ゴールデンウィークも終わり、順調に夏が近づいてきていますね。4月から新社会人としての生活をスタートされた皆さん、調子はいかがでしょうか。5月病になる人が多いと言われるゴールデンウィーク明け、今の会社に疑問を抱き始めた人もいるのではないでしょうか。

今回ご紹介する漫画は、そんな新社会人の皆さんにお勧めするビジネス漫画。……といっても、おカタいものばかりではなく、サラリーマンをテーマにしたほのぼの漫画や、切れ味鋭いギャグ漫画など、バラエティ豊かに取りそろえてみました。いずれも電子貸本サイト『Renta!』でレンタルすることができますので、ぜひ気になる作品を読んでみてください。

『ショムニ』(メディアファクトリー刊)

『ショムニ』

1998年に江角マキコ主演でテレビドラマ化され、平均視聴率21.8%と大ヒットした作品なので、ご存じの方もいらっしゃることでしょう。しかし、その原作を読んだことがある人となると、新社会人の世代的にもあまりいないのではないかと思います。

それはもったいない! ドラマ版『ショムニ』が面白いのは、そもそも原作が面白いから。会社が舞台となる作品ですし、新社会人となったこの機会にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

物語の舞台となるのは満帆商事。地味で人付き合いがヘタな23歳のOL、塚原佐和子が配属されたのは、会社の掃き溜めと呼ばれている総務部庶務二課、通称「ショムニ」。そこで彼女を待っていたのは、会社の問題児や落ちこぼれなど、個性豊かな先輩OLたちとの波瀾万丈な日々だったのでした――。

10年以上前の作品なので、さすがに絵・内容共に古さを感じる部分はあります。特に絵はかなり個性的なので、敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、そこで投げてしまうのはまだ早い! 読んでいるとだんだん物語に引き込まれていき、ショムニメンバーの生き生きとした人間模様の虜になってしまうはずです。

ショムニメンバーは全員個性的ですが、中でもドラマで江角マキコが演じたショムニのボス的存在・坪井千夏は格別! 口が悪く男勝りな性格ですが、塚原や他のショムニメンバーをグイグイ引っ張っていくリーダーシップと統率力は、きっと新社会人の皆さんにとっても良い勉強になるはず。

途中からは男性キャラもレギュラー入り。東大卒のエリートながら、プライドが高くマザコンの一面を持つ右京や、仕事をせずに麻雀ばかりやっている海外総合事業特殊業務課の面々など、強烈なキャラクターがショムニの良いスパイスになっています。

もちろん漫画なのでフィクションだし、90年代を舞台にしているためケータイやインターネットがなかったりと多少の違和感はあるかもしれませんが、先輩と後輩、上司と部下といった、会社という組織の中で生きる人々の悲喜こもごもは何十年経っても変わらない普遍のテーマ。90年代の社会人がそうだったように、大いに笑って共感して、明日からの活力にしてください。

『資本論 ─まんがで読破─』(イースト・プレス刊)

『資本論 ─まんがで読破─』『続・資本論 ─まんがで読破─』

19世紀を代表する偉大な思想家であるマルクスとエンゲルスが記した『資本論』。社会人としては読んでおくべき本の一つですが……しかし、ぶっちゃけこれ、なかなかに難しい。興味がないと読破するのはけっこう大変です。そこで役立つのが「まんがで読破」シリーズ。『資本論』で書かれている資本主義と経済の仕組みを物語と共に非常にわかりやすく解説してくれるのです。

時は19世紀。産業革命以後、工業化により大量の商品供給が可能になった世界を舞台に、投資家ダニエルとチーズ工場を経営するロビンという二人の若者が、資本主義の荒波へと船出します。母親を病気で失ったロビンは「金さえあれば母さんは助かったのに」という思いから、ダニエルの投資を受けてチーズ工場を拡大。労働者を酷使して利益を上げていくのですが、次第に自分のやり方に疑問を抱くようになるのでした――。

……もちろん原作となる『資本論』のすべてを本作で語り尽くせるわけではありません。しかし、新社会人の皆さんが毎月受け取ることになる給与がどのように発生しているのかという社会の仕組みや、社会にとってのお金とは何なのかといった基本的な経済の知識を身につける上で、本作はこの上ない教科書になることでしょう。何より、描かれている物語がちゃんと面白いというところがポイントです。学習漫画というと、単にイラストをつけただけで難しさは原本から何一つ変わっていないという作品もあるのですが、本作はきちんと面白いストーリーがあり、その上で自然に資本主義について学べる構成になっているのです。

「今さら人には聞けないけど、経済や資本主義について勉強したい」という人にうってつけなのはもちろん、すでに『資本論』を読破したという人にも復習として目を通しておく価値のある作品だと思いますよ。

『かいしゃいんのメロディー』(竹書房刊)

『かいしゃいんのメロディー』

最後はゆる~く楽しめる4コマ漫画をご紹介。すっとぼけたキャラクターの会社員・うずら谷と、彼の同僚が織り成すコミカルな日常を描いたサラリーマンギャグの数々。最近流行の日常系4コマ……とまでは言いませんが、それに近いほのぼのした空気感が特徴です。

これを読めば、「ああ、サラリーマンってこんな気楽な感じでいいんだ」と思えて気持ちが楽になること間違いなし!

……まあ実際に気楽かどうかは皆さんの環境によっても変わるので何とも言えないところではありますが、少しでも日々の癒しになれば幸いです。




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