パナソニックは3月21日、テクニクスブランドからフルデジタル構成のアンプ「SU-G700」、スタンダードクラスのターンテーブル「SL-1200GR」、フロアスタンド型スピーカー「SB-G90」を発表した。いずれも5月19日の発売を予定しており、希望小売価格(税別)はSU-G700が230,000円、SL-1200GRが148,000円、SB-G90が249,000円 (1本)。

同日、都内で開催された製品発表会では、パナソニック 役員の小川理子氏らが登壇し、テクニクスブランドの現在と新製品の詳細、プロモーション施策について説明した。

今回発表された3製品とパナソニック 役員 小川理子氏 (向かって右)

SU-G700

SU-G700

SU-G700は、フルデジタルアンプ「JENO Engine」や負荷適合アルゴリズム「LAPC」など、テクニクス最上級クラス「R1」シリーズから継承した高音質技術を搭載。電源部、パワーアンプ部、入力部を3分割した設計により、低ノイズで純度の高い音を再現する。デザイン面では、アルミ製フロントパネル内の大型2連針メーターが抜群の存在感を示している。

入力インタフェースは、デジタル接続用のUSB端子を1基、同軸デジタル端子を2基、光デジタル端子を各2基、アナログライン端子を2基、さらにPHONO MMを1基装備。ハイレゾ音源に関しては、USB入力の場合でPCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzの再生をサポートする。アンプ部の定格出力は70W+70W (8Ω)、140W+140W (4Ω)。本体サイズはW430×H148×D428mm、重さは約12.3kg。

電源部、パワーアンプ部、入力部を独立させた3分割構造

左側が「JENO Engine」のブロック図。ジッターの発生を抑制する。右側は「LAPC」の動作イメージ。アナログでは難しかったフラットな位相を実現した

SU-G700の入出力端子と接続イメージ

SL-1200GR

SL-1200GR

今回発表されたSL-1200GRは、アナログレコード愛好層を広げるスタンダードモデルという位置づけ。テクニクスブランド復活の象徴とも言えるSL-1200Gの技術を引き継ぎつつ、シングルローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーター、2層構造のプラッターときょう体、アルミ素材を使用したトーンアームを新開発。希望小売価格を、SL-1200GやSL-1200GLEの330,000円に対し、148,000円に抑えている。

(左) SL-1200GRを俯瞰。(右) シングルローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーターと2層構造プラッター

シングルローター型コアレス・ダイレクトドライブ・モーターの仕組み。回転ムラや振動の原因となるコギングを抑制する

プラッターとボディの構造。シングルローター化によって下がったトルクをプラッターの軽量化によってカバー。剛性面にも不安はない

SB-G90

SB-G90

SB-G90は、同軸2ウェイユニット (16cm径ミッドレンジ + 2.5cm径ツイーター) と16cm径のウーハー2基で構成されるフロアスタンド型スピーカー。「重心マウント構造」によって、エンクロージャーに不要な振動を伝えないよう抑制し、スピーカーユニットの実力を最大限に引き出す。

再生周波数特性は27Hz~100kHz (-16dB)、32Hz~85kHz (-16dB)。インピーダンスは4Ω。許容入力は定格100W、最大200W。スパイク使用時の本体サイズはW302×H1114×D375mm、ゴム足使用時はH1093mmとなる。重さは32kg。


試聴トレーラーがあなたの街に

プロモーション計画の目玉は二つ。まずは、移動リスニングルームとなる「Technics Sound Trailer」。東京と大阪のパナソニックセンターにはリスニングルームが常設されているが、このトレーラーが始動すれば (5月予定)、それ以外の地域でもテクニクスサウンドを体験できる機会が生まれる。

これが、Technics Sound Trailer。本日はあいにくの雨だったが、なかなかフォトジェニック。内部で体験できるサウンドも期待大だ

次に、あのコーネリアスによるオーディオチェックトラックが用意されること。オーディオ評論家の和田博巳氏がテクニクス製品の試聴音源として、コーネリアスの「Like a Rolling Stone」をかけていたことがきっかけとなり、本当にオーディオチェックトラックを作ってしまったという。

これが実物。「世界一素敵で楽しいオーディオチェックトラック」と和田博巳氏

昨年に続き、世界的ピアニストのアリス=紗良・オットさんがテクニクスのアンバサダーを務める