「子育てにお金ってどれくらいかかるの? 」「東京暮らしと地方暮らしとでは、子育てにかかるお金に違いがあるの? 」「教育資金づくりってどんなふうにするの? 」「教育費が足りない場合どうしたらいいの? 」など、子育て真っ最中の方、またはこれから子育てする方には、こんな疑問や不安がある方も多いのではないでしょうか。

前回につづき、今回も「子育てとお金」をテーマに有益な情報をご紹介していきます。「出産にかかるお金」「教育費の目安」「教育資金づくりの方法」「教育費を地域別で比較」など、さまざまな角度から、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が「子育てとお金」についてお伝えしていきます。

前回は、「私立大学」に入学した場合の初年度費用についてお伝えしました。今回は、「国立大学」「公立大学」「私立大学」の受講料および入学料の違いなどについて見ていきましょう。

国立・公立・私立大学の授業料等の推移

文部科学省の調査によりますと、国立・公立・私立大学の授業料および入学料の推移は下表のようになります。

《表1:国立・公立・私立大学の授業料および入学料の推移》   

  • ※「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」-「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」(文部科学省)をもとに執筆者が加工して作成している<br>※私立大学の2020年度の授業料・入学料は、現時点で算出されていない<br>※年度は入学年度である<br>※国立大学の2004年度以降は国が示す標準額である<br>※公立大学・私立大学の額は平均であり、公立大学の入学料は地域外からの入学者の平均である

    ※「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」-「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」(文部科学省)をもとに執筆者が加工して作成している
    ※私立大学の2020年度の授業料・入学料は、現時点で算出されていない
    ※年度は入学年度である
    ※国立大学の2004年度以降は国が示す標準額である
    ※公立大学・私立大学の額は平均であり、公立大学の入学料は地域外からの入学者の平均である

国立大学は、15年以上前から授業料、入学料ともに金額は変わっていません(赤字で表示)。公立大学は、授業料においては国立大学と近い金額で推移していますが、入学料は、2020年度で比べると、国立大学より約11万円多いです。

私立大学に関しては、国立大学および公立大学よりも、全ての費用において上回っていると思っていた方も多いのではないでしょうか。2019年度の入学料で比べると平均値ではありますが、私立の入学料が最も低い金額となっています。ただし、授業料を見てみると、私立大学と国立大学の差は約38万円となりますので、大学卒業までの4年間で計算をした場合、私立大学の費用が最も多くなります。詳細は表2をご覧ください。

4年間の大学費用はどうなる?

では、4年間の大学費用(授業料および入学料)はいくらになるのか見てみましょう。

《表2:2019年度 国立・公立・私立大学の授業料および入学料(4年制大学の場合)》

  • ※「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」-「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」(文部科学省)をもとに執筆者が加工して作成している
    ※私立大学の数値には、前回のコラムで記載した「設備整備費」「実験実習料等」は含まれていない

国立大学と公立大学を比べてみると、公立大学のほうが約12万円多いです。つまり、《表1》でお伝えした入学料の「差」と若干の授業料の差となります。

次に、国立大学と私立大学を比べてみると、約147万円の開きがあります。私立大学の場合は、前回のコラムでお伝えしたように、学部によってもかかる費用が異なります。大学等の無償化が2020年4月から実施されてはいますが、授業料等が一定額まで免除されたり、給付型奨学金を受給できたりする学生は、住民税非課税世帯など一定の要件を満たす人のみとなります。

多くのご家庭では、「教育費」の貯蓄が不可欠となるでしょう。今後のコラムにて、「教育費の貯蓄方法」についてもお伝えしていきます。