ニコンのミラーレスカメラ「Nikon 1」シリーズの新しい顔として「Nikon 1 S1」が登場した。シリーズ中のローエンドに位置し、ビギナーでもすんなりと扱えるシンプルな機能と操作性が特徴だ。その画質や使い勝手はどうなのか。実写を交えた製品レビューをお伝えしよう。

ニコン「Nikon 1 S1」

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「Nikon 1」シリーズは2011年の初登場以来、これまでに6製品が発表されている。シリーズ中の上位モデルが「V1」と「V2」で、中位モデルが「J1」と「J2」「J3」、そして今回取り上げる新ライン第一弾となるローエンド製品が「S1」である。S1の主なターゲットユーザーは、ミラーレスなどレンズ交換式カメラの入門者だ。従来のJ1やJ2でも十分に初級者向けだったが、今回のS1では、さらなるユーザーフレンドリーが追求されている。

まずは外観から見てみよう。ボディは、左右の側面を半円形に仕上げ、レンズ部以外をフラットにまとめたシンプルなデザインを採用する。このボディの基本形状は、これまでのJ1やJ2から踏襲したもの。その上で、両サイドの縦のラインにやや膨らみを加えたことで、より曲線的で親しみやすい印象になっている。

レンズマウントにはニコン1マウントを採用。実撮影画角は、レンズの焦点距離の約2.7倍に相当になる

液晶モニタは、約46万ドットの3型TFTを搭載。J2やJ3が備える約92万ドットの3型TFTに比べると少々見劣りがする

ボディサイズは、同時発表されたシリーズ最小モデルのJ3に比べると幅が1mm、奥行きが0.9mm大きいが、それでもかなり小さなカメラといえる。本体重量については、シリーズ最軽量の約197gを実現。今回の試用ではダブルズームキットに付属する標準ズームと望遠ズームを使ったが、どちらも軽量なレンズであり、装着時のホールドバランスは良好だ。上着のポケットにすっぽりと収まり、コンパクトデジカメのような感覚で気軽に持ち運べる点も気に入った。

従来のJ1やJ2と比べた場合の大きな違いは、ボタンやダイヤルが簡略化されたこと。背面にあったモードダイヤルは省かれ、撮影モードの選択はメニュー画面から行うようになった。また、サムネイル/拡大レバーやDISPボタンもなくなった。各種の設定を切り替えるための「Fボタン(フィーチャーボタン)」については、従来のような独立したボタンではなくなり、十字キー(ロータリーマルチセレクター)の上に割り当てられている。

ボディカラーは写真のカーキのほか、ピンク、ホワイト、ブラック、レッドが用意される。キット付属のレンズもボディと同色を採用している

81-297mm相当の画角を得られる望遠ズーム「1 NIKKOR VR 30-110mm f/3.8-5.6」を装着した状態

記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードで、電源はリチウムイオン充電池「EN-EL20」。CIPA準拠の撮影可能枚数は約220コマとなる

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