国土交通省航空局は6月27日、LCCのバニラ・エアから6月23日に再発防止策の報告があったことを踏まえ、同日付で同社に対して、再発防止策の実施体制の整備及びその履行、また、輸送の責任主体としての意識の再徹底の旨の業務改善勧告を行った。

6月18日、乗客誤誘導により10人の乗客が入国手続き未了のまま入国する事態が発生

同件は6月18日、同社JW304便(香港発成田行き、乗客168人、幼児旅客1人)の成田空港到着時のランプバスによる到着口への案内時に、全3台のうち1台が誤って国内線到着ロビーに乗客を案内する事象が発生。これにより、10人の乗客が入国手続き未了のまま入国することとなった。入国手続きが未了となっていた乗客10人(日本国籍9人、外国籍1人)はすでに手続きを完了している。

19日に国土交通省航空局長より厳重注意を受け、同社は国土交通省航空局長に報告書を提出した。また6月20日より対策を実行し、23日に国土交通省航空局長に報告書を提出した。

今回の業務改善勧告では、再発防止策の実施体制の整備及びその履行として、23日に報告のあった再発防止策が確実に実施できる体制を整備し、早急に履行することとしている。その際、バニラ・エアの責任において、同社及びバス運行会社の担当者のほか、成田国際空港が配置する警備員が、決められた手順を確実に理解し、遵守するよう徹底すること、また、再発防止策の履行状況を定期的に確認する体制を構築することを求めている。

輸送の責任主体としての意識の再徹底では、全社員に対して、旅客の適切な導線管理を含めた輸送の責任主体としての意識を再徹底するため、必要な教育を行うこととしている。また、旅客誘導に係る業務における委託先の管理について、委託者として組織的に対応することを求めている。

同件に対してバニラ・エアは、「今回の処分を厳粛に受け止めるとともに、多大なるご迷惑とご心配をおかけした皆さまに、深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止に向けた取り組みを徹底し、信頼回復に努めてまいります」とコメントしている。

なお、バニラ・エアは2016年4月17日、成田空港に到着した国際線を国内線と誤認識し、乗客を誤って国内線到着口へ案内する事象が発生。これにより、一部の乗客が入国手続き未了のまま入国する事態となり、4月19日に国土交通省航空局長より厳重注意となっていた。