チリ産のカベルネ・ソーヴィニヨンには健康増進化合物が多く含有されているという

毎年、新年明けてすぐに健康増進のための目標をたてるものの、数週間で挫折してしまう人もいることだろう。中には、毎年のようにこのサイクルを繰り返している人もいるかもしれない。健康に過ごせることはありがたいが、できることならばできるだけ労を少なくして健康の維持・増進を図りたいものである。

海外のさまざまなニュースを紹介する「MailOnline」にこのほど掲載された「健康増進のため、2017年にやるべきこと」のコラム内にそのヒントが書かれていたので紹介しよう。

仮に「今年は必ず10kgやせる」という目標をたてたとしても、これまでにダイエット成功の経験がない人がこの誓いを果たそうとするには、かなり「ハードル」が高いことが予想される。現在の自分からすれば実現不可能な目標をいきなりたてるのではなく、小さな変化を重ねていくことが"結果"につながるだろう。

そこで、以下に健康増進のために簡単にできる方法をいくつかまとめたので、年頭に「一年間を病気やケガなく過ごす」などの目標をたてた人は参考にしてみてほしい。

1.野菜炒めにはオリーブオイルをチョイス

the journal Food Chemistryの調査によると、かぼちゃやトマト、なすをオリーブオイルで炒めると、「フェノール化合物」と呼ばれる物質の量が増えるという。この物質はガンや糖尿病、失明の最大の原因である黄斑変性症の予防に役立つと考えられているが、ポイントはオリーブオイル。研究に携わるクリスティーナ・サマニエゴ・サンチェス教授は、「オリーブ油は生野菜に含まれていない健康増進化合物を伝達する」と語っている。

2.箸を使う

NHSのコンサルタントで減量に関するスペシャリストであるサリー・ノートン博士は、「ゆっくりと食事をすることで、体が実際に食べている以上の量を認識するようになります。これにより、食事量が少なくなっていきます」と語る。

パスタやカレーといった、普通ならばフォークやスプーンを用いて食べるような食べ物も、箸で食べてみるのもいいかもしれない。

3.チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを飲む

「ブドウを太陽の下で熟成させると心疾患やガン予防になる健康増進化合物を多く生成する」とグラスゴー大学の研究者グループは語る。このグループの分析では、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンがお勧めとのこと。

4.ジムへ行く20分前にブラックコーヒー

「コーヒーに含まれるカフェインが疲れを感じさせる脳内物質『アデノシン』を遮るため、運動が一層はかどる」と、ケント大学でスポーツを研究しているサミュエル・マルコラ教授は解説する。ジムでワークアウトする機会があるならば、ぜひ開始20分前に少量のブラックコーヒーを飲んでみてほしい。

5.外食時には事前オーダーを

事前に食べるものを決めておくと、空腹時の「ハイカロリーの誘惑」に屈する可能性を削減できる。すなわち、無駄なカロリー摂取をするリスクを避けられるというわけだ。これはペンシルバニア大学の研究チームによって明らかになっている。

ちなみに、事前オーダーするのとしないとでは、1食で1,000kcalも差が出るとか。いかに空腹でレストランに行くと、ついつい注文しすぎてしまうかがわかる。レストランで初めてメニューを見て注文するよりも、事前にオンラインでメニューをチェックし、あらかじめメニューを電話などでオーダーしておくのが正解と言えよう。

6.食事中はテレビを切る

ブリガム・ヤング大学とコロラド州立大学の科学者の研究によると、自分たちが物を噛む音を聞けば聞くほど、食べたいと思う量が減るということが判明した。食事をする際は、静寂の中で自分の咀嚼音をしっかりと聞くのがいいようだ。

7.一日1個のリンゴを食べる

毎日100g以上の果物を摂取すると早死にするリスクが最大で35%も減るとの研究が報告されているという。ウエスタン・オーストラリア大学の科学者グループは、果物の中でも繊維とフラボノイドが豊富なリンゴを推奨しているが、ブルーベリーや梨、イチゴなどでもOKだ。

私たちは毎日食事をするが、その食べ方や食べる物を少し変えるだけで健康に寄与できるならば、すぐにでも実践したいところだ。本稿で紹介したものはいずれも今日から手軽にできるものばかりなので、2017年を健康に過ごすために試してみてはいかがだろうか。

※写真と本文は関係ありません


記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。