東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+162円64銭となりました。

今週の高値は28日(水)の1万7850円59銭、一方、安値は26日(月)の1万47285円71銭。高安の値幅は564円88銭でした。決算発表が相次ぎ、好業績銘柄へ物色の矛先が向かいました。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

26日(月)の東京株式市場は反落しました。

ギリシャ総選挙で急進左派が勝利したことを受けて為替市場でユーロ・円相場が1ユーロ=130円台前半の円高方向に振れたことから、東京市場は大幅安で始まりました。輸出関連銘柄を中心に売りが広がるなか、その後、円高が一服すると、日経平均株価も下げ渋る展開となりました。その後は先物主導で買い戻しが入り、結局、日経平均株価は-43円で大引けを迎えています。また、東証1部の売買高、売買代金ともに今年最低の水準でした。

TOPIX業種別指数は、ゴム、空運、紙・パルプ、倉庫、陸運、水産、食料品など15業種が上昇。一方、不動産、鉱業、海運、その他金融、卸売、非鉄金属、保険など18業種が下落。

日経平均株価は3日ぶりの反落、TOPIXは反落となっています。

27日(火)の東京株式市場は反発しました。前日の欧米市場は、ギリシャ新政権がユーロ圏に留まる方針を示していることから、リスクオンの流れとなり、上昇しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から上昇しました。主力銘柄を中心に買いが広がり、日経平均株価は終始堅調に推移しました。後場に入り、安倍首相が衆議院本会議で「3本目の矢の政策をさらに前に進める」と述べたと伝わると、成長戦略が推進されるとの思惑から、日経平均株価は大引けにかけて上げ幅を広げ、ほぼ高値引けの水準で取引を終えています。

TOPIX業種別指数は、電気・ガス、精密、鉄鋼、銀行、医薬品、保険、陸運など32業種が上昇。一方、鉱業の1業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発しています。

28日(水)の東京株式市場は続伸しました。

前日の米国市場でダウ工業株30種平均株価が大幅下落した流れを引き継ぎ、東京市場も朝方からほぼ全面安となりました。ただ、その後は先物主導で買いが入り、日経平均株価への寄与度の高い銘柄が上昇したことから、日経平均株価もプラスに転じました。国内企業の決算発表の内容が好調なことも相場を下支えしました。結局、日経平均株価は+27円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、空運、海運、紙・パルプ、電気・ガス、陸運、小売、倉庫など19業種が上昇。一方、鉱業、機械、銀行、証券、自動車、ガラス・土石など14業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

29日(木)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場はFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文から「ゼロ金利を相当な期間維持する」との文言が削除され、利上げ観測が強まったとの見方から下落しました。その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行し、軟調に推移しました。その後は、業績期待から下げ幅を縮小したものの、後場中ごろになると、先物主導で売りが膨らみ、日経平均株価の下げ幅は一時、-220円となる場面もありました。結局、日経平均株価は-189円で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数は、空運、医薬品、小売の3業種が上昇。一方、海運、その他製品、機械、不動産、鉄鋼、電機、情報通信など30業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日ぶりの反落となっています。

30日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場が大幅に上昇したことからその流れを引き継いだ東京市場も朝方から買いが広がりました。取引開始前に発表された経済統計も底堅い内容となったことに加え、好業績銘柄が堅調に推移し、相場を下支えしました。買い一巡後は、日経平均株価は上げ幅を縮小し、後場に入ると、一進一退の展開へと変わりました。結局、日経平均株価は1万7700円を割り込んで大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、水産、紙・パルプ、電気・ガス、繊維など22業種が上昇。一方、その他金融、鉄鋼、空運、不動産、輸送など11業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。2月4日(水)に岩田日銀副総裁の講演があります。また、トヨタ自動車、ソニーが、4月~12月期の決算発表を行います。6日(金)には米国で1月分の雇用統計が発表されます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。