こちらの既報の通り、NVIDIAが、28nmプロセス世代のKepler GPUを2基搭載する「GeForce GTX 690」を発表した。5月上旬の出荷開始とあるが、日本国内では未だ販売が確認できず、秋葉原の一部PCパーツショップなどが、5月中旬の入荷予定で店頭予約を受付ているといった状況だ。今回、機材手配に失敗してしまった都合で、サンプルカードを入手できたものの、短い期間しかテストできなかったが、一応GeForce GTX 680とRadeon HD 7970との簡単な比較ができたので、その内容をお届けしておこう。
見た目も"マッチョ"なリファレンスカード
まずはGPUとそれを搭載するリファレンスカード、そして今回のテスト環境の紹介をしておこう。GTX 690の主な仕様は以下の表の通りで、GTX 680のKepler GPUのクロックダウン版をそのまま2基搭載したようなスペックを採用している。
■GeForce GTX 690の主な仕様比較 | ||
GPU | GeForce GTX 690 | GeForce GTX 680 |
---|---|---|
アーキテクチャ | Kepler (GK104) | Kepler (GK104) |
プロセス | 28nm TSMC | 28nm TSMC |
CUDAコア数 | 1536基×2GPU | 1536基 |
ベースクロック | 915MHz | 1006MHz |
ブーストクロック | 1019MHz | 1058MHz |
メモリクロック | 6008MHz(データレート) | 6008MHz(データレート) |
メモリタイプ | 256bit接続GDDR5 2GB×2 | 256bit接続GDDR5 2GB |
補助電源ピン | 8ピン×2 | 6ピン×2 |
公称最大TDP | 300W | 195W |
希望小売価格 | 999ドル | 499ドル |
リファレンスカードの外観はかなり強烈なもので、クロムメッキされたアルミ合金のカバーフレームと、その内部の冷却ファンシンクの台座もマグネシウム合金製と徹底している。性能への貢献としては、アルミ合金のカバーフレームは放熱性、マグネシウム合金のファン台座は振動抑制の効果があるとされている。サイズは2スロット厚で、カード長は約280mmで、これはGTX 680よりも長く1インチ程度長く、GTX 590とほぼ同じ長さとなる。
今回のテスト環境だが、主なものを以下の表にまとめておく。既存のシングルカードでNVIDIAと競合AMDそれぞれのハイエンドGPUである、「NVIDIA GeForce GTX 680」ならびに「AMD Radeon HD 7970」との比較を試みている。
■今回のテスト環境 | |||
カード/GPU | GeForce GTX 690 | GeForce GTX 680 | Radeon HD 7970 |
---|---|---|---|
CPU | Intel Core i7-3770K(3.50GHz) | ||
M/B | GIGABYTE GA-Z77X-UD3H(Intel Z77 Express) | ||
RAM | Corsair CMZ8GX3M2A1866C9 4GB×2枚 | ||
Storage | Plextor PX-128M2P 128GB SSD | ||
Power | ENERMAX REVOLUTION87+(ERV750AWT-G) 750W 80PLUS GOLD | ||
OS | Windows 7 Ultimate SP1 64bit |
以上でテストの前置きは終わり。それでは、次のページからはベンチマークテストの結果を見ていこう。