Huaweiは、スペイン・バルセロナで開幕するMWC Barcelona 2022の事前イベントとして、「スマートオフィス」に関する発表会を開催。ノートPCに加えて、オールインワンPCやレーザープリンタなども発表し、Huawei製品を連携させて利便性を高める「Super Device」をアピールする。

  • ビデオ出演となったHuaweiのConsumer Business Group CEO・Richard Yu氏

近年のHuaweiは、スマートフォンを中心としつつも複数のデバイスで連携機能を強化している。HuaweiのConsumer Business Group CEO、Richard Yu氏が言うように、米国の中国制裁に伴う規制によるスマートフォン事業の停滞でグローバル戦略に大きな影響は出ているが、それでもHuawei製品を組み合わせた連携技術を提供し続けている。

  • Huaweiが注力する分野はこの5つ。今回はそのうちのスマートオフィスを中心とした製品群

まず、2018年にHuaweiスマートフォンをHuawei PCにタッチするだけで接続してファイル共有などができる「OneHop」機能を提供。2020年にスマートフォン画面をPC上に表示する「マルチスクリーンコラボレーション」を発表。2021年には、HuaweiのノートPC、タブレット、スマートフォン、スマートディスプレイが連携する「Super Device」を提供した。

  • これまでの連携機能

  • アイコンをドロップするだけでデバイス同士が連携できるようになるSuper Device

これは、それぞれのデバイス同士が簡単に接続でき、ファイルの転送や画面の表示などをすばやく行えるようになり、複数のデバイスが「1つのデバイス」のように連携する機能だ。

  • 簡単に接続するポップアップペアリング機能を搭載したHuawei製品。こうした連携機能もオフィス向けの利便性としてアピール

このSuper Deviceに対応した新製品として、今回発表されたのが「MateBook X Pro」などの製品だ。いずれもオフィス向けに限定した製品ではないが、オフィス環境にも連携機能による利便性をうったえていく。

加えて、生産性を向上させるサービスとして、PCでのスマホアプリの実行環境を提供。Huawei製のスマートフォンやタブレットでGoogleサービスが利用できなくなった関係上、スマートフォン向けに独自アプリストアを提供している。すでに540万以上の開発者が登録し、18万7,00以上のアプリが提供されているという。この環境をさらに強化するために、スマホアプリをWindows PC上で動作させる「HUAWEI Mobile App Engine」を今後リリースする。

  • モバイルアプリをPC上で動作させられる

2月27日からはベータプログラムを開始し、2020年以降のMateBook X ProなどのPCで動作する環境を用意する。

  • ベータプログラムは2月27日からスタート。MateBookシリーズでは多くの製品が対象となる

「MateBook X Pro史上最高」のノートPC

MateBook X ProはフラッグシップのノートPCで、従来モデルと比べてディスプレイを大型化。14.2インチのフルビューディスプレイは「MateBook史上、最も優れたタッチディスプレイ」と、Richard Yu氏は強調する。

ディスプレイの解像度は3,120×2,080ドット、リフレッシュレートは90Hz、明るさは500nit。色域はDCI-P3とsRGBをカバーし、色差はΔE<1と高い色再現性を持たせている。ハードウェアキャリブレーションにも対応し、補正精度は25倍、色再現精度は100%向上したという。

  • 新型MateBook X Pro

  • 従来よりもディスプレイが大型化

  • ディスプレイスペック

  • ハードウェアキャリブレーションに対応

従来通りアスペクト比は3:2で、ベゼルを限界まで細くしたことで画面占有率は92.5%を達成。上部のベゼルは6mmだが、その細いエリアにHD解像度のカメラを内蔵した。

  • 極細のエリアにHDカメラを搭載

側面から見るとくさび形のボディは、幅310×奥行き221×高さ5.4~15.5mm、約1.38kgと薄型。CPUは第11世代Intel Core i7-1195G7で、メモリは16GB、ストレージは1TB NVMe SSDを搭載する。

  • 最薄部は5.4mmと薄型ボディ

新設計の冷却システムは、本体の3カ所から取り込んだ空気を「デュアルシャークフィンファン」などを活用して効率的に冷却。エアフローは60%、放熱性能は100%向上したという。その結果、プロセッサのパフォーマンスを十分に発揮させることができ、「MateBook X史上最も高性能」(Richard Yu氏)としている。

  • 新型の空冷システムを採用

タッチパッドの操作性が向上し、パッドの左端を上下にスライドすると画面の明るさ、右端だと音量をそれぞれアップダウンでき、上端は動画の再生位置コントロールとなっている。パッドを指の関節で2回ノックすると、スクリーンショットが可能だ。この「HUAWEI Free Touch Gesture」機能で利便性が向上するとアピールする。

ほか、6つのスピーカーを備えたサラウンド機能も強化。4つのマイクとAIノイズキャンセリング機能によってビデオ会議も快適だとしている。90Wの高速充電もサポートして、15分の充電で3時間の駆動ができるという。

  • 主なスペック

Richard Yu氏は、「最高のディスプレイ、最高のオーディオ、最高の性能を備えた最高のMateBook X Pro」だと胸を張る。欧州での価格は1,899ユーロとなっている。

Huaweiの2in1 PCが登場

2in1 PC製品として「MateBook E」シリーズも投入。Windows 11を搭載したタブレットPCで、キーボードを装着すればノートPCとして利用できる。MateBookの初期にあった2in1が再び登場した形だ。

  • モビリティ性能を重視したMateBook Eシリーズ

MateBookシリーズとしては初めて、ディスプレイに有機ELを採用。コントラスト比100万:1、明るさ600nit、色域はDCI-P3を100%カバー。サイズは12.6インチで、画面占有率は90%となっている。「有機ELのコストは高いが、すばらしい品質のディスプレイを実現」とRichard Yu氏。

  • 薄型のボディにOLEDを採用

800万画素のフロントカメラ、4つのマイクとAIノイズキャンセリング機能、4つのスピーカーといったように、ビデオ会議向けの機能も搭載。第2世代のHUAWEI M-Pencilに対応し、手書き入力も快適に行える。キーボードは「HUAWEI Smart Magnetic Keyboard」と「HUAWEI Glide Keyboard」の2種類が用意される。

  • 磁石で本体に装着して、そのままペアリングと充電が行える第2世代のHUAWEI M-Pencilに対応

CPUには第11世代Intel Coreプロセッサを搭載。Core i3・i5・i7、そしてメモリとストレージの組み合わせによって4モデルが用意される。価格は649ユーロから1,399ユーロとなっている。

  • 2種類のキーボードを用意

  • 主な仕様

初のオールインワンPC

Huaweiが2021年に発売したスマートディスプレイの「MateView」と同様のデザインに、PCを内蔵したオールインワンPC「MateStation X」を新たに発表。背面を見てもポートが見えない「ミニマリストなデザイン」(Richard Yu氏)を目指した。

  • MateStation X

  • ポートを見えないようにしたミニマルな背面デザイン

ディスプレイは28.2インチのフルビューディスプレイで、画面占有率は92%。解像度は3,840×2,560ドット、明るさは500nit、アスペクト比は3:2、色域はDCI-P3比98%、色差はΔE≦1というスペック。ディスプレイ表面には5層のARコーティングを施し、反射を防いで見やすく、10点マルチタッチ対応で操作性も高めた。

  • 大型のフルビューディスプレイを搭載

  • 画面占有率も高い

  • 主なディスプレイスペック

CPUはAMD Ryzen 5000 7 5800H、メモリは16GB、ストレージは1TBで、音響メーカーのDevialetと協業した「シネマレベル」というサウンド品質、Wi-Fi 6などの性能を備える。

  • 主なスペック

Richard Yu氏は「業界をリードするオールインワンPC」だとアピール。欧州での価格は2,199ユーロとなっている。

手書きも可能な電子ペーパー端末「MatePad Paper」

タブレットのMatePadシリーズの新ラインナップとして「MatePad Paper」も発表。名前の通り、電子ペーパーのEインクを採用している。Eインクでも「フルビューディスプレイ」を実現したとしており、画面占有率86.3%の10.3インチサイズとなっている。

  • 新シリーズとして投入されるMatePad Paper

  • 3色のカラー展開

  • 他社の同類製品と比べて画面占有率が高い大画面を搭載

  • 本の背表紙のようなデザインで持ちやすく、本体も軽量だとしている

  • 画面サイズが大きいため、他社製品より表示面積が広いとアピール

  • Smart Refresh機能により、テキストはより精細に、写真はより精緻に、動画はよりスムーズに表示できるという

画面が大きいために表示量が多く、文字ははっきり、動画も滑らかに再生。20以上の言語、170以上の国と地域で利用できるHUAWEI BOOKサービスによって、200万冊以上の電子書籍を用意した。

  • より階調豊かな表示

第2世代のM-Pencilによる手書き入力をサポート。ビジネス現場でのサインや手書きメモが可能だ。音声を録音しながらメモを取れる機能や、手書き文字をテキスト化する機能(OCR)も備える。Super Deviceにも対応しているため、スマートフォンから簡単にコンテンツを移動して閲覧するといったことも可能だ。

  • 手書きにも対応

  • 画面を分割してのメモ取りも

  • 音声メモと同時にメモを取れる

  • Harmony OSを搭載し、いくつかのアプリが利用できる

メモリは4GB、ストレージは64GBで、スタンバイ時間は4週間と長寿命。本体サイズは幅182.7×高さ225.2×厚さ6.65mm、約360g。M-PencilとFolio Coverが付属し、欧州での価格は499ユーロ。

  • 主なスペック

なお、通常のタブレット「MatePad」の新モデルも発表。Harmony OSに10.4インチ2Kフルビューディスプレイを搭載し、第2世代M-Pencilにも対応する。メモリは4GBで、ストレージは64GBと128GBの2モデルがあり、価格は279ユーロと319ユーロ。128GBモデルにSmart Keyboardが付属したモデルは379ユーロとなっている。

  • MatePadの新型も登場

  • ディスプレイスペック

  • 最大4つのアプリを同時に起動できる

  • 主なスペック

レーザープリンタも登場

今回、最もオフィス向けらしい製品としてレーザープリンタの「HUAWEI PixLab X1」が発表された。Richard Yu氏が「ゲームチェンジャーとなるような製品」とアピールしており、Super Device対応によって、スマートフォンをワンタッチすればプリントできるといった高い接続性が特徴となっている。

  • Huawei初のレーザープリンタ

  • すぐにHuaweiスマートフォンとペアリングできる

  • Huaweiスマートフォンをタッチするだけで印刷が開始される

  • 簡単に入れ替えができるトナー交換のしやすさが特徴

毎分28枚の印刷速度で、1200dpiのカラースキャンや自動両面印刷、コピー機能なども搭載。引き出し型のトナーカートリッジによってトナー交換が容易という点も特徴だ。価格は329ユーロ。

  • 主なスペック

音質を高めたポータブルスピーカー

音響メーカーのDevialetと協業したポータブルスピーカー「HUAWEI Sound Joy」は、20Wのフルレンジスピーカーと10Wのトゥイーター、2つのパッシブラジエーターを備え、高音質を目指した。

  • Sound Joy

  • 主なスペック

8,800mAhのバッテリーを備え、連続音楽再生時間は26時間。40Wの急速充電もサポートする。近づけた2つのスピーカーをシェイクするとペアリングしてステレオ再生が可能になる「Shake Stereo Pair」機能を搭載し、使い勝手も高められている。IP67相当の防塵・防水性能も備えた。価格は149ユーロ。

Richard Yu氏は、こうした製品をオフィスでも利用してもらうことで、快適な作業環境と創造性を届けると話す。制裁の影響で「ファーウェイにとっては厳しい時期」と認めつつ、「厳しい冬を乗り越えて暖かい春の到来を望んでいる」と、今後の事業継続を強調した。

  • 春を待ち望むHuawei