FXオンラインジャパン ストラテジストの森宗一郎です。今週から多少寒さも和らぎますが、春が待ち遠しいですね。先日、ゴルフに行きました。スタートのホールでナイスオン! と思いきや、カーンとグリーンにはじかれ……危うくOBになるとこでした。その後は、霜が溶けて速さも一定ではなく、風は寒く……うーん、鍛錬の一日となってしまいました。暖かい日を待ちわびています。

1月18日(月)
(日)日銀支店長会議
(日)日銀地域経済報告(さくらリポート)
(日)日銀大阪支店長会見
(日)日銀名古屋・札幌・福岡支店長会見
(欧)ユーログループ会合
(米)米国 休日[キング牧師誕生日]
1月19日(火)
(英)12月消費者物価指数
(欧)1月独ZEW景気期待指数
(米)11月対米証券投資
(加)BOC 政策金利発表
(米)上院本会議でバーナンキFRB議長再任をめぐる協議
1月20日(水)
(日)11月第3次産業活動指数
(欧)12月独生産者物価指数
(英)12月失業率
(英)1月BOE政策委員会 議事録公表
(米)MBA住宅ローン・借換え申請指数
(米)12月米住宅着工件数
(米)12月米卸売物価指数
1月21日(木)
(中)2009年中国GDP
(欧)ECB月報
(米)新規失業保険申請件数
(米)12月景気先行指数
1月22日(金)
(日)11月全産業活動指数
(欧)1月ユーロ圏製造業PMI -速報値-
(英)12月小売売上高
(欧)11月ユーロ圏鉱工業受注

今週の主要企業決算予定

19日 CITIGroup, IBM
20日 Bank of America, WellsFargo, Morgan Stanley, Delta, Starbucks, e-bay, ウィプロ(インド)、JSWSteel
21日 Goldman Sachs, Continetal, Google, American Express, ABM
22日 MacDonald, GE, Sony Erricson(英)

先々週の米雇用統計からやや不透明感が漂っていた中、小売売上高の減少に加え、ミシガン大消費者信頼感指数の低下、米金融機関の業績見通しの慎重な姿勢が加わったことで、今週から本格化する米企業決算に対する見方に意見が分かれ始めています。

ただ、クリスマス商戦において、欧米消費者においては店舗での購買よりはオンラインの購買欲が強いこと、ディスカウント待ちの状態、低価格志向、不要の買い物は控える、寒波の襲来などある程度の低下傾向などを考慮すれば、企業側マインドと消費者マインドとの温度差があるにもかかわらず、前期の数値との比較だけで好調な地合いを醸し出していたのが現実的に見直していく傾向になるかもしれません。

今週は、他の金融機関・小売り、そして輸送関連の決算発表がありますので、改めて米経済の回復基調があるのかどうかを見極める週となりそうです。先週のJPモルガンの決算内容の内容でローン関連の引当金の増加が懸念されていましたが、クレジット大手においても同様の動きが出ています。つまり、消費側としては労働環境の不透明要因がまだくすぶっている中で、不要不急の消費は控える傾向があり、商業用不動産などの市場が依然警戒感を持つべきと企業側としてもしっかりとリスク管理している兆候だと思います。

19日のCitiGroup, 20日のBank of Americaなど、リテールに軸足を置いている金融機関の決算発表内容においても単純に収益面だけではなく、先週のJPチェースのように引当金などのリスク管理面のポイントに注目していきましょう。

そして、終末から話題に上ってきたグーグルとヤフーの中国事業問題。米政府としても警戒感を持っているほか、中国に進出している欧米企業においても懸念を持つ可能性は否定できません。

中国政府としても様々なコメントが出てくるかと思いますが、海外勢(海外の政府は別として)の企業において警戒感が出てきた場合には、リスク回避的な動きが加速する可能性はあります。それらの動きを止める手立ては中国側にはありませんし、仮に強制的な規制を盛り込んだ場合には逆効果になります。

はたして中国当局がどのような姿勢を今後打ち出してくるのかに注目していくなかで、木曜日には中国の2009年GDPが発表されます。

最悪期を脱した世界経済に加え、ややバブル的な要素も出てきた中国経済を考慮すれば、好調な数値を市場では期待していますので、すでに織り込みつつあるとすれば、どうなるか。

そして、為替(FX)市場では、リスク回避の地合いのなか、米企業決算と欧州側の懸念問題に揺れ動く地合いではないでしょうか。 企業決算においては前述したように消費に対する警戒感が台頭すれば、リスク回避的な動きが出る半面、長期金利の展開に注目していきましょう。

短期金利の低下という話題が出てくるかもしれませんが、もともと異常な低水準にあることから、あえてこのポイントをとらえて資源関連通貨にシフトせずに様子見としておいた方が無難です。

むしろ、長期金利が落ち着いてきた場合において行動するのが望ましいかと思います。(債券価格の動向をチェックしておきましょう)。ただ、リスク回避的な行動が顕著になった場合は警戒すべきでしょう。上記の話題だけではなく、欧州においては依然としてソブリンリスクがくすぶっており、現状ではユーロ脱退の可能性は低いと思われますが、他の南欧・中東欧諸国の話題にも反応しやすくなっています。

ギリシャのユーロ脱退の話題(イギリスの経済紙の観測記事)がありましたが、現状のユーロ経済圏における恩恵を考慮すれば、ギリシャ国民としても脱退は考えないはずです。

もっとも、他のユーロ構成国がどうにかしてくれるのではないか? というあまり考えがあるのかもしれません。

現状の景況感を考えれば、手助けする余裕はないと思いますが、ギリシャ政府・国民がしっかりと認識するまでは、懸念はまだくすぶりそうです。

そして、ユーロ円・£円など欧州通貨において去年からのレンジの地合いが依然継続されていることから、ポイントを抜けた場合には、要注意です。(とくにユーロ円は127-139のレンジですでに7-8カ月推移しており、抜けた場合には方向性がしばらく持続する可能性が高いです)

今週の欧米経済指標で一喜一憂する中、新たなリスク回避話題が出てこなければよいのですが……。