国内におけるキウイフルーツ研究の第一人者である、駒沢女子大学 人間健康学部 健康栄養学科の西山一朗教授

ゼスプリ インターナショナル ジャパンはこのほど、キウイフルーツ・メディアセミナーを開催した。同セミナーでは、国内におけるキウイフルーツ研究の第一人者である、駒沢女子大学 人間健康学部 健康栄養学科の西山一朗教授が登壇し、「最新のキウイフルーツの栄養と健康に関する研究成果」について講演を行った。

卓越したビタミンC含有量

キウイフルーツは、1個(約100g)あたり50~60kcal程度と低カロリー。一年中入手が可能で、熟していないものであれば冷蔵庫で1カ月程度の長期保存ができる。半分にカットするだけで手軽に食べられ、基本的に生食のため、栄養素の損失が少ないのも特徴とされている。

キウイフルーツの代表的な品種には、ゼスプリ・グリーン(ヘイワード種 ※以下グリーン)、ゼスプリ・サンゴールド(ZESY002種 ※以下サンゴールド)、ゼスプリ・ゴールド(ホート16A種 ※以下ゴールド)がある。

100gあたりのビタミンC含有量は、グリーンが約85mg、サンゴールドが約160mg、ゴールドが約110mg(「New Zealand FOODfiles 2014 Ver.01」「日本食品標準成分表2015年度版/七訂」より)

その栄養価で驚くべきところは、ビタミンCの含有量だ。100gあたりのビタミンC含有量は、グリーンが約85mg、サンゴールドが約160mg、ゴールドが約110mg(「New Zealand FOODfiles 2014 Ver.01」「日本食品標準成分表2015年度版/七訂」より)。これはフルーツの中で卓越した含有量であり、食品全体で比べた場合でもトップクラスだという。厚生労働省が定める成人のビタミンC推奨量は、1日100mg。キウイフルーツ1個は約100gであることから、1日1個のサンゴールドもしくはゴールド(グリーンの場合は2個)を食べれば、推奨量を満たすことができるというわけだ。

左から、「総食物繊維(g / 100g)」「カリウム(mg / 100g)」「葉酸(μg / 100g)」(「New Zealand FOODfiles 2014 Ver.01」「日本食品標準成分表2015年度版/七訂」より)

このほか、食物繊維やカリウム、葉酸、ビタミンEなども豊富に含まれる。「キウイフルーツはコンパクトな実の中に、食生活で不足しがちな栄養素をバランスよく含んでいることがおわかりいただけると思います」と西山教授。

免疫力アップの可能性

今年4月、キウイフルーツの効果に関する国際シンポジウムがニュージーランドのタウランガで開催された。西山教授は、同シンポジウムで報告された内容をもとに、キウイフルーツにおける「ビタミンCと健康効果」「血糖値上昇の抑制作用」「消化器系の働き」について解説した。

まず、ビタミンCには、酵素の働きを助ける作用や抗酸化作用といった生理作用がある。ビタミンCが不足すると、皮膚や歯肉からの出血、倦怠(けんたい)感、衰弱などの症状が起こる壊血病の原因になるといわれるが、その予防のために推奨される血漿(けっしょう)中ビタミンC濃度は30μM程度。一方で生理作用を十分に発揮させ、生活習慣病予防や免疫機能の強化といった機能を期待するためには、血漿中ビタミンC濃度を飽和状態まで高めておく必要があるという。

1日2個のゴールドを6週間摂取したときに血漿中ビタミンC濃度は飽和状態になり(左)、余剰分は尿中に排出された(右)

18~30歳の非喫煙男性を対象とした実験では、1日2個のゴールドを6週間摂取したときに血漿中ビタミンC濃度は飽和状態となった。また、1日3個食べてもそれを上回る効果は見られず、余剰のビタミンCは尿中へ排出された。このことから、「1日2個のキウイフルーツを摂取することによって、生活習慣病の予防効果などが期待できます」と西山教授。

さらに別の実験において、1日2個のゴールド摂取で気分の改善が認められる可能性が示され、1日2個のサンゴールド摂取で免疫力向上の可能性が示唆されたことにも触れた。