幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)が2019年10月1日より開始され、幼稚園などにかかる費用の一部を国が補助することになった。同じ時期に消費税が8%から10%に引き上げられるが、消費税増税によって得られる税収の一部が幼保無償化の財源として充てられている。

  • 幼保無償化で浮いたお金の使い道は?

    幼保無償化で浮いたお金の使い道は?

消費税増税により家計への負担は免れないが、幼保無償化の対象となるお子さんをお持ちの保護者にとっては、大きな救いとなる制度となっているだろう。

では、本来かかるはずだったお金はどのように運用するのが良いのだろうか。マイナビニュース会員にアンケート調査を実施したので、紹介していこう。

  • 幼保無償化で浮いたお金はどうやって使う予定ですか

    幼保無償化で浮いたお金はどうやって使う予定ですか

Q.幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)で浮いたお金はどうやって使う予定ですか

第1位 : 貯金(39.5%)
第2位 : 教育費(22.3%)
第3位 : 生活費(21.8%)
第4位 : 習い事(13.0%)
第5位 : 投資(1.7%)

4割近くの会員が「貯金」と回答した。多くの人が何かに使うことを考えるよりもまずは貯蓄に回し、何か必要になった時に使うべき、と考えているようだ。増税などの影響で、消費に回しにくいという背景もあるかもしれない。

「教育費」と「生活費」はそれぞれ2割程度。幼児教育・保育が無償化になっても、子どもが成長するにつれ、学費などの教育費は必要になる。大学進学まで想定したならば、教育資金はいくらあってもかまわないというのが本音だろう。また、外食など生活を少しでも豊かにするための生活費として活用するという声もあった。

それぞれの項目で、具体的にどのように用途を考えているかも聞いてきたので紹介していく。

Q.具体的な内容を教えてください

・貯金(39.5%)

「貯金が全然できていないので、将来の子どものために貯金したい」(東京都/37歳)
「子ども名義の預金口座に貯金しておく」(福岡県/61歳)
「将来お金がかかるのは変わらないから貯金する」(岐阜県/41歳)
「子育ては右上がりに費用が必要なので、貯金を殖やすのが一番」(神奈川県/48歳)
「将来の学費(高校、大学)に充てる」(大阪府/42歳)
「この先に何がおこるか分からないからとりあえず貯金」(京都府/46歳)

将来、どのような形でお金が必要になるのか、分からない部分も多いだろう。貯蓄した先の用途は、大学進学費用かもしれないし、住宅購入費かもしれないが、まずはとにかく貯金という声が集まった。やはり備えがあれば何にでも対応できるということではないだろうか。

・教育費(22.3%)

「塾や将来的な進学費用に充てる」(東京都/48歳)
「子どもの将来のためになることに使う」(38歳/埼玉県)
「幼稚園の活動が多いので、そちらにかかる費用に使いたい」(熊本県/54歳)
「高校や大学進学時に備えてお金を準備する一助にしたい」(愛知県/57歳)
「スポーツなど子どもがやりたいことの経費」(茨城県/57歳)
「中学受験に備える」(兵庫県/57歳)
「子どもの将来のためになることに使う」(38歳/埼玉県)

小学校に入る前から英会話を習わせたいなど、早め早めに学習させるための費用にしたいという意見と、中学や高校、大学などの進学費用に充てたいという意見に大きく分かれるようだ。やはり、子どものためのお金、という意識も働いているのかもしれない。

・生活費(21.8%)

「外食を増やす」(大阪府/55歳)
「かつかつなので、普段の生活費になると思う」(千葉県/39歳)
「子どもの服など、身の回りのもの」(鹿児島県/55歳)
「毎月かつかつなので、基本的な生活費用に回す。新たな出費が増えないことはありがたい」(神奈川県/57歳)
「浮いたお金で子どもとレジャーや外食など楽しみたい」(鹿児島県/50歳)
「なんとなく日常生活で使ってしまうと思います」(神奈川県/62歳)
「毎月赤字の生活費が少しでも楽になればいい」(三重県/48歳)

子どものために使いたいのは山々だけれども、日々の生活の安定も大切なこと。浮いたお金を使って家族でレジャーに行くなど、思い出作りに使いたいという計画を語る人もおり、生活をより豊かに過ごすための費用と考えているようだ。

・習い事(13.0%)

「字が美しい人が好きなので、習字を習わせたい」(神奈川県/43歳)
「ピアノなど情操教育に使いたい」(神奈川県/63歳)
「子どものやりたい習い事を経験させてあげたい」(神奈川県/55歳)
「子どもの習い事に使うのがいいと思う」(新潟県/43歳)
「英語を習わせる」(静岡県/36歳)
「スイミングスクールに通わせます」(長野県/47歳)

スイミングやサッカーなどのスポーツや、習字、そろばん、ピアノなど、具体的な習い事を挙げている人が多かった。

・投資(1.7%)

「投資信託と日本株の資金に」(静岡県/46歳)

ごく少数ではあったが、投資に回すことで資産を増やしていくことを考えている人もいた。

幼保無償化によって得られたお金をどのように使うかは、家庭ごとに事情も異なるもの。いろいろな声を参考にしながら、子どもを含めた家族にとって何が良いのかをしっかり考えてみてはいかがだろうか。

調査期間 : 2019年8月26日
調査対象 : マイナビニュース会員
調査数 : 305名
調査方法 : インターネットログイン式アンケート