VAIO type Pが発表されて、はや半年が過ぎた。その間、Windows XPダウングレードモジュールの配布が開始されたり、WiMAX対応モデルが登場したりと、type Pを取り巻く環境も大きく変わってきた。今回は、前回に引き続きtype PをXP化する際に留意したいことについてまとめ、本連載の締めくくりとしたい。

Windows XP化したVAIO type P

XP化でインストールされる不要ソフト

type PをXP化するまでは、ダウングレードしてひと通り触ってみたらVistaに戻すつもりでいた。しかし、いったんXP化して、それに慣れてしまうと、Vistaに戻す気はまったくなくなってしまった。それくらい、VistaとXPでは体感速度が違うのだ。フォルダを開いたり、アプリケーションを切り替えたりする際でも、もたつくことなくキビキビと動く。もちろん、電源オンを入れてOSが起動するまでの時間も大幅に短縮された。type Pを持ち出して外で使う機会は、XPにしてからぐんと増えた気がする。

しかし、XPにすることで困ったこともでてきた。ひとつは、必要ないソフトがインストールされてしまうこと。たとえば、ダウングレードモジュールを手順にしたがって導入すると、ワンセグが入っていないモデルにも「VAIOモバイルTV」がインストールされてしまう。WWANモデル以外にもNTTドコモの「ドコモ コネクションマネージャ」が入ってしまう。そこで、必要ないものはコントロールパネルの「プログラムの追加と削除」などでひとつひとつアンインストールしていった。

XP化すると、ワンセグモデル以外にも「VAIOモバイルTV」が自動的にインストールされてしまう

XP化で、WWANモデル以外にもインストールされるNTTドコモの「ドコモ コネクションマネージャ」。ソフト自体は通常のFOMA端末を接続した場合でも利用できる。また、ドコモ公衆無線LAN(Mzone)に簡単にログインできる機能も搭載されているので、契約しているユーザーは残しておくと便利だ

XP化で使えなくなる機能と対処法

XP化するとウィンドウ整列ボタンが使えなくなってしまう。しかし、多少手間がかかるが、タスクバーを右クリック→「左右に並べて表示」でも似たような操作は行える

もうひとつ困ったのが、Vista環境にあった機能が使えなくなってしまう点だ。たとえば、XP化した直後は「ウィンドウ整列ユーティリティ」や「インスタントモード」などが利用できない。このうち、インスタントモードに関しては、ソニーの製品別サポートページから該当機種を選び、目次の中の「アップデートプログラム(ダウンロード)」からインスタントモードに関するアップデータを選択して適用することで使用可能になる。ウィンドウ整列に関しては、現状ではソニーからXP用のアップデータが提供されていないが、タスクバーを右クリック→「左右に並べて表示」で同様の操作を実現できるので、ひとまずそれでよしとした。

ソニーの製品別サポートページ。目次の中の「アップデートプログラム(ダウンロード)」からインスタントモードに関するアップデータを探して適用しておこう

その際キーボード前面の「ウィンドウ整列ボタン」をムダにしないため、割り当てる機能を変更することにした。手順は、ボタンを長押しして「Sボタン設定」画面を出し、「S2」の動作を変更すればOK。筆者の場合は、このボタンに使用頻度の多い「Microsoft Outlook」を割り当てておいた。ちなみに、XMB(クロスメディアバー)用の「S1」ボタンも押したときの動作を変更できる。インスタントモードをあまり使わない人は、好きな機能を割り当てておくといいだろう(なお、本体電源オフ時にこのボタンを押した場合は、設定内容に関わらずインスタントモードで起動する)。

「Sボタン設定」画面。「S1」がインスタントモード用、「S2」がウィンドウ整列ボタン用になっている。よく使うアプリなどに割り当てを変更しておくと便利だ

XP化によって、type Pの実用性は格段に向上した思う。今後、Windows 7をプリインストールしたモデルも当然登場すると思うが、まだ少し先のこと。それまでは、XP化したtype Pを思う存分使い倒すことにしよう。