NVIDIAは22日、Keplerのコードネームで知られていたGPUアーキテクチャを採用するデスクトップ向けGPU「GeForce GTX 680」ならびに、モバイル向けGPUの新シリーズ「GeForce 600Mシリーズ」を発表した。Keplerは、従来世代のFermiに続く同社新世代のGPUで、アーキテクチャを刷新、製造プロセスも40nmから28nmへと微細化されている。

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・【特集】「NVIDIA GeForce GTX 680」徹底攻略 - 最強候補のKepler世代GPUを完全検証
http://news.mynavi.jp/special/2012/kepler/

デスクトップ向け「GeForce GTX 680」

GeForce GTX 680は、デスクトップ向けで新たに最上位となるGPU新モデルで、GPUの開発コードネームは「GK104」。DirectX 11.1をサポートし、PCI Express Gen3への対応もうたう。搭載グラフィックスカードが即日市場投入され、北米市場での店頭販売価格は499ドル前後が見込まれている。ただし、日本国内でのカード価格は、販売開始当初は60,000円を超える価格帯が中心になるようだ。

GeForce GTX 680のリファレンスカード

絶対性能だけでなく、Ferimi比でワット当たりパフォーマンスが2倍という電力効率の高さも特徴としている。TDP枠の余裕に応じて、GPUクロックを定格以上に動的に変化させることで性能を底上げする「NVIDIA GPU Boost」技術も備えた。ほか、FXAAとTXAAという高品質低負荷な新アンチエイリアシング技術や、Adaptive VSyncという垂直同期を滑らかに適用する新技術も備える。ほか、1枚のカードで4ディスプレイに出力でき、うち3画面は3D立体視可能というマルチディスプレイ環境も可能としている。

GK104のダイ写真とブロックダイアグラム。SM構成がFerimiからだいぶ変更されている

主な仕様は、製造プロセスが28nmでトランジスタ数が35.4億個、ダイサイズが294平方mm。CUDA Core(SP数)が1536基、ROP数は32基、テクスチャユニット数は128基。GPUクロックが1006MHz、GPU Boostクロックが1058MHz(ただし、同クロックは単なる目安だそうで、実際には場合により1200MHz程度までクロックアップするようだ)、メモリは256bit接続の2GB GDDR5で、メモリクロックは6008MHz(データレート)。TDPは195Wで、アイドル時電力は15W、補助電源ピンは6ピン×2。出力端子はDL DVI×2、DisplayPort 1.2×1、HDMI 1.4a×1。

なお、Fermi世代とはGPUアーキテクチャが大きく変わったため、SP数でFermiとKeplerを単純比較するのは難しい。また、シェーダクロックやホットクロックと呼ばれていた、シェーダのクロックがGPUクロックの2倍で動作する仕組みも廃止となっている。

モバイル向け「GeForce 600Mシリーズ」

シリーズラインナップは、600Mシリーズとしては「GeForce GTX 675M」「同670M」「同 660M」、「GeForce GT 650M」「同640M」「同635M」「同630M」「同620M」など複数モデルを新発表しているが、660M~640MまでがKeplerで、他はFermiのリネームGPUとなっている。主要モデルの主な仕様を以下表にまとめる。

モデル 675M 670M 660M 650M 640M 635M
コア Fermi
GF114
Fermi
GF114
Kepler
GK107
Kepler
GK107
Kepler
GK107
Fermi
GF114
プロセス 40nm 40nm 28nm 28nm 28nm 40nm
SP数 384 336 384 384 384 144
GPUクロック 620Mhz 598MHz 835MHz 850MHz 625MHz 675MHz

GK107のチップ

GeForce 600MシリーズのGPUを搭載するモバイル製品は、Acer、Asus、Dell、HP、Lenovo、LG、Samsung、ソニー、東芝がウルトラブックやノートブックへの採用を決定しており、一部製品については、海外市場では製品発表もはじまっている。