転数をチェックしてみよう。CPUによる3Dレンダリングを行うことでスコアを計測できる「CNEBENCH 11.5」の動作中に、標準付属のクーラーとCNP9900 MAXでどのくらい違いがあるのか調べてみた。

標準付属のクーラーでは、CINEBENCH 11.5が動作すると、CPU温度が一気に上昇。各コアの温度が52~59度までアップした。なおその際のファン回転数は1,600回転/分となった。一方、CNP9900 MAXでは、各コアの温度は48~52度で抑えられた。標準付属のクーラーに比べて最大7度も低い温度となった。なおその際のファン回転数は1,293回転/分。明らかに標準付属のCPUに比べ、冷却効果が高いことがわかる。

ベンチマーク時のCPU温度とファン回転数

CPUクーラー CPU温度 ファン回転数
CNP9900 MAX 最大52度 約1,300回転/分
標準付属CPUクーラー 最大59度 約1,600回転/分

また、ベンチマーク前とベンチマーク中の作動音も計測してみた。ベンチマーク前(アイドリング状態)の標準付属CPUの作動音は約40dBで、CNP9900 MAXの場合は約38dB。あまり差は出ていないが、ベンチマーク中は前者が約52dB、後者が約45dBとなった。専用の騒音計ではなく、アンドロイド端末に騒音計アプリを導入して計測したものなので数値は参照にしかならないが、実際に耳に届く作動音は明らかにCNP9900 MAXのほうが静かだった。

アイドリング時とベンチマーク時の動作音

CPUクーラー アイドリング時 ベンチマーク時
CNP9900 MAX 38dB 45dB
標準付属CPUクーラー 40dB 52dB

CPUクーラーのアップグレードは安心感が増す

最近のPCゲームはグラフィックだけでなくCPUにも高い負荷がかかる。その意味でも冷却効果の高いCPUクーラーを導入すると安心感が増す。また、ゲームプレイ中にお気に入りのBGMが流れていたり、緊迫の場面になりわずかなエフェクト音も聞き逃せなかったりした際、CPUクーラーがうなりだしたら興ざめだろう。快適なゲームプレイを望むなら、CPUクーラーのアップデートは有効な手段だ。

テストに使用した「G-GEAR GA7J-C35/ZS(カスタマイズモデル)」

なおG-GEARシリーズでは、全機種でCNP9900 MAXのオプションが用意されている。現在はキャンペーン中なので、5,000円プラスでアップデートできる(2011年11月9日時点)。ゲーミングPCの購入を考えている人は、是非この機会に、CPUクーラーのアップデートも検討してみてはいかがだろうか。

G-GEAR GA7J-C35/ZS2(C35/ZSの後継モデル)の標準スペック
型番 G-GEAR GA7J-C35/ZS2
CPU インテル Core i7-2700K(定格3.50GHz、最大3.90GHz)
メモリ DDR3 1333、8GB(4GB×2)
チップセット インテル Z68 Express
HDD 1TB(シリアルATAII)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R 2層書き込み対応)
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 560(1,024MB)
筐体 G-GEAR ATXミドルタワーゲーミングケース
電源 550W(80PLUS BRONZE認証)
LAN 1000BASE-T
OS Windows 7 Home Premium SP1(64ビット正規版)
価格 97,980円(税込) ※11月9日現在

(マイナビニュース広告企画)

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