12月19日と20日、東京・ベルサーレ秋葉原にて「ポータブルオーディオフェスティバル2015」(ポタフェス2015)が開催されている。本稿では、展示されていたポータブルプレーヤーとヘッドホンアンプの新製品を紹介していく。

超小型USB DAC「HERUS+」

「HERUS+」をiPhone 6と接続したところ。かなりコンパクトな設計だ。実勢価格は税込70,000円強

エミライのブースでは、Resonessence Labs製の超小型USB DAC「HERUS+ (ヒールス・プラス)」が注目を集めている。2013年に発売された「HERUS」の高機能版だ。W31.7×D62.5×H20mmというサイズに、ESS Technology社の「ES9010-K2M」を搭載。ハイレゾ音源は、PCM 352.8kHz/24bit、DSD 5.6MHzのネイティブ再生が可能だ。

また、3種類のデジタルフィルターを選べることも特徴で、本体前面の「R」ロゴはフィルターの切り替えスイッチ兼インジケーターとなっている。HERUS+は接続したスマートフォンなどから電源供給を受ける方式だが、HERUSと比べて約25%の省電力化を図っている。

単3形の電池とサイズを比較してみた

「R」のロゴはスイッチ兼インジケーター

コウォンは「PLENUE D」に加えて、未発表モデルも

コウォンジャパンのブースでは、12月に発表したばかりの小型ハイレゾプレーヤー「PLENUE D」を試聴可能。サイズW53.1×D14.9×H77.2mm、重量94gと小型軽量ながら、MP3形式で約100時間、FLAC(96kHz/24bit)で約51時間の連続再生が可能だ。ハイレゾ音源は、192kHz/24bitのFLAC/WAV/AIFF/ALACファイルをサポート。DSD再生は非対応だが、サイズ、再生時間、価格の3点を重視する人の支持を集めそうだ。

「PLENU D」、非常にコンパクトなハイレゾプレーヤーだ。実勢価格は税込で30,000円を切っている

未発表の最上位モデル「PLENUE S」も展示。2016年2月ぐらいの国内発売を予定しているという。DACに「PCM1792A」を採用し、DSD 11.2MHzのネイティブ再生が可能だ。バランス出力にも対応しており、S/N比は120dB、THD+Nは0.0005%。価格は240,000円前後となる見込み。

「PLENUE S」

側面と底面

ラトック、来春発売の据え置き型ヘッドホンアンプ

RATOC Audio Labのブースでは、開発中の据え置き型USB DACヘッドホンアンプ「RAL-DSDHA5」を参考出展。XLR出力端子のほか、φ2.5mm×2によるデュアルモノ接続(RALモード)、2.5mmの4極プラグ(AK方式)に対応。また、ソニー製ヘッドホンをバランス接続するためのソニー互換モードも備えている。同社によると、「バランス接続に対する市場のニーズを全部詰め込んだ製品」とのことだ。

「RAL-DSDHA5」(上は接続したポータブルプレーヤー)

USB DACとしては、DSD 11.2MHzのネイティブ再生と、384kHz/32bitまでのPCMに対応。ブースではインピーダンス300Ωのゼンハイザー「HD650」を余裕でドライブしていた。発売は2016年春を予定。50,000円前後の価格帯を目指している。

デノン、フルデジタルアンプ搭載のネットワークプレーヤー

デノンは未発表のネットワークプレーヤーを出展し、試聴も可能としていた。ヘッドホンアンプ部に同社の「PMA-50」や「DRA-100」と同じフルデジタルアンプ「DDFA」を搭載しているらしいが、詳細は不明だ。フロントパネルの右下には「DNP-X」と書かれているが、これは「不明という意味のX」で、まだ型番も公表できないとのことだ。

発表は1月中旬の予定で、ハイレゾ音源に対しては、ネットワーク経由のDSD 5.6MHz再生、内蔵USB DACによるPCM 385kHz/32bit再生が可能であるという。

未発表のネットワークプレーヤー。開発コードネームは「DNP-X」か?

「DNP-X」の背面。有線LAN、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×2、USB Type A、USB Type Bを装備

18日発売の「FiiO X7」を展示 - オヤイデ電気

オヤイデ電気(小柳出電気商会)は、12月18日発売ののフラッグシッププレーヤー「FiiO X7」を展示。10月の「秋のヘッドフォン祭」とは異なり、製品版を試聴できる。FiiO X7は、Android OSを採用し、本体下部のモジュールを交換して機能アップを図れる画期的なモデルだ。

「FiiO X7」。実勢価格は税込108,000円弱

モジュールの交換が可能