レンズ交換式カメラを手に入れたら、一度は使ってみたいのが超望遠レンズ。そこで今回は、富士フイルムのプレミアムミラーレスカメラ「X-Pro2」に「フジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」を装着して、飛行機撮影にチャレンジした。さらにx1.4のテレコンバーターも使用。すると、高速で飛行する航空機がここまで写る!

X-Pro2にXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRを装着した状態

オンリーワンのXマウント超望遠レンズ

そのとき編集H氏と私は、近くに米軍基地のある某町を歩いていた。上空を飛び去って行く哨戒機を目で追いながら、私は何気なく呟いた。久しぶりに飛行機でも撮りに行こうかなぁ。今度は旅客機じゃなくて、ああいう軍用機とか……。その呟きは、瞬く間にジェット機の轟音にかき消された、と私は思った。が、編集H氏はその言葉を聞き逃さなかった。

H氏「いいですね! せっかくだから記事にしましょうよ。機材は手配しておきますから!」

果たしてその数日後、X-Pro2とフジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR、そして「フジノン テレコンバーター XF1.4X TC WR」が私の手元に届いたのだった。

UC-12Fの機首にぐっと寄る!

主題に入る前に、これら機材について簡単に説明しておこう。X-Pro2については以前にレビューをお届けしているので、そちらをご覧いただきたい。

■Xシリーズのスピリットを集約した真のフラッグシップ - 「FUJIFILM X-Pro2」(前編)
■Xシリーズのスピリットを集約した真のフラッグシップ - 「FUJIFILM X-Pro2」(後編)

レンズのXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRは、Xマウントレンズ群で唯一の超望遠レンズ。35mm判換算では152-609mmに相当する。レンズ構成は4群21枚。うち5枚がEDレンズ、1枚がスーパーEDレンズ(蛍石レンズに匹敵)という非常に贅沢な設計だ。

77mm径のフィルター枠を持つ大口径レンズながら、Xマウントレンズらしく重量は1.4kg弱、収納時全長は約210mmと、(他社製の同等装備を考えれば)小型軽量な作りで、手持ち撮影も可能だ。

左腕にレンズの自重がすべて乗ってしまうので、ズームリングを操作しにくい。これは軽量なカメラ本体(X-Pro2)とのバランスの問題なので、X-Pro2にオプショングリップを着けると改善しそうに思える

最前面のレンズには、汚れが付着しにくく、簡単に拭き取れるフッ素コーティングを施している

いわゆる直進ズームなので、テレ端(400mm)での撮影時には、全長270mmとなる。絞り羽根は9枚の円形絞り。(ボケ形状が自然なので)背景ボケの見え方に腐心せずに済むのは嬉しい。もっとも、今回は背景がほぼ空なので、あまり関係ないのだが。

【左】大型レンズフードが付属。下側には、スライド式の偏光フィルター操作窓がある 【右】ズーム時にはレンズ全長が変化する

また、鏡筒各部に合計12カ所13点のシーリングを施した、防塵・防滴・-10℃の耐低温構造だ。今年の関東は空梅雨気味ではあるが、この時期の屋外での撮影にためらわず持ち出せるのは魅力的。もちろん、カメラ本体もX-Pro2のように防塵・防滴構造であればいうことなし。

1/3200秒 f5.6 400mm ISO800
円形絞りなので背景ボケは丸い。ただし、開放ではややボケが流れる傾向がある

リング式の三脚座が付属し、三脚座部分は、リングへの固定と取り外しをネジで手軽に行える。今回は手持ち撮影なので不要かとも思ったが、写真のように指で引っかけるようにすると持ち運びが非常に楽だった。これは筆者の個人的な体験談なので、このような使い方は自己責任で。ネジの確実なロックと命綱(写真のようにストラップを手首に巻き付けるなど)は、くれぐれもお忘れなく。

ちなみに、ズームロック機構も備えるが、今回は(ロック機構を使わずとも)持ち歩いている際に自重でズームが伸びてしまうことはなかった。

【左】レンズを抱えて持ち運ぶのは辛い。そこで、三脚座を指で引っかけるようにして持つことで、持ち運びが楽になる。落下対策も忘れずに! 【右】三脚座はねじで簡単に取り外しが可能

【左】X-Pro2が軽いこともあって、三脚座で容易に自立する 【右】絞りリング(焦点距離指標手前のリング)にはf値の指標がなく、画面かファインダーを覗かないと絞りが判らない。これは個人的に不満