ダイエットに励む日本人女性は多いが……

ダイエットというフレーズは、永久不変に興味を持たれるテーマと言ってよい。時代ごとにさまざまな「●●ダイエット」という言葉が生み出され、時には社会現象にもなるからだ。

特に「いつまでも美しくいたい」と願う女性は、あれこれと色々な方法を試した経験があるのではないだろうか。SNSやインターネット、関連書籍、そして友人の口コミなど、あらゆるソースから「効きそうなダイエット方法」を収集するそのパワーには目を見張るものがある。

それだけ熱心に「やせてきれいになりたい」と願っているわけだが、一方で海外にはグラマラスな女性の方が異性から好かれる国も存在する。また、近年は若い女性のやせすぎによる無月経も増えてきており、過度なダイエット志向が問題視されている面もある。

では、このダイエット問題は日本固有のものなのだろうか。今回、日本在住の外国人20人に「日本人女性のダイエット志向」について聞いてみたので、気になった回答を紹介しよう。

Q. 日本人女性のダイエット志向をどう思うか、母国と比較して教えてください

細く美しくありたいのは当然では?

・「きれいな状態を保ちたいのはどの国の女性も同じ。美意識を高めるのはとても良いことだと思います」(モンゴル/40代前半/女性)
・「好んでやっているなら、とてもいいことだと思います。母国の女性にもそういう志向があります」(ウクライナ/30代前半/男性)
・「同じ。ダイエットの目標や基準は、韓国のほうがもっと厳しいと思う」(韓国/30代前半/女性)
・「やせてきれいになりたい女性の気持ちは、日本人もタイ人も変わらない」(タイ/30代前半/女性)
・「いいと思います。日本の女性のスタイルは好きで羨ましいです」(トルコ/30代後半/男性)
・「健康のためだからよいと思う。母国でも健康のため、ダイエットや運動への志向を高めた方がよいと思う」(インドネシア/30代前半/男性)

やせすぎの人が多いのでは?

・「おかしいと思います。日本人女性はすでにやせているのに」(インド/30代前半/女性)
・「ポーランド人もダイエット好きな国民です。本当に太っている人が多いので、当然なことだと思いますが。一方で、日本人の女性はスリムなので、ダイエットしなくていいと思います」(ポーランド/40代前半/女性)
・「日本の女性はやせすぎの傾向が強いので、体を壊さないか心配です。健康的にやせてほしいです。ドイツでは豊満な女性が多いので、少し日本を見習ってね、と思います」(ドイツ/40代後半/女性)
・「賛成しない。母国の女性はそんなに身だしなみに注目しないため、ダイエットも無理にしない」(ベトナム/30代前半/女性)
・「健康によくないと思いますし、日本人女性はやせすぎだと思います。母国ではダイエットする人もいれば、気にしないで太る女性もたくさんいます」(ブラジル/40代前半/男性)

母国の事情

・「イタリアでもそのような傾向はありますが、うわべだけで言っている人が多いのではないかと思います」(イタリア/30代前半/男性)
・「フランス人もいつもトライしているが、結果が全然違う(日本人女性の方がやせている)」(フランス/30代前半/女性)
・「自国の女性もある程度体重を気にしていますが、やせすぎた体型は好まれないので、そこまでダイエットしていないと思います」(モロッコ/30代前半/男性)
・「日本では細い人の方が人気があるからそうなりますが、母国ではちょっと太いほうがいい」(エジプト/30代前半/男性)
・「両国とも同じです。スリムな人が美しいとマスコミが吹き込むからです」(キルギス/30代前半/女性)
・「ダイエットするより、ヘルシーな生活を実行することが流行りになっています」(アメリカ/20代後半/男性)

■総評

結果は、肯定的な意見を持つ人たち(6人)と否定的な意見を持つ人たち(5人)が拮抗するというものだった。

肯定派の人たちは美を追求する女性の性分に焦点を当てており、その考え方に国は関係ないというスタンスを持っていた。一方で否定派の人たちは、十分に細い人がさらにやせようとするスタンスに疑問を呈しており、やせすぎが招く心身への悪影響を懸念していた。

専門家の見立てによると、国内には拒食症を含む摂食障害に悩む人が2万人以上いるとされており、潜在的な患者も合わせればその数は20万人以上にもなるという。摂食障害は重度の栄養失調が原因で、発育停止や骨粗しょう症、無月経、歯の損失、抑うつなどの症状を招き、最悪の場合は死に至ることもある。

日本肥満学会は、18.5以上25未満のBMIを「普通体重」と定義している。ダイエットをするならば、この範囲内の中で「健康的にやせる」ということを目指すのがいいだろう。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2017年1月23日~2017年2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート