周囲の女友達が次々と結婚し、妊娠や出産が身近な話題となってきた今日この頃。いまだに妊娠の前段階である結婚の予定すらないが、かわいいわが子を抱き上げる幸せな将来をつかみ取るためにも、せめて健康管理を徹底しようと決意した。そこで、妊娠・出産だけでなく、女性の健康維持に欠かせない「ホルモン」の状態を知ることができるという「ホルモンドック」を「AACクリニック銀座」(東京都・銀座)にて受けてきた。

アラサー独女が「ホルモンドック」を受けてみた

アラサー独女がホルモンドックに挑戦

体組成計で脂肪率や筋肉量なども調べてくれる

同クリニックが提供する「ホルモンドック」は、女性ホルモンの分泌量に加え、女性に多いバセドウ病、橋本病の兆候がわかる「甲状腺ホルモン」を調べてくれるもの。採血やさまざまな器具を使った検査によって、骨密度、血圧や血管の軟らかさ、それにストレス度なども計測できる。さらに、乳がんや卵巣がんを見つける1つの目安となる「腫瘍マーカー」もチェックできるのだ。

なぜホルモンに加えて、これらの項目を調べる必要があるのか。それは、どの項目もホルモンの分泌量との間に深い関係があるからだ。ホルモン分泌のバランスが悪ければ、女性特有の腫瘍も疑われる。さらに、女性ホルモンが減ると骨密度が落ちたり、動脈硬化や血管の弾力性などにも影響したりするという。「ホルモンドック」は、現在のホルモン分泌量の数値を把握するだけでなく、把握した上でどのような治療をすべきか、方向性を示してくれる検査でもあるのだ。

妊活にはいつでも専念できる状態

女性の健康に関わるありとあらゆる数値が示されるありがたい検査だが、その結果次第では自分の不健康さを露呈してしまう恐ろしい検査でもある。後日、検査結果が出たとの知らせを受け、ドキドキしながら同クリニックを再訪。診察室に入ると、浜中聡子院長から「何の問題もなく健康体でいらっしゃる。ご安心ください」と太鼓判を押してもらった。まずはほっと一息だ。

検査結果として冊子が手渡される

検査結果を見ると、一言に「女性ホルモン」といっても、さまざまな種類の成分があるようで、「エストロゲン(エストラジオール)は更年期障害などに影響があるホルモン。プロゲステロンは排卵期以降数値が上がって、赤ちゃんが育つためのベッドをつくるようなホルモン」と教えてくれた。さらに「DHEA」という聞き慣れない成分の名前もあった。「DHEA」とは、女性ホルモンを作る大元のホルモンとのこと。ここまでしっかり見てもらえると、こちらも安心だ。

ところで、女性ホルモンの分泌に問題のある人はどのような結果になるのだろうか。浜中院長は「ホルモン数値のバランスが悪くなる」と指摘した。エストロゲンは排卵日をピークに、プロゲステロンは排卵期以降、分泌が増えるホルモンだが、双方のホルモンとも「数値が低め安定ダラダラで、メリハリがなくなる」 のだとか。こうなると、生理がこなかったり、ストレスや婦人科疾患を抱えていたりする可能性が高くなる。「今は大丈夫だけれど、ストレスの負荷がかかったり、無理なダイエットを長期間続けたりするとホルモンのバランスが悪くなります」とアドバイスをくれた。

さまざまなホルモンの数値をもとに、ホルモンバランスの状態を説明してくれる

女性ホルモンは加齢に伴い分泌が減っていくという。20代からホルモン状態を調べておく意義はあるのか。この点については「将来結婚したい、子どもが欲しいとなった場合、排卵期を予測しないと妊娠しにくい。ホルモンのバランスが崩れると生理周期も崩れるのでタイミングがつかめなくなる。ホルモンのバランスが取れていたほうが妊娠の可能性は上がる」とホルモンバランスの重要性を主張。「ホルモンの数値を測ったり、ホルモンのバランスを整えたりして、いつでも妊活に専念できる状態にいることは若いながら大事なこと」と話した。

細胞はさびつき、ストレス耐性も皆無

「これで将来は安泰だ」と安心していた私。しかし人生、そうはうまくいかない。浜中院長はおもむろに検査結果のページをめくり、「ストレスが多いんじゃないですかー? 」と鋭い指摘を投げかけた。ストレス度数が高いというのだ。検査結果をよくよく見てみると、「酸化ストレス度」と呼ばれる数値は最も高いレベルに達し、「抗酸化力」という数値は最低レベルで不足していた。

酸化ストレス度は401以上、抗酸化力は2,000未満……ということで、ストレス度は「強度D」だった

「『酸化ストレス度』は細胞のさびつきや精神的なストレスなどが影響していて日々変わるもの。こっちは日々飛んでくる矢だとすると、『抗酸化力』は盾だと思ってほしい」とのこと。要するに、日々のストレス自体も多い上、ストレス耐性も皆無ということだ。「睡眠の質であったり、抗酸化物質の摂取量であったり、運動をきちんとするとか、腸内環境や運動不足を見直すであるとか……」と必要な対策についての指摘は止まらない。

さらに浜中院長は、「抗酸化力がないと、免疫力、抵抗力も落ちます。端的に言うと、風邪をひいたら治りが悪いとか、風邪をもらいやすいということに中年期以降つながっていきます」と厳しい言葉を続けた。このままでは、幸せな将来がつかめない。

年末年始はリセット期間と捉えます!

ストレスまみれの私の体。寝不足や運動不足、思い当たる点は多々あるが、改善していくためにはどうしたらいいのか。浜中院長は「手始めに、年末年始をリセット期間と捉えてはどうか」と提案してくれた。「とにかく食べ物が大事。植物性のたんぱく質をとって、油も植物性に傾けて、物足りないかもしれないけど、和定食みたいな食事を心がけてください。このような食事はお通じにいい食事でもあります」と指摘。「きちんと食べて運動して水分をよくとって、早寝早起きをするということをやってみてもいいかもしれないですね。1週間だけでも効果が出てきます」とのことだった。

忘年会や新年会、親戚の集まりでごちそうざんまいの年末年始。深夜の特番を見ることも毎年の楽しみのひとつだが、背に腹は代えられない。数々の誘惑を乗り越えて、今こそ健康状態を改善しなければならないと心に決めた。

「ホルモンドック」について、最後に浜中院長は「ホルモンは子どもを産むときにしか意識しないかもしれませんが、健康な生活を過ごすためにとっても大事なものなんです。自分の数値を知るということは、傾向を知って対応ができるということ。体調管理としてとってもアドバンテージになる」と話してくれた。クリニックを訪れる人の中には、1年に1回のチェックとして利用する人もいるという。特に女性で体調不良に悩んでいる人は、健康管理のひとつとしてとりいれてみてもいいかもしれない。