◆F1 23(グラフ25~31)

F1 23
EA Sports
https://www.ea.com/ja-jp/games/f1/f1-23

今年7月6日に2023年版がリリースされたので、F1 22に換えてこちらを利用する事にした。操作方法であるが、基本的には従来の流れと差が無い。スタート画面(Photo43)→Settings→Graphics Settings(Photo44)ときて、Video Mode(Photo45)で解像度やAntialias、SuperSamplingなどの設定を行った後で、Graphics SettingsのAdvanced SetupでPresetを選択(Photo46)し、最後にBenchmark Mode(Photo47)でRun Benchmark Testを選ぶとベンチマークが開始。終わると結果が表示される(Photo48)と共に、ログファイルがMy Documents\My Games\F1 23の下に自動生成される。

  • Photo43: ベンチマークだけであればEAのアカウントを作らなくても利用できる。マウスは使えずキーボードで操作というのも従来から変わらず。

  • Photo44: この辺も変わらず。

  • Photo45: 項目そのものは大きくは変わらず。

  • Photo46: Photo44でGraphics Setupを選ぶとまずはこの画面に来る。ここでVideo Modeを選ぶとPhoto45に移行し、終わるとまたここに戻ってくる形だ。

  • Photo47: Dynamicなシナリオは相変わらず選択できない(ので10位でスタートしてそのまま一回も追い越しなど無いまま隊列を組んで)10位でフィニッシュである。

  • Photo48: この辺も相変わらず。

ちなみに設定であるが、Video Modeで

Display Mode:Fullscreen
Vsync:Off
Frame Rate Limit:Off
Anisotropic Filtering:16x
Anti-Aliasing:TAA Only
Dynamic Resolution:Off

とした上で、Advanced SetupでDetail PresetをUltra Highとして、あとはデフォルトのままで解像度だけ変えて実施している。

  • グラフ25

  • グラフ26

  • グラフ27

  • グラフ28

  • グラフ29

  • グラフ30

  • グラフ31

ということで結果である。F1 22だとUltra Highでもそれほど重くなかったのが、F1 23では恐らくRay Tracingの適用範囲が広がったためだろうか? ちょっと全体的に重めである。といっても結果(グラフ25~27)から判るように、Radeon RX 7600を除いてすべての製品が2.5Kでも60fpsを超えているのは流石というべきか。Radeon RX 7600も2Kではちゃんと60fpsを超えているあたり、2K Gaming向けを名乗ることに問題はないだろう。ちなみに最大/最小を見るとRadeon RX 6800 XTが3K/4Kでちょっと暴れているが、最大が妙に高い分最小が落ち込んでいるあたりはちょっとフレームの生成にムラが出た感じであろう。

フレームレート変動(グラフ28~31)を見ると、2KはRadeon RX 760以外きちんと80fpsが確保できているが、2.5Kになると60fpsをさいごまで確保できているのはRadeon RX 7800 XTとGeForce RTX 4070のみで、Radeon RX 7700 XTは時々(0~10秒付近と70~80秒付近)60fpsを割り込んでいるのはそれなりに厳しい感じだが、それでも全般的にRadeon RX 6800 XTを上回っているのだから大したものである。

3K以上はどの製品でもかなり厳しいのは、恐らくRay Tracingが足を引っ張っているためで、解像度を落とす(or Super Samplingを使う)か、Ray Tracingを無効にする必要がある。その意味ではRadeon RX 7700 XT/7800 XTが2.5Kをターゲットにしていると明言しているのは正しく、実際2.5Kまでの範囲で使う分には十分楽しめるだろう。

◆Far Cry 6(グラフ32~38)

Far Cry 6
Ubisofy Entertainment
https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/far-cry/far-cry-6

ベンチマーク方法はこちらに準ずる。設定は

Quality:High
Antialias:TAA
DXR Reflections/Shadows Off

としている。

  • グラフ32

  • グラフ33

  • グラフ34

  • グラフ35

  • グラフ36

  • グラフ37

  • グラフ38

ただ結果(32~34)を見ると、Radeon RX 7600ですら4Kで平均80fpsというあたり、もう少し描画品質を上げてテストしてもよかったかな、とちょっと反省である。実際平均フレームレートを見ると、3Kあたりまでほぼフレームレートが一定(微妙に下がっているRadeon RX 7700 XTとかもあるが)というあたり、CPU Bottleneckになってしまっているからだ。ただこれはGPUの性能を比較するにはある意味都合の良い状況であり、こと2.5Kまでの範囲であればRadeon RX 7800 XTが最高速で、僅差でRadeon RX 7700 XT、その下にGeForce RTX 4070が来るという感じ。Radeon RX 6800 XTは低め安定。おもしろのはRadeon RX 7600が2Kのみ非常に性能が良い事か。ただ2.5K以上は急速にフレームレートを落としているのは、やはりInfinity Cacheが飽和したのだろうか? 同じ事はRadeon RX 7700 XTにも言える。2.5Kまではそう悪くないが、そこから急速に性能を落としているのは、やはりInfinity Cacheの容量が48MBに減っている&メモリ帯域が3/4しかないことが効いている気がする。

フレームレート変動(グラフ35~38)もこれを物語る結果になっているが、面白いのは2.5K。Radeon RX 7700 XTとRadeon RX 7800 XTで明確にフレームレートが異なるのは開始10秒程度だけで、あとはほぼ同一で推移しているあたり、Radeon RX 7700 XTも2.5Kまでは結構実用的と言うか、それほどRadeon RX 7800 XTと遜色ない性能であることが見て取れる。ただ3K以上になると急速にフレームレートを落としている事からも判るように、Headroomの大きさという点ではRadeon RX 7800 XTには及ばないのが明らかである。このHead roomの追加コストが$50というのはなかなか絶妙な数字に思える。

◆Hitman 3(グラフ39~45)

Hitman 3
IO Interactive A/S
https://www.epicgames.com/store/ja/product/hitman-3/home

ベンチマーク方法はこちらのHitman 3の項目を参照されたい。設定は

Adaptive Supersampling Technique:Off
Ray Tracing:Off
Level of Detail:Ultra
Texture Quality:High
Texture Filter:Anisotropic 16x
SSAO:Ultra
Shadow Quality:Ultra
Mirrors Refrection Quality:High
Reflection Quality:High
Variable Rate Shading:Off
Motion Blur:High
Simulation Quality(Graphics):Best

としている。

  • グラフ39

  • グラフ40

  • グラフ41

  • グラフ42

  • グラフ43

  • グラフ44

  • グラフ45

さて結果(グラフ39~41)を見ると、Radeon RX 6800 XTが結構健闘しており、ただRadeon RX 7800 XTには一歩競り負けるという感じ。Radeon RX 7700 XTは2Kだと悪くないが、2.5K以上だとちょっと性能を急速に落としている。とはいえ2.5Kで平均140fps近くだから2.5K Gamingを名乗るには十分であるし、2.5Kまでの範囲で言えばGeForce RTX 4070との性能差もそれほど大きない(2.5Kで137.8fps vs 142.9fpsなのだから、十分競合しているとして良いだろう)。更に言えばRadeon RX 7600も他の製品と比較したら見劣りするとは言え、2Kで127fps、2.5Kでも93.9fpsだから悪くないとは言える。もっともこれ、Ray Tracingを有効にしたらまた構図は色々変わりそうではあるのだが。

フレームレート変動は? というとグラフ42~45の通りでとにかく激しく変動するので、最低のところに注目すると2Kは概ね100fps程度でこれは全製品問題なし。2.5Kも大きくは変わらないが、ここら辺でRadeon RX 7600がちょっと脱落(といっても常時60fpsは超えているから、ゲームには問題ないとは思うが)。3KでRadeon RX 7700 XTが脱落といった感じになっている(が、80fps以上は維持しているからプレイには問題なさそう)。

概してRadeon RX 7700 XT/7800 XT共に2.5K以下であれば全く問題ないし、GeForce RTX 3070と比較しても優秀な成績として良いかと思う。

◆Metro Exodus PC:Enhanced Edition(グラフ46~52)

Metro Exodus PC:Enhanced Edition
4A Games
https://www.metrothegame.com/

ベンチマーク方法はこちらのMetro Exodus Enhanced Editionの項に準じる。設定は

Shading Quality:Ultra
Ray Tracing:High
DLSS:Off
Reflections:Hybrid
Variable Rate Shading:4x
Hairworks/Advanced PhysX:Off
Tesselation:Full

とした。

  • グラフ46

  • グラフ47

  • グラフ48

  • グラフ49

  • グラフ50

  • グラフ51

  • グラフ52

GeForce RTX 4070の逆襲とでもいうべき結果(グラフ46~48)がこちらで、Radeon RX 7800 XTですら追いつかない。次がRadeon RX 6800 XTで、Radeon RX 7700 XTはそれを更に下回る感じ。ただRadeon RX 7600を除くとどの製品も2.5Kで60fpsを上回る性能を発揮しており、プレイそのものには問題は無い。Radeon RX 7600も、低いとはいえ一応2Kで60fpsを超えてはいる。

フレームレート変動(グラフ49~52)を見ると、2Kでは一番シビアなところ(80~90秒あたり)は差が縮まっているが、他は先の平均フレームレートと同等の傾向がそのまま維持されている感じ。Radeon RX 7600はこの80~90秒で40fpsそこそこまで落ちているあたりは、もう少し対策をした方が良さそうだ。これが2.5Kになると80~90秒で全製品60fpsを割り込んではいるのだが、それでもRadeon RX 7600以外は50fpsはなんとか維持できているので、あとは描画品質とのご相談という感じか。F1 23もそうだが、やはりRay Tracingを有効にした場合、このクラスのビデオカードはなかなか厳しいものがある。ただ幾分にも古いゲームなので、DLSSはともかくFSRへの対応は見込めそうにないのがちょっと厳しいところか。3K以上だと。Radeon RX 7800 XTでももう厳しいので、どうしてもこうした高解像度を利用したければRSR(Radeon Super Sampling)を併用するのが吉だろう。