東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+531円49銭となりました。

今週の高値は5月21日(木)の2万320円90銭、一方、安値は18日(月)の1万9741円22銭。高安の値幅は579円68銭でした。日経平均株価は21日(木)に2万320円台にのせ、年初来高値更新、15年1カ月ぶりの高値をつけています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

5月18日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の米国市場では、S&P500種株価指数が連日の最高値を更新するなど堅調に推移したことから、東京市場も朝方から買いが先行しました。日経平均株価は主力銘柄を中心にじりじりと上げ幅を広げ、後場に入ると一段高の展開となりました。世界的な金利上昇が一服するなか、主要企業の決算内容も好調なことから買い安心感が広がり、結局、日経平均株価は+157円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は保険、銀行、紙・パルプ、非鉄、卸売、陸運など32業種が上昇。一方、サービスの1業種のみが下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

19日(火)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場はダウ工業株30種平均株価とS&P500種株価指数が共に最高値を更新した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方から買いが先行しました。日経平均株価は前場の中盤に3週間ぶりに2万円を回復し、後場に入ってからは一段高となりました。後場中ごろに日経平均株価は+197円となり、終盤にかけても2万円を下回らずに推移し、結局、+136円で大引けを迎えています。TOPIXはザラ場ベース、終値ベースともに年初来高値を更新しました。TOPIX業種別株価指数は、証券、水産、その他金融、食料品、空運、陸運など25業種が上昇。一方、海運、倉庫、自動車、その他製品、紙・パルプ、不動産など7業種が下落。銀行が変わらず。日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

20日(水)の東京株式市場は続伸しました。前日の欧米市場は、クーレECB専務理事が量的緩和の加速を示唆する発言をしたことから株価は上昇し、米国市場も上昇しました。さらに東京市場が始まる直前に発表された1~3月期のGDP(国内総生産)速報値が+0.6(年率換算+2.4)%と、市場予想を上回ったことも支援材料となり、日経平均株価は堅調な展開となりました。後場に入ると、日経平均株価は+252円となる場面もあり、終始2万200円近辺で推移し、ザラ場ベースでの年初来高値を更新しました。東証1部の時価総額は14時15分時点で591兆9158億円に達し、バブル期の1989年12月29日につけた過去最高額(590兆9087億円)を超える場面もありました。

TOPIX業種別株価指数は、不動産、電気・ガス、ゴム、サービス、ガラス・土石、陸運、海運など26業種が上昇。一方、石油・石炭、保険、鉱業、鉄鋼、非鉄、水産など7業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

21日(木)の東京株式市場は続伸しました。前日の欧米市場はまちまちの展開となるなか、東京市場は朝方から買いが先行しました。前場の日経平均株価はじりじりと上げ幅を広げ、後場の序盤には2万320円をつける場面もありました。その後は先物にまとまった売りが出始め、日経平均株価、TOPIXともにマイナスに沈む瞬間もあり、軟調な流れに変わりました。ただ、下値では押し目買いも入りやすく、終盤にかけては切り返し、日経平均株価は結局、+6円と小幅高で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、保険、非鉄、銀行、紙・パルプ、電気・ガス、不動産、機械など17業種が上昇。一方、金属、その他金融、空運、海運、水産、ゴムなど16業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに5日続伸となっています。

22日(金)の東京株式市場は続伸しました。前日の米国市場でS&P500種株価指数が最高値を更新するなど堅調に推移したことから、東京市場も朝方はしっかりの始まりとなりました。ただ、その後は5日続伸の過熱感から利益確定売りも出始め、日経平均株価はマイナス圏の展開へと変わりました。昼休み中に日銀が金融政策の現状維持を決定したとの報道が伝わると、後場寄り付き直後は、想定通りの結果を受けて先物主導で日経平均株価は下落したものの、景気判断を強めたとの見方が広がると、その後は今一度、上昇に転じました。

日経平均株価は終盤にかけてしっかりの展開となり、結局、+61円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は鉱業、ゴム、石油・石炭、紙・パルプ、鉄鋼など20業種が上昇。一方、保険、精密、空運、輸送、その他製品など13業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに6日続伸となっています。

来週の予定です。5月25日(月)には4月分の貿易統計が発表されます。27日(水)には5月分の月例経済報告が発表となります。

5月29日(金)には4月分の全国と5月分の都区部CPI(消費者物価指数)、4月分の完全失業率、家計調査、有効求人倍率、鉱工業生産指数、住宅着工戸数などが発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。