前回に続き、type Pをより快適に使うためのTIPS集をお届けする。実際に筆者である山口氏が使いこなしているテクなので、役に立つことは間違いなしだ。

山口氏が使用しているVAIO type Pのオニキスブラックモデル

type Pの設定を変更する

ポケットに入れられるかどうかはともかく、type PはVista搭載ノートとしては最小クラスの本体サイズ、重量を実現している。こういったモバイルノートは、やはり持ち運んで使ってナンボ、と言えるだろう。

「VAIOの設定」の「液晶の動作設定」の画面。「液晶を開いたときの動作設定」と「液晶を閉じたときの動作設定」をこのように変更することで、液晶の開閉とスリープが連動するようになる

出先にtype Pを携帯する際は、できるだけスマートに使いこなしたいものだ。カバンからさっと取り出して、使い終わったらさっとしまう。そのためには、type Pのスリープ機能を最大限に活用したいところ。そこで、まずコントロールパネルの「VAIOの設定」で「液晶の動作設定」を開き、「液晶を開いたときの動作設定」を「休止状態やスリープ状態から起動」に、「液晶を閉じたときの動作設定」を「バッテリ駆動」→「スリープ状態」、「電源に接続」→「スリープ状態」に変更した。これで、液晶の開閉に起動とスリープが連動するようになる。

次に、「電源・バッテリ」→「VAIO省電力ビューア」の画面右下にある「詳細設定」をクリックし、「スリープ」の「バッテリ駆動」をそれぞれ下図のように設定。これで、操作しない状態が10分たつと自動的にスリープに移行し、そこからさらに5時間経過した場合に休止状態に移行するようになる。type Pのスリープ時の電力消費は意外に少ないので、「次の時間が経過後休止状態にする」はもっと大きな数値でもいいかもしれない。なお、モバイル時のバッテリ駆動をのばすには、「詳細設定」の中の「ディスプレイ」→「ディスプレイの明るさ」の「バッテリ駆動(%)」を変更しておくといい。数値が小さいほどディスプレイは暗くなるが、その分バッテリ駆動時間は長くなる。

「VAIO省電力ビューア」の「詳細設定」画面。「バッテリ駆動」をこのように変更することで、スリープや休止状態へ移行するまでの時間を調節できる

「ディスプレイの明るさ」の「バッテリ駆動(%)」を変更すると、バッテリ駆動時のディスプレイの輝度を調節できる

さらに、「詳細設定」の中の「プロセッサの電源管理」も好みに合わせて変更しておこう。標準では下図【画像ファイル:04.BMP】のように「最大のプロセッサの状態」がそれぞれ「100」になっているはず。バッテリ駆動時間をのばしたい場合や、発熱が心配な場合は、この数値を下げておくといい。ただし、Atomはそれほどパワフルなプロセッサではないので、あまり下げるとかえって使いづらくなってしまうこともある。

「最大のプロセッサの状態」の値を変更すると、高負荷時のプロセッサの消費電力を調節することができる

Photoshopを高速化する

これまでのカスタマイズで、個人的には十分満足いく使い勝手になった。スリープからの復帰が速いため、液晶を開いたらすぐにマシンで作業を始められるのがうれしい。現在使用しているAtom Z540(1.86GHz)モデルの場合は、日常的に使用しているOffice 2007やOutlook、秀丸エディタなどのソフトもキビキビ動作する。Photoshopもストレスなく動いてくれる。

ちなみに、PhotoshopのバージョンがCS2かCS3ならば、ちょっとしたおまじないをかけると、少しだけ画像処理速度が速くなる。手順は、Photoshopフォルダの中の「プラグイン」→「Adobe Photoshop Only」→「機能拡張」→「大きいタイル」フォルダ(CS2の場合。CS3は、「プラグイン」→「機能拡張」→「大きいタイル」フォルダ)にある「~大きいタイル.8BX」のチルダを取って「大きいタイル.8BX」にリネームする【画像ファイル:05.BMP】。

続いて、Photoshopを起動し、「編集」メニュー→「環境設定」→「パフォーマンス」で「Photoshopで使用する容量」を1GB以上に設定する【画像ファイル:06.BMP】。あとは、Photoshopを再起動すればOK。アドビのサポートにも記載されている方法なのだが、意外と知られていないようなのでPhotoshopユーザーはぜひ試してみてほしい。

「~大きいタイル.8BX」のチルダを取って「大きいタイル.8BX」にリネームすると、プラグインが有効化される

Photoshopへのメモリの割り当てはデフォルトのままでもOKだが、1GB以上にすると、画像処理がより効率的になるようだ

ところで、先ほどOutlookを日常的に使用していると書いたが、type Pを使いはじめていちばん困ったのがPIMデータの同期だ。次回は、異なるOSやデバイス間でPIMデータをうまく同期する方法を考えてみたいと思う。