大人のADHD、職場で戸惑うことは?

神経発達障害群の一つであるADHDは、日本語で「注意欠如・多動性障害」と表記する。近年は、"大人のADHD"と言って、成人してからADHDと診断されるケースを耳にするようになった。

社会に出ると、自分の得意・不得意を知らないことで、生きづらさを感じることも多い。発達障害についても、当事者も周りもよく理解していなければ、苦しむことが多いだろう。

そこで今回は、精神科の高木希奈医師に、ADHDの特徴と職場で注意すべき点などについてお聞きした。

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大人のADHDの特徴

ADHDは「不注意・多動性・衝動性」の3つに分けられ、成人の場合、主に次のような症状があると考えられています。

□落ち着きがない

□貧乏ゆすりをよくする

□多弁で、相手の話を遮って話をするため相手が不快に感じる

□思ったことを何も考えずにすぐに口に出してしまう

□衝動買いをよくする

□タバコ(ニコチン)、アルコール、カフェインなどを過剰に摂取する

□危険運転(信号無視、スピード違反など)を繰り返す、交通事故を起こす

□短気で、些細なことで怒りっぽくなる

□計画性がない、思いつきで行動する

□物事の優先順位をつけるのが苦手

□時間にルーズ

□注意散漫で集中力がない

□忘れ物が多い、よく物をなくす

□机の上や部屋の中を片づけられない

ただし、ADHDの症状は大人になってから出現するわけではなく、小児期からの何かしらの症状が確認されないと診断はつけられません。そのため、生まれてから大人になるまでの様子について家族に話を聞くほか、通知表、母子手帳、連絡帳なども確認してみる必要があります。