東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比-114円60銭となりました。

今週の高値は25日(月)の1万5628円61銭、一方、安値は29日(金)の1万5356円00銭。高安の値幅は276円61銭でした。週半ばまでは一進一退の展開が続き、結局、週末は続落して一週間を締め括りました。一方、東証2部株価指数は年初来高値更新、13日続伸となっています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

25日(月)の東京株式市場は反発しました。前週末のイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演の内容が、金融政策に踏み込むこともなく、中立的なメッセージであったことから、週末の米国市場は波乱材料視せず、高安まちまちの展開となりました。

ただ、為替が1ドル=104円台半ばまで円安に振れたことから、東京市場は朝方から買いが広がりました。後場に入ると、先物の買いにつれて輸出関連銘柄などにも買いが入り、総じて高値圏で推移するなか、日経平均株価は約1カ月ぶりに1万5600円台にのせて大引けを迎えています。また、新興市場や東証2部市場に個人投資家中心の資金が入り、日経ジャスダック平均株価や東証2部株価指数は、年初来高値を更新しました。

TOPIX業種別指数では、精密、建設、電気機器、化学、海運など25業種が上昇。一方、鉄鋼は変わらず。電気・ガス、医薬品、保険など7業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

26日(火)の東京株式市場は反落しました。ECB(欧州中央銀行)による追加の金融緩和への期待から欧米市場は上昇したものの、為替が円高に振れたこともあり、東京市場は売り優勢の展開となりました。後場に入ると、前週まで上昇が続いた反動から利益確定売りが中心となり、先物や主力大型株が売られるなか、終盤は下げ幅を広げる形で大引けを迎えています。一方、東証2部株価指数は連日で年初来高値を更新し、10日続伸となっています。TOPIX業種別指数では、建設、ガラス・土石、医薬品など5業種が上昇。一方、陸運、小売、情報・通信、不動産、銀行など28業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

27日(水)の東京株式市場は反発しました。欧米市場が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も序盤は堅調なスタートとなりました。ただ、その後は買い進める材料も見当たらず、後場に入ると、先物にまとまった売りが出始めたものの、主力銘柄が軟調な展開のなか、値動きの軽い東証2部上場銘柄や注目テーマが豊富な建設セクターに物色の矛先が向かいました。水準としては、1万5500円を下回ると、押し目買いも入りやすく、結局、終盤はプラス圏に持ち直して大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、医薬品、海運、証券、建設など17業種が上昇。小売、陸運、不動産、食品など16業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

28日(木)の東京株式市場は反落しました。前日の米国市場で上昇基調にやや一服感が出てきたことなどを受けて、東京市場も朝方から軟調な展開となりました。日経平均株価の下げ幅は一時110円超まで拡大し、その後は、翌日の経済統計の発表を前に、様子見ムードとなりました。下値も限られるなか、後場の日経平均株価の高安の値幅は39円、一日を通しても64円と、狭いレンジでの推移で大引けを迎えました。一方、東証2部株価指数は12日続伸となっています。

TOPIX業種別指数では、医薬品、空運、石油・石炭など5業種が上昇。一方、鉄鋼、ゴム製品、海運、不動産、輸送用機器など28業種が下落。医薬品、日経平均株価、TOPIXともに反落となっています。

29日(金)の東京株式市場は続落しました。前日の米国市場が下落した流れを受けて、東京市場も朝方から売りが先行しました。先物主導で売り優勢となり、日経平均株価の下げ幅は、一時-183円まで下落する場面もありました。後場に入ってからは、やや下げ幅を縮小するなか、週末で月末の金曜日であることに加え、週明けの米国市場が休場ということもあり、様子見ムードの漂う展開となりました。日経平均株価の高安の値幅は、結局、前場の91円ほどとなり、後場の相場展開もこのレンジ内での推移となりました。売買代金は15日連続で2兆円を下回っています。一方、東証2部株価指数は年初来高値更新、13日続伸となりました。

TOPIX業種別指数では、情報・通信、紙・パルプ、その他製品など8業種が上昇。一方、鉱業、不動産、証券、建設、保険など25業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに続落となっています。

来週の予定です。9月1日(月)には、4月~6月期、2013年度の法人企業統計調査が発表となります。3日(水)には内閣改造・自民党役員人事が公表される他、日銀金融政策決定会合(4日まで)が開催されます。また米国ではベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます。4日(木)には、ECB(欧州中央銀行)理事会の結果が発表されます。5日(金)には米国で、8月分の雇用統計が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。