データ活用が多くの企業に広がり、ビジネスにおいて一般的な取り組みとなったように思えるが、現実にはまだまだ手をこまねいている企業も少なくない。

こうした企業をデータドリブンの方向へと導いてきたドーモ株式会社のシニアソリューションコンサルタント 後藤祥子氏に、データ活用の第一歩をどのように進めていくべきなのか、お話をうかがった。

BIツールを一通り試したからこそ感じた、Domoの革新的な可能性

  • ドーモ株式会社 シニアソリューションコンサルタント 後藤 祥子氏

─まずは後藤様についてお伺いします。ドーモに入社する前のご経歴をご紹介ください。

後藤氏: ドーモ入社前は外資系企業に17年在籍し、データウェアハウスやETLツール、BIツールをはじめとした多彩な分野のソリューション販売を手掛けていました。競合製品と「協業」したり、競業製品を提案する立場にいたこともあるため、各社のBIツールは一通り操作して、それぞれの製品の良いところはわかっているつもりです。データ活用に必要なプロセスはサイロ化されており、各領域に特化した多数のツールがあります。そうしたなかで、なるべく複雑にならないように製品を組み合わせてお客様の課題を解決することを意識していましたが、どうしてもお客様に「難しい」と感じられてしまうというジレンマを抱えていました。

─ドーモへの入社を決めた経緯を教えてください。

後藤氏: 最初にDomoというツールを知ったときは驚きましたね。多くのBIツールを触ってきましたが、データの可視化・分析に関するすべてのプロセスをひとつのツールでできてしまうのは、Domoだけでした。くわえて、IT部門に限らず誰でもデータを扱えるという点に共感し、入社を決めたのです。

─先ほどおっしゃっていた「ジレンマ」は解消できましたか?

後藤氏: Domoはとにかくわかりやすくユーザーファーストな製品なので、データ分析のスキルがない方でも扱えます。これまでIT部門にデータ分析を任せていた企業でも、LOB部門(事業部門)の方がデータ分析を行うといった体制も実現できるでしょう。もちろん、Domoだけが正解ではないですが、自信を持っておすすめできる製品だと思います。

「見たいものをすぐに見る」それがデータ活用の第一歩

─「データ活用」という言葉自体はよく耳にしますが、なぜか構えてしまいます。そもそも、何をもってデータ活用と言えるのでしょうか。

後藤氏: データを見て、何らかのアクションを起こせば、それはもう立派なデータ活用です。例えば営業社員が売上のグラフを見て、行動を起こしたらそれはデータ活用と言えるでしょう。最初から「データアナリストを用意しなければ」と難しいところを目指す必要はなく、データ活用の第一歩は、自分が見たいものを、面倒な手続きを踏むことなくパッと見られることです。

─それなら誰もがデータ活用を体験したことがありそうですね。データを見てアクションを起こすには、どのようなデータの見え方が理想的なのでしょうか。

後藤氏: 見るまでに手間や時間がかかるとせっかくのデータも面倒くささが先にきてしまい、結局使われなくなります。ということは、知りたいことを即座に検索でき、答えがすぐに出てくる環境を整えることが大事ということです。
例えば中間管理職は上のレイヤーに報告義務がある一方、部下に方針を伝えたり、意見を吸い上げたり、双方に対してクイックにアクションを起こしていかなければなりません。現場状況を正しく捉えて的確な判断を下し、上層部に粒度の高い報告をするためには、見られるデータが最新であるのはもちろん、推移を確認できる環境であることも重要になります。そのうえで、階層を深くたどっていかないと欲しい情報を見つけられないようでは、求める答えをすぐに得ることはできません。

─たしかに、見るだけでも面倒だったら、宝の持ち腐れになってしまいますね。“答えがすぐに出てくる環境”の要件を教えていただけますか。

後藤氏: パソコンで見るならば、ブラウザで見られて、簡単にアクセスできることが必要ですね。一方、外出中にスマートフォンでデータを見たいというニーズも多いと思います。例えば電車に乗っているときに、スマートフォンを使って思いつきでブラウザ検索をして、見たい情報を見るという経験は誰しもがあるのではないでしょうか。ビジネスでもその世界観があってもいいと思いますが、実際はあまりないですよね。これはなぜかというと、モバイル上でデータが集約されている場所がなく、情報を得るためにメールやファイルを検索するといったプロセスはモバイルではとくに面倒に感じるからです。クイックなアクションを実現するためには、あらゆる場所でデータを閲覧することを想定してモバイルからデータを見られる環境を作ることが望ましいといえます。

─見たいデータを即座に見られる環境を実現するためには、障壁もあるのではないでしょうか。

後藤氏: まさしくその通りです。必要なデータを必要な形で見たいと考えても、それを用意してくれる人がいない……という話はよく聞きますね。同じ人材不足でも、データアナリストがいないという場合もあれば、単に手を動かす人が足りないという場合もあります。
極端に言うと、データ活用をするためにツールを導入しなくてもビジネスは継続できるので、優先度を低くしている企業も少なくないです。それゆえに人材確保の優先度も低くなってしまい“人材不足”に陥るケースも多く見受けられます。
また、優先度を低くしている企業は、データ活用のゴールが不明確なので、どのような人材が必要なのかを見定めることが難しいでしょう。そのゴールが「自分が見たいものをすぐに見られるようにして、意思決定をスピーディーに行うこと」なのであれば、データアナリストなど専門の人材を最初から用意する必要はないと、私は思っています。
私はお客様と話す際に「まずはご自身でやってみましょう。そして一緒に取り組んでくれる味方を探しましょう」と提案することも多いですね。データに興味がある人はどの会社にもいて、力になってくれる人がいるはずです。それを見据えて誰でも触りやすいツールを選ぶのがいいでしょう。
また、どの方法を選ぶにしてもトップの決断は絶対に必要なので、上層部を巻き込みながら進めるべきだと思います。

いつでもどこでも見られる、誰でも見えるようにできるDomo

─“誰でも触りやすいツール”という言葉がでましたが、それがまさにDomoなのでしょうか。

後藤氏: データを可視化するためには、さまざまな準備が必要であり、さらにそこには多様なツールが存在します。それゆえにメンテナンスも大変だったりします。Domoはデータ活用・分析に必要な機能がオールインワンで提供できます。複数のツールを組み合わせる必要がないのでシンプルに考えることができます。
データを見る側は、ブラウザ、もしくはDomoアプリから簡単にアクセスできますし、頻繁に見る必要があるデータをお気に入りに登録することで、データ見るという行動をさらにシンプルにできます。そうすれば、これまで週次で見ていたものを日次で見るようになったり、それによって違ったアクションを起こせるようになるかもしれません。必要な情報はすべてDomoに集まっているので、メールを検索したりファイルを探したりなどあちこちで調べる必要もありません。

─さきほどモバイルからデータを見られる環境を作ることが望ましいというお話もありましたが、Domoはスマートフォンからでも閲覧できるのでしょうか?

後藤氏: Domoはモバイルファースト設計になっています。そもそも当社の創業者が「経営者である自分が今この瞬間に、必要なデータが手元(=モバイル)で見られないのは問題だ!」と言って生まれたのがDomoなので、モバイルベースで作られたと言っても過言ではないです。たとえば、通常であればモバイルでデータを閲覧するために二次加工する必要があることが多いのですが、Domoの場合はWebブラウザ上で可視化の仕組みを作り、作った瞬間にモバイルでもデータを見ることができるので、二次加工の必要がありません。これにより移動中など自分のタイミングで、データを見られるようになるわけです。

  • データ閲覧はもちろん操作も可能なDomoアプリ

─Domoを使えば、データを自分のタイミングで見られるのは当たり前になるということですね。

後藤氏: 当たり前になりますね。そして、データを見ることがクセづいたら、もっと他のデータを見たい、もしくはデータを見た結果何かしなければと思うはずです。
もちろん、最初からより深く高度な分析を目指すのであれば、他の選択肢もあると思います。データを見て、何らかのアクションを起こすといったデータ活用を目指すなら、Domoひとつあれば十分です。データアナリストを育てる必要はなければ、専任の人材を充てる必要もなく、自在にデータを可視化できます。

データを可視化の先に広がる可能性

─データ可視化の先に広がるビジネスの展望も教えてください。

後藤氏: データ活用は見ることから始まると何度も言ってきたとおり、まずは社内のあらゆる人にデータを見る機会を与えてみてはいかがでしょうか。データに興味を持ち、活用したいと思う人材が増えていくかもしれません。そこからデータ活用のアイディアが生まれ、次のステップに進むことができるかもしれません。
また、データ活用には多彩な用途が考えられ、同じデータを見ることでコミュニケーションのきっかけを作ることもできるでしょう。Domoは社内だけでなく、取引先などに対して閲覧権限を付与できるので、コミュニケーションの幅も広がります。社外への広がりでいうと、経営資源としてデータを活用し、事業化することで収益につなげていく「データマネタイズ」という展開も考えられますし、現実にそれを実践している企業も数多くあります。
このようにデータはさまざまな可能性を秘めていますが、データ活用のハードルは決して高いものではありません。活用の第一歩として、データを「見る」ことに取り組んでみませんか?

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