東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-25円89銭となりました。

今週の高値は2月4日(水)の1万7743円11銭、一方、安値は3日(火)の1万7271円87銭。高安の値幅は471円24銭でした。今週は一進一退の展開が続く「往来相場」となりました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

2月2日(月)の東京株式市場は反落しました。

前週末の米国市場は10~12月期GDP(国内総生産)が市場予想を下回ったことから大幅に反落しました。この流れを引き継いだ東京市場も売りが先行し、軟調な展開が続きました。ただ、国内企業の決算が総じて堅調な上、日銀によるETF(上場投資信託)買いへの期待から下値では押し目買いが入りやすく、日経平均株価は1万7500円前後で底堅く推移しました。

終盤にかけて下げ渋るなか、結局、-116円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、陸運、医薬品、石油・石炭、自動車、卸売など7業種が上昇。一方、ガラス・土石、空運、保険、ゴム、食料品、水産、建設など26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

3日(火)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が上昇した流れを受けて、東京市場も朝方は主力銘柄中心に買いが先行しました。ただその後は、買いの勢いが鈍くなり、前場中ごろには、為替が円高に振れたことから輸出関連銘柄を中心に売りが広がり、日経平均株価は下げに転じました。後場が始まるとすぐに、オーストラリア中央銀行が利下げを発表し、為替相場で豪ドルが対主要通貨で急落し、円高が加速する一方、長期金利が+0.075%の0.360%まで上昇し、不安定な金融市場への懸念から日経平均株価は一時、-287円となる場面もありました。終盤はやや戻したものの、結局、-222円で大引けを迎えています。TOPIX業種別指数は、鉱業、石油・石炭、その他金属、紙・パルプ、卸売の5業種が上昇。一方、空運、海運、ゴム、陸運、化学、電気・ガス、食料品、精密など28業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続落しています。

4日(水)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場で原油価格が1カ月ぶりの高値を付けたことで、ダウ工業株30種平均株価も大幅に上昇しました。その流れを引き継いだ東京市場も買いが先行しました。為替が円安に振れたことから買い一巡後も安心感が広がり、金利の低下や原油安を好感して、銀行や石油関連の銘柄が物色される流れとなりました。日経平均株価は一時、+408円となる場面もあり、終日堅調に推移するなか、結局、+342円で大引けを迎えています。東証1部の売買代金は概算で2兆8072億円と2014年12月19日以来1カ月半ぶりの大きさとなりました。TOPIX業種別指数は、保険、その他金融、倉庫、鉄鋼、卸売、銀行、鉱業など31業種が上昇。一方、水産、紙・パルプの2業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反発となっています。

5日(木)の東京株式市場は反落しました。ギリシャのデフォルトリスクを巡る不透明感から、前日の米国市場はナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数が下落。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが優勢となりました。その後も軟調に推移するなか、後場に入り、30年物国債の入札が好調だったと伝わると、日経平均株価はやや下げ幅を縮小しました。ただ、買い戻しの勢いは続かず、結局、日経平均株価は-174円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、不動産、その他金融、金属製品、銀行、紙・パルプなど7業種が上昇。一方鉱業、繊維、機械、倉庫、非鉄金属、陸運など26業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

6日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が大幅に上昇したことから東京市場も朝方から買いが先行しました。好業績銘柄を中心に買いが広がり、日経平均株価は一時、+196円となる場面もありました。ただ、その後は買いの勢いが続かず、米雇用統計の発表を控え、様子見ムードから伸び悩む展開となりました。後場に入り、14時に内閣府が発表した12月分の景気一致指数速報値が上昇し、景気の基調判断も「改善を示している」に上方修正されたものの、相場押し上げ要因とはならず、方向感の乏しい流れが続きました。結局、一日を通した日経平均株価の高安の値幅は約96円と、こう着状態のまま大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、不動産、鉄鋼、その他金融、石油・石炭、銀行、証券など22 業種が上昇。一方、水産、保険、空運、ゴムなど11業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。2月9日(月)に国内で12月分と2014年の国際収支、1月分の景気ウォッチャー調査が発表されます。10日(火)には中国で1月分のCPI(消費者物価指数)が発表されます。12日(木)には12月分の機械受注統計と1月~3月分の見通しが発表となります。13日(金)には欧米で10月~12月期の独GDP(国内総生産)、ユーロ圏GDPが発表されます。

国内ではオプションSQ(特別清算指数)が算出されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。