ノロウイルスの感染が原因で起こる感染性胃腸炎は1年を通して発生するが、例年は12月~1月に発生件数がピークを迎える傾向にあるという。嘔吐や下痢などの症状がエンドレスに続けばどこにも行けないし、自宅で安静にしていたとしても気が気でないはずだ。

  • ノロウイルスのせいで、自宅のトイレにこもりっきりにならざるをえなかった人が多かった

    ノロウイルスのせいで、自宅のトイレにこもりっきりにならざるをえなかった人が多かった

実際、感染性胃腸炎に苦しんだ経験を持つ人は、具体的にどのような「悲惨体験」をしているのだろうか。それを知るべく、今回はノロウイルスの感染経験を持つマイナビニュース会員254名に「ノロウイルスにまつわる悲惨な体験」についてアンケートを実施。本稿では、寄せられたつらい思い出の中から、自宅での出来事を紹介しよう。

Q. ノロウイルスにまつわる最も悲惨な体験は、どのようなシチュエーションで起きたかを教えてください

1位: 自宅にいるとき(63.5%)

2位: 職場や学校にいるとき(25.5%)

3位:映画館やレストランなど、プライベートな理由で外出しているとき(8.7%)

Q. 悲惨な体験の様子を具体的に教えてください

■家族にまつわる悲劇

「家族3人が同時に感染したため、看病してもらえる人がいなかった」(59歳女性/その他/専業主婦)
・「家族にもうつり、2週間くらい家族の誰かがノロでダウンしている状態だった」(39歳男性/クリエイティブ関連/会社員・公務員・団体職員)
・「子どもから感染し家族全員が寝込んで誰も介護できない状態の中、自分が運転して病院に連れて行った」(58歳男性/IT関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
・「家族にどんどん感染してしまった。子どもはトイレに間に合わず、除菌スプレーを使いながら掃除したが自分にもうつってしまい、終わりがみえなかった」(51歳女性/その他/専業主婦)
・「クリスマスにいとこの子どもからうつされてしまい、その後のイベントは全部行けなくなってしまった」(34歳女性/その他/個人事業主・会社役員)
・「家族が実家に帰った」(39歳男性/その他/専業主婦)

■苦しい症状に耐え忍ぶ

・「腹痛と下痢が止まらず、ずっとトイレの中にこもりっきりだった」(56歳男性/IT関連技術職/個人事業主・会社役員)
・「軽い咳で便が漏れ、間に合わなくて漏れ、立ち上がっただけで漏れ、パンツを何枚も無駄にした。その後のお尻のヒリヒリする痛みも半端なかった」(58歳男性/クリエイティブ関連/個人事業主・会社役員)
・「朝に突然腹痛で目が覚めて、そこからトイレを何回も往復した」(34歳男性/クリエイティブ関連/個人事業主・会社役員)
・「夕飯を食べ終わった後、急に気分が悪くなりトイレまで間に合わずゴミ箱がいっぱいになるまで嘔吐し、その量に自分でびっくりした。同時にこのまま死んでしまうのかと恐怖心に襲われたが、動けずに悶え苦しんだ」(60歳女性/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「出かける予定があったが突然の吐き気と激しい嘔吐で、今まで体験したことのない嘔吐を繰り返した。自立歩行すら困難になったので、大事な所用どころではなくなった」(45歳男性/販売・サービス関連/会社員・公務員/団体職員)

■その他

・「年末年始の楽しい時期にかかってしまった」(25歳男性/その他/休職中・無職)
・「仕事が忙しく、久々にやっと取れた休みに発症。出かけることを予定していたのにどこにも行けなかった」(38歳女性/事務・企画・経営関連)
・「高熱の状態で、雨の中歩いて病院に行ったが、かなりの時間待たされた」(36歳男性/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「正月休みがトイレに引きこもって終わった」(53歳男性/営業関連/会社員・公務員・団体職員)
・「誕生日にノロウイルスを発症してお祝いの一つもできなくなった」(38歳女性/その他/フリーター)
・「バリ島をキャンセルしてしまった」(35歳女性/その他/専業主婦)

■総評

ノロウイルスに関する最も悲惨な体験を経験した場所は、6割以上が自宅だった。汚物をまき散らしてしまうリスクを鑑みると、突然発症した際の場所が出先ではなく自宅だったことは、まだ不幸中の幸いだったのかもしれない。

家族と一緒に住んでいる場合、「子どもから感染した」「自分も感染しているが子どものために必死で病院に連れて行った」など、一家そろってノロウイルスに感染してしまうケースも多いようだ。家庭内感染を防ぐため、ほかの家族が実家に帰ってしまったケースなど、さびしい思いをした人もいたようだ。

また、他に類を見ないその重篤な症状に、死の危険を感じるほどの不安に駆られたという人も散見された。旅行や外出などを断念せざるをえなかったという悔しさを語る人も少なくなかった。

家庭内での感染を防ぐためには、吐しゃ物やトイレの始末をする際に次亜塩素酸による消毒を用いることが大切。非常に感染力が強いため、始末をするときは使い捨てのビニール手袋やマスクを使用するように徹底したい。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2018年11月8日~11月9日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 254名(男性191名 女性63名)
調査方法: インターネットログイン式アンケート