【レポート】

長子、中間子、末っ子の特徴は? 育て方で注意したいこと

子どもには一人ひとりに個性があって、性格も全く異なるもの。しかし心理学の観点から、兄弟・姉妹の有無やうまれた順によって、育ち方や性格に一定程度の特徴を読み解くことはできるそう。そこで今回は、神奈川大学人間科学部教授で心理学者の杉山崇先生に、長子、中間子、末っ子の特徴や、育て方で気をつけるべき点について聞いてみた。

長子、中間子、末っ子の特徴は? 育て方で注意したいこと(写真はイメージ)

長子は"前向き"に育てよう

まず、一人目の子どもである長女・長男は、どのような特徴を持っているのだろうか。これについて杉山先生は、「内的統制感が高くなりやすいという研究結果があります」と語った。内的統制感とは、"自分がしたことが身の回りのことに直接影響を及ぼしている"という感覚のこと。意欲があり、何事にもがんばれる、長所につながるそうだ。

「初めての子どもなので、中間子、末っ子と比べて、些細な言動に親が反応しがちです。加えて、自分のアクションに従って行動する下の子の存在により、"自分が何かをしたら、何かが起こる"という感覚が育つ傾向にあります」。

一方で、がんばりすぎる、みんなに頼れない、相談ベタにもなりやすいという。「成長するにつれ、親の関心は下の子に向かいます。そうすると、自分が何か困ったり悩んだりした時に、自分でなんとかしようと思いがちです」。意欲的である反面、問題を抱え込んで自分を追い詰める傾向があるのだそうだ。

長子のように内的統制感の高い人は、"明るい気分"で暮らしているか、"暗い気分"で暮らしているかで、うつ病のかかりやすさに違いが出ることが、杉山先生の研究によって分かっているのだとか。「内的統制感の高い人に嫌なことが起きた時、明るい気分を持っていれば"なんとかできる"と思える一方、暗い気分では"自分が原因だ"と思ってしまい、うつ病になりやすいといえます」。このような研究結果から見ても、長子は前向きに育てたほうがいいそう。

「長子にプレッシャーを掛け続けると、自分を追い詰めてしまい、心の問題に発展することもあるので注意してほしいと思います。あなたはいろんなことができるよ、いろんな可能性を持っているよと、日頃から前向きに接してあげましょう」。"がんばれ"ではなく、"あなたは何でもできる"と可能性を提示することが大切といえそうだ。

中間子はいい意味でも悪い意味でも隠れた存在

次に中間子はどうだろうか。杉山先生は、「自分の個性を密かにあたためて、研ぎ澄ましているというイメージです」と語った。上の子や下の子は親の注目を集めやすいので、性格形成の過程で、しかられてたしなめられたり、親からの影響を受けたりしがち。一方で中間子は、親の目を集めにくく、個性を強制されることが少ない傾向にあるという。

「いい意味でも悪い意味でも隠れた存在」であり、個性が良い方向に向かうか、悪い方向に向かうか、どちらに転ぶか分からないので注意が必要とのこと。「例えば"攻撃的な部分は周りから喜ばれないから抑えよう"という気持ちは、親からしかられるなどして育んでいくもの。意識して目をかけた方がいいと思います」。

子どもの個性をうまく伸ばせるよう、「少し意識しすぎかな?」と思うくらい、気にかけてみてあげたほうが良さそうだ。

社会性の高い末っ子は甘やかし過ぎないで

そして、末っ子については「楽な方に流れがち」と杉山先生。「お兄ちゃんやお姉ちゃんが手をかけてくれることが多いので、何もしなくてもなんとかなるという気持ちが強いです」。大人になると、実力よりワンランク落とした世界に行って、そこで評価される方を選ぶ傾向があるとのこと。

「がんばらないことで世の中を渡っていこうとする傾向があると思います。がんばりきれないのは欠点ともいえますが、ある意味では才能です」。自分の力になってくれる人、助けてくれる人を見つけて、懐に入り込むのもうまいという。お兄ちゃん、お姉ちゃんの存在により、誰かに合わせる役割を担うのが得意で、社会性が高い。苦労の少ない人生を歩めそうだ。

一方で注意したいのは、親がいつまでも子ども扱いしてしまう点。「上の子がしっかりしていると、逆にしっかりしていない下の子はかわいく感じる。いつまでも手のかかる子でいてほしいと思いがちなのでご注意ください」。うまく自立できるよう、少しずつ親離れしていこう。

長子、中間子、末っ子と、それぞれの特徴を挙げてきたが、性格形成は「生まれ持ったものや、積み重ねてきた経験による影響が大きい」と杉山先生。子どもが置かれている環境や個性を見極め、それぞれの子に合わせた育て方が実践できるといいかもしれない。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

杉山崇先生プロフィール

人を幸せにしたいという思いから心理学研究者の道に。神奈川大学人間科学部教授として教鞭をとる傍ら、臨床心理士の見地から心の悩みの相談を受ける。また、心理相談センター所長として後進の育成に従事している。一級コンサルティング技能士の資格を持ち、社員のメンタルヘルス対策を考える企業の相談にも対応。 著書に『読むだけで、人づきあいが上手くなる。』『グズほどなぜか忙しい!』他多数。近著『「どうせうまくいかない」が「なんだかうまくいきそう」に変わる本』『ウルトラ不倫学』。講演、TV出演等で心理学の可能性を広げている。
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