日本のみならず世界中で社会現象を巻き起こしたテレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ』(2018年)から5年、続編となる『おっさんずラブ-リターンズ-』が現在放送中だ(全9話 毎週金曜23:15~※一部地域除く)。今作では、アラフォーになった“はるたん”こと春田創一(田中圭)と、牧凌太(林遣都)の新居に、家政夫の“ムサシさん”として黒澤武蔵(吉田鋼太郎)が乱入、地獄の“嫁姑バトル”!? を繰り広げることに。

そんな『おっさんずラブ』を作る者たちが作品への愛を語るマイナビニュースのインタビュー連載『おっさんずラブ-ラヴァーズ-』第3回に、栗林蝶子を演じる大塚寧々が登場。今作で“マロ”こと栗林歌麻呂(金子大地)と年の差を乗り越えて結婚したものの、姑との関係に悩まされたり、ベトナムアイドルにハマったり、弓道場を開いたりと、新たな顔を見せている蝶子。大塚に、そんな蝶子の見どころや前作の思い出のシーン、田中と林の魅力を語ってもらった。

  • 大塚寧々

    栗林蝶子役の大塚寧々

皆で笑って楽しく撮影している日々

――初代連ドラからは5年ぶりの『おっさんずラブ』となりますが、いかがですか。

撮影はアドリブが多いので、カットがかかるたびに皆で笑って、本当に楽しく撮影しています。マロと蝶子さんは、劇場版で結婚を意識するまでが描かれていたので、今回の2人の関係もその続きで、「あぁ、結婚して新たな夫婦生活を送っているんだな」という印象を受けました。

――第2話では、二世帯同居中の10歳年下の義母との冷戦から仲良くなるまでが描かれました。今作での蝶子の注目ポイントを教えてください。

嫁姑問題の中で、蝶子さんには蝶子さんの思いがあったり、それを時にはマロにぶつけて、でもマロにも自分の思いがあるからどうしたらいいのか分からなくてというストーリーはすごく面白かったです。そんなやりとりの中でいろいろな感情を表に出すところや、新たに弓道教室の先生姿を見せているところが注目ポイントだと思います。

――マロと蝶子の関係で変わったなと感じるところは。

付き合い始めて最初の頃は「大丈夫かな」と思っていたかもしれませんが、結婚して不安が落ち着いてきたからこそ、喧嘩したりぶつかったりできるようになったんじゃないかなと感じています。

心に残っている武蔵の告白シーン

――今作への出演が発表されたとき、初代連ドラで印象に残ってるシーンを、「武蔵が春田に告白するシーンはすごく切なくて、よく覚えていますね」と仰っていましたが、その理由を教えてください。

蝶子さんにとって、武蔵は自分の夫だったわけですよね。でも、あそこまでひたむきに春田くんに愛を伝える姿を見ると、応援したいという気持ちが湧いてしまったと思うんです。いやいや、私はこの人の妻だし、って思うんですけど、あの一生懸命さに胸を打たれてしまったような。そこがすごく切なかったです。

――長年連れ添った夫だからこそ、愛してもいるし、戦友のように応援もしてしまうという。

そうですね。面白い感情だなと思いました。

大塚寧々

蝶子の好きなところは心の広さと柔らかさ

――改めて、蝶子の好きなところ、愛おしいなと感じるところを教えてください。

蝶子さんにもちょっと抜けているところがあるんですけど、何が起こっても受け入れる心の広さ、柔らかさが素敵だと思います。既存の価値観にとらわれないところが魅力的だなと。

――そんな柔らかさで年下のマロを包み込んでいるんだろうなと感じます。

年の差もあるし、蝶子さんもマロとの結婚には悩んだと思うんですけど、最終的には、きっとマロの誠実さに心を動かされたんだろうなと解釈しています。

田中圭・林遣都にあげたい賞

――撮影をしていて、前回よりもパワーアップしたなと感じるところはありますか。

『おっさんずラブ』チームは、皆撮影にかけるエネルギーがすごいんですけど、久しぶりに集まると「いやいや、強くなってない!?」とビックリしました(笑)。全員パワーアップしています。

――春田と牧を演じる田中圭さん、林遣都さんの、すごいなと感じるところや素敵なところに「〇〇賞」と名前を付けて賞をあげるなら、どんな賞をあげたいですか。

圭くんは柔軟性が素晴らしいですし、物事を一歩引いて見られる視野の広さもあって、バランス感覚がすごく優れているんです。さらにユーモアも持ち合わせた魅力的な方です。遣都くんはひたむきにお芝居をする姿がすごくいい。心動かされる表現をする方だなと思います。でも、ちょっと抜けてるところもあって(笑)。強いて賞をあげるなら、そんな素敵なお二人が演じている春田くんと牧くんに「ベストカップル賞」をあげたいです。

役者の芝居による化学変化がキャラクターの魅力に

――素敵な賞をありがとうございます。ちなみに、大塚さんが『おっさんずラブ』の中で推しのキャラクターをあげるなら。

全員です。こんなに皆が愛しいと思える作品もなかなかないですよね。『おっさんずラブ』のキャラクターたちは皆真面目で、全力投球だからこそ生まれるハプニングが楽しくて。役者さんたちのパワフルなお芝居による化学変化もまた、キャラクターたちの魅力を作っていると思います。

――全員が推しと思えるって素敵なことですね。

もし『おっさんずラブ』のキャラクターの塗り絵があったとしたら、全員、色がはみ出しちゃいそうな気がして。はみ出したところがそれぞれに混ざり合っていって、1枚の絵になったときに大きなエネルギーあふれる絵が完成しているような。私にとって『おっさんずラブ』はそんなイメージの作品です。

――そのエネルギッシュな雰囲気は、和服のメインキャラクターたちが集結したメインビジュアルからも感じられる気がします! ありがとうございました!

  • 大塚寧々
『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系 毎週金曜23:15~※一部地域除く)
初代連ドラから5年の時を経て待望の復活を果たす『リターンズ-』では、アラフォーになった春田創一(田中圭)、牧凌太(林遣都)の“夢の新婚生活”を描く。今週2月2日放送の第5話「私を熱海に連れてって」では、春田(田中圭)と牧(林遣都)が、ずっと行けていなかった“新婚旅行”の計画を立て始める。ちず(内田理央)やマロ(金子大地)の影響を受け、行き先を「熱海」にしようという話を聞いていた家政夫・黒澤(吉田鋼太郎)は、商店街の福引会で当てた「熱海旅行券」を2人にプレゼント。春田は「部長も一緒に行きましょう!」と誘ってしまい……? 一方、自分を弟扱いする和泉(井浦新)への恋心に、胸を締め付けられる菊之助(三浦翔平)。当の和泉はどうやら体調が悪いらしく、会社を早退するも、商店街で亡き恋人・秋斗(田中圭/二役)の仇を見つけ、雑踏の中走り出す。そして迎えた新婚旅行当日、武蔵の運転で、3人は一路熱海へ。新婚旅行を満喫している中、牧が薬指にあったはずの大切な“結婚指輪”がないことに気付く。