『モテキ』、『アゲイン!!』などで知られる漫画家・久保ミツロウ、様々なアイドルをはじめ最近はゆずや関ジャニ∞への楽曲提供でも話題の音楽クリエイター・ヒャダイン、そして『雑誌の人格』などの著者であるエッセイスト・能町みね子による異色すぎるトーク番組『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジテレビほか 毎週土曜 深夜1:35~)。ひと筋縄ではいかない強烈な個性の交わり合いを見ずにはいられない、今、最も旬な番組を支えるクリエイター3人に話を聞いた。

左から、能町みね子、久保ミツロウ、ヒャダイン

――番組は2012年末『久保ヒャダこじらせナイト』としてスタート。単発放送を経て2013年10月から能町さんをメンバーに加えてレギュラー化と、ここまで順調だと思いますが、手ごたえのほどはいかがですか?

久保「努力は……して来なかったですね(笑)」

ヒャダ「そうですね……どうやったら番組が良くなるのか、みたいなことは全部スタッフ任せでしたし(笑)」

能町「私の場合はレギュラーになって3カ月といっても、まとめ撮りなので収録はまだ2回しかしてないですからね(笑)。それに自分が出た番組は基本的に見ないです」

久保「そもそも私がこの番組の出演を引き受けたのも、マンガの仕事の負担にならないことを前提に、台本や進行を一切覚えなくていい、とりあえず収録の時だけ頑張ればいいということでしたから。言ってみれば、わりのいい月イチのバイトですよ(笑)」

ヒャダ「しかも、番組中にアルコールも飲めるし、久保さんの仲良しの能町さんもいるので、居酒屋でくっちゃべている会話をイメージ良く仕立て上げてもらっている感じですね」

能町「久保さんと一緒にラジオは長くやらせてもらってますけど、自分としてはそれと感覚は変わらないですね。芸能人を『さん』づけしないでつい言っちゃう感じとか。『ビートたけしがさぁ』みたいな」

ヒャダ「『海老蔵がさぁ』みたいなね」

能町「ただ、それで干されるような存在じゃありませんからね、私たち」

ヒャダ「そうなんですよ。僕らテレビに出られなくなったら出られなくなったで何の問題もないですし」

久保「その意味では今、一番たけし批判をしやすいのは私らでしょうね(笑)」

能町「かといって特に批判材料があるわけでもないですけどね(笑)」

――では、あえて今、たけしさんに何か言いたいことは?

能町「もちろん、ないです(笑)」

久保「『THE MANZAI』のたけしさんも最高でしたよ。あえてくだらないことを言ってハードルを下げることで、いかにその後の芸人たちがネタをやりやすくなるか」

ヒャダ「あそこでボケに回る重要性ね」

能町「あと、たけしさんがカメラで(姿を)抜かれるたびにちょっと笑顔を見せる、あのプロ根性。そこが『M-1グランプリ』とかの審査員とは違うなと」

ヒャダ「しかめっ面とかせずにね」

能町「映るとニヤッとしてくれるんですよ。さすがですね」

――そんなふうに、テレビだからといって特に気負うわけでもなく、いたって自然に会話をしている感じが、見てる側からはとても新鮮に映ります。

能町「なんといっても収録2回ですしね(笑)。リアルに新鮮なだけですよ」

久保「でも、まさか大人になってこういう仕事があるとは思わなかったですね」

ヒャダ「楽して稼げる、というね。まぁ、最低限、カンペとかは読みますけど(笑)」

久保「自然体といえば自然体ですね。『ホントはヒャダインさん、あんなこと思ってないんじゃない?』とか『テレビ向けにハッチャケてるなぁ……』みたいなことも思わず」

ヒャダ「僕の場合、他の番組とは明らかに違いますから。『はい! 続いてはこちらのコーナー!』みたいなのとは」

久保「たぶんこの1年は、"テレビに出てる側の視点"でテレビを見るようになったと思うんですけど、頑張ってテレビに出ている人たちを見ていると、『(自分はこれで)いいのかなぁ……』って。きっとみなさん、テレビに出るためにいろいろな努力をされていると思うんですよ。いかに前に出るか、みたいな努力を。でも、自分はというと……何もやっていない(笑)」

ヒャダ「自分たちを芸人さんと一緒にするのもなんなんですが、テレビに出ることがすごい目標で、一秒でも映ったら実家に報告するような人もいる一方で、僕らみたいなのが冠番組を持つなんてねぇ」

久保「『THE MANZAI』で優勝したら冠番組、みたいなのを見ると、『うわぁ~! マジですいませんっ!』ですよね。ホント申し訳ない」

ヒャダ「まぁ、スタッフさんのおかげですね」

久保「私たちがどうというより、私たちに対応してくださっているフジテレビさんがすごいですよ」