生成AIの中でも、ChatGPTをはじめとするテキスト系の生成AIは文章作成が得意だ。そして、日本語だけではなく多言語の文章を上手に扱えることも覚えておきたい。つまり、翻訳も得意な作業の一つということだ。
販売製品の説明書や契約書類など、本格的なものは言語・内容ともに専門家の協力を仰ぐべきだろうが、日常の情報収集や伝達事項、業務上内容把握が必要なドキュメントなどは、完璧でなくとも即座に翻訳して欲しいという需要がある。手間をかけず迅速に結果を得られる範囲で、できるだけ高精度なものがいい。そんな時に使って欲しいのが、生成AIによる翻訳だ。
Google翻訳やDeepLのような翻訳専門サービスもあるが、ChatGPTならば細かく注文をつけることも、翻訳を含む作業全体を1つの画面で行うこともできるのが魅力だ。この文章を要約してから翻訳して欲しい、箇条書きにまとめてからドイツ語にして欲しい、といった連続的な処理が簡単に行える。
しかし業務上の文章を翻訳するとなると、たとえ短いものでも内容を気遣わなければならない。業務情報や個人情報など、流出しては困るものが多いからだ。その点、サテライトオフィスの提供する「サテライトAI」シリーズならば情報をAIに学習させないだけでなく、重要情報は自動的にマスキング(機密情報のAIにパスをブロック)をかけるなど手軽かつ安全に使えるよう調整されている。特に「サテライトAI・AIボード」はChatGPTの見た目そのままに各種生成AIを利用できるため、ChatGPTを使ったことのある人にとって使いやすい。
目的や精度、文章スタイルを指定して即座に翻訳
「サテライトAI・AIボード」で翻訳を行う場合、できるだけ具体的な指示をするのが上手に使うコツだ。補足情報なしに「この文章を英語に翻訳して」と指示するだけでも英文は得られるが、希望通りになるとは限らない。
必要なのは背景情報と、出力形態の指定だ。これはAという製品のマニュアルです、この文章は取引先への謝罪です、といった背景があれば、よりふさわしい翻訳結果になりやすい。さらに社内に表記ルールがあるならば「語尾の長音記号は省略する」「カギカッコや丸括弧は全角にする」といった指示も出せる。
製品名や社名など、そのまま翻訳されてしまっては困る語がある場合には「Bという語は翻訳しない」「Cという語はDと訳す」などの指定を加えるのもいい。
「この文章を翻訳してください。その後、翻訳文を丁寧な文章に書き換えてください」というように丁寧さやテイストを指定するのも、希望に近い結果を得るコツだ。
翻訳品質のチェックと修正をAIに任せるのもお勧めだ。対象はAIに翻訳させたものだけでなく、別の翻訳サービスや人力翻訳のものでもいい。原文と訳文の両方を読み込ませ、適切な翻訳ができているかの確認、問題点の指摘、問題点の修正案と理由の提示などを指示すれば、より高精度な翻訳になるだろう。
もちろん、こういった機能を利用して学習するのもいい。自分で書いた英文を修正してもらう、読み取った内容が正しいか確認する、といった使い方もしやすい。
日日・英英など同言語翻訳や要約、総ルビ化も簡単
学習に便利な使い方として、同言語翻訳がある。日本語でAIに長いドキュメントを要約させるのと同じように、長い英文を短く要約してもらうことができるし、目的としている部分を抽出してどこに注目すればいいのか教えてもらうことも可能だ。
要約や抽出をした上で他言語に翻訳したり、翻訳結果を要約すれば、元の文章が何について語っているものなのか、どういう論調なのかを理解した上で原文を読むことができるだろう。AI任せではなく翻訳結果を自分で確認したい場合にも頼りになる使い方だ。
また、日本語文章を総ルビにすることも簡単にできる。「以下の文章で漢字になっている部分すべてにふりがなをつけてください。ふりがなは「漢字(かんじ)」のように対象漢字単語の後ろに丸括弧で添えてください」というような指示をするだけで簡単に実現できる。
さらに日本語が堪能ではない外国人でも理解しやすい書き方である「やさしい日本語」への書き換えを依頼すると「修正→直す」など簡単な日本語に書き換えた上で総ルビにしてくれる。何を書き換えたのかも教えてくれるから、自分で文章を作る時の注意点もわかりやすいのが便利だ。社内で言語ギャップがある場合の対応にも利用しやすい。
Web翻訳やメール翻訳なら「サテライトAI・サイドパネルAI」
「サテライトAI・AIボード」と同じくChatGPTをはじめとする生成AIを安全かつ手軽に使えるサービスとして「サテライトAI・サイドパネルAI」がある。こちらはブラウザ上で今表示されているものに対して質問する使い方をするサービスだ。
Gmailの返信支援や内容の要約、翻訳などに利用すると特に便利だが、ブラウザ上で表示しているものなら何でも対象にできる。たとえばGoogleドライブやOneDriveでファイルを開き、その内容を要約して欲しい、翻訳して欲しいといった使い方ができてしまう。
大きなドキュメントを扱ったり長文を書いたりしたいわけではなく、今すぐメールの内容を理解して返信したい、今開いているWebページのここを理解したい、という時にさっと使えるから、ぜひ「サテライトAI・AIボード」と合わせて活用してほしい。
進化し続ける「サテライトAI」で業務中のあらゆる翻訳を効率化しよう
AIによる翻訳は発展途上であり、専門の翻訳家による丁寧で高精度な翻訳には及ばないかもしれない。しかし人間相手では難しい、今すぐ翻訳して欲しい、日本語文章を5カ国語にまとめて翻訳して欲しい、といった要望も簡単に出せるし、実現してくれる。何度やり直しを指示しても、どんな無茶振りをしても、機能的にできないことはあっても嫌な顔をされたり怒らせてしまったりすることはない。求めるものに応じて、上手く使い分けるのがお勧めだ。
現状「サテライトAI・AIボード」ではWord等のファイルを直接アップロードして翻訳することはできず、内容をフォームにペーストする必要がある。また「サテライトAI・AIドキュメント」も、社内にあるファイルについて質問し、その回答を翻訳させるような使い方はできるが、ファイル丸ごとを翻訳する機能はもっていない。しかし、どちらも近いうちにファイルを指定して丸ごと翻訳する機能を盛り込む予定だ。
また、格納されている大量のファイルを一括で翻訳する、といった使い方に対応する「サテライトAI・一括翻訳AI」というサービスも開発中だ。
サテライトオフィスではユーザーの需要を読み取るのはもちろん、直接的に要望を受けての開発も積極的に行っている。ぜひ積極的に活用し、業務の助けにして欲しい。
監修:原口 豊(はらぐち・ゆたか)

大手証券会社システム部に在籍後、1998年、サテライトオフィス(旧ベイテックシステムズ)を設立。2008年、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、サービスの提供を開始。Google Workspace(旧称:G Suite)の導入やアドオンの提供で、これまで実績6万社以上。「サテライトオフィス」ブランドでクラウドサービスの普及に尽力している。
サテライトオフィス
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さまざまなビジネスモデルに最適なソリューションパッケージを開発し、ユーザー目線に立った戦略の企画・提案を行っています。業界トップクラスの導入実績を持つGoogle WorkspaceやMicrosoft 365、LINE WORKS、ChatGPT など、AI関連ならびにクラウドコンピューティングに関わるビジネスの可能性を追求しています。
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