ラピッドプロトタイピングの重要性が高まる今日、3Dプリンタを活用したFDM(Fused Deposition Modeling:熱溶解積層方式)プロセスは、フライス加工、旋削、穴あけといった従来型の金属切削に基づいた製造方法に代わる手法として強く期待されている。ただ、FDM 部品のための生産コストは、従来式で製造されたものと比べ、未だ上回っている。開発期間を縮めたいがコストとの兼ね合いからFDMプロセスを導入しかねている――そんな企業は少なくない。ただ、同プロセスの導入は、コストに足る確かな効果がある。

本記事では早くからFDMプロセスを開発工程に組み込んだBMW社の取り組み例から、同プロセス導入の意義について解説する。

負担が少なく最適な治工具・試作を生産するために

車輛後部にモデルバッジを取り付けるための治工具

車輛後部にモデルバッジを取り付けるための治工具

BMW社では、治具・取り付け具製作部門において、主に設計・製造業務でFDM技術を使用している。

車両開発および生産分野におけるパッケージスペース試験、機能試験、ディスプレイモデル、キュービングモデル等のアプリケーション領域でプロトタイピングに利用する他、生産・試験用の構成部品のダイレクト・マニュファクチャリングでも同技術を採用。生産コスト増が予測される中、BMW社はなぜFDMプロセスの導入に踏み切ったのか。ここには、以下に挙げられる重要な理由がある。

人間工学に基づいた改善
複雑かつ有機的な形状の構成部品の製造
PA6 に匹敵する材料特性
詳細コストの削減
倉庫保管作業の低減
生産費用削減

上段の3つはFDMプロセスに期待されるラピッドプロトタイピングに直結する理由であり、完成品の品質にも関わる部分だ。

この他、後段にあるコスト削減にも注目したい。FDM部品は、高価格なABS樹脂を使用すること、また3Dプリンタの稼働時間が長いことを理由に、一般的には生産コストが高い。しかし、同社では、FDMプロセス用に特別に調整された製作プロセスによって、これを低減させることを可能にしている。従来手法にあった部材の保管作業のような周辺コストも無くせるため、ラピッドプロトタイミングだけでなく開発全体のコスト削減も、FDMを利用することで実現しているのだ。

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ダウンロード資料では、上で挙げた理由について詳細を解説。また、既述した「FDMプロセス用に特別に調整された製作プロセス」についても提示している。FDMプロセスの導入を検討する方には、資料をぜひご覧いただきたい。

提供資料のご案内

ラピッドマニュファクチャリング 治具・取り付け具製作におけるFDMの活用

BMW社Regensburg工場
Günter Schmid氏、Ulrich Eidenschink氏 共著

ラピッドマニュファクチャリング
治具・取り付け具製作におけるFDMの活用

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