スマートフォンという存在が人々にとって当たり前となった近年、会社支給のスマートフォン、いわゆる社用スマホを社員に貸与する企業は増加の一途を辿っている。しかし、一方でそうした社用スマホの普及がまだ進んでいない業界も散見され、たとえば建設業や製造業では社用スマホの全社導入率は約50%(TECH+読者アンケートより)に留まっているのが現状だ。ではなぜ、社用スマホの導入が進まないのか、どこに課題を抱えているのか。
今回、TECH+では建設・製造業に従事する読者会員を対象にアンケート調査を実施し、社用スマホ導入によるDX支援を推進する楽天モバイルの担当者と共に、アンケート結果を分析。建設業・製造業の社用スマホ導入実態と課題を明らかにしたうえで、その解決方法を提示する楽天モバイルの総合的なサポートを紹介したい。
アンケート実施概要
調査期間:2024年3月21~28日
調査方法:インターネット調査
調査目的:会社用スマホ利用状況についてのアンケート(PR)
有効回答:TECH+会員読者(建設・製造業 従事者)200名
――まずは秋山さんと広田さんの部署や業務について教えてください
秋山:法人事業本部 エンタープライズソリューションビジネス本部 モバイルサービス企画部でデパートメントマネージャーを務めています。サービス企画部は主に法人向けの回線プラン、MDMやビジネスチャットといったモバイルサービスの企画・開発を行う部署となります。ちなみにエンタープライズソリューションビジネス本部には他に、IoT製品や固定回線を取り扱う部署もあります。
広田:私は法人事業戦略&オペレーション本部 モバイルサービス企画部のコミュニテケーション&セキュリティサービス課というところでSaaS系商材の企画や販売促進施策の企画などを担当しています。また、営業のソリューション提案サポートも実施しています。
――今回は建築・製造業における社用スマホの導入状況についてアンケートを実施しました。お二人にはアンケート結果について所感を語っていただくと共に、建築・製造業の社用スマホ導入における課題をどのように解決していけばいいのかを伺います。
建設・製造業の約半数が社用スマホを全社導入できていない、その理由と抱える課題とは
――まず、建築・製造業における社用スマホの導入状況ですが、約半数の企業が「全社導入ではなく部分的導入」に留まるか、「導入していない」と回答しています。導入しない理由については「業務に必要とされていない」「コストの問題」が多く挙がっていました。この点についてはいかがでしょうか。
秋山:納得感のある結果だと思います。たとえばゼネコンさんだと現場社員数が非常に多いため、その点でまずそれなりのコストが掛かってしまいます。また、社用スマホ導入の主な目的は現場の業務効率化だと思いますが、建築現場は一次請けや二次請け、さらに一人親方など社外から入っている方も多く、そういった方々も含めて統一したデバイスソリューションを導入するのはハードルが高いと思われているケースが多いかと思います。
広田:すでにガラケーを導入しているため、スマホに乗り換える必要性を感じていないということもあるでしょう。実際には、スマホはガラケーとは違ってDXの推進にもつながるのですが、そうした違いがまだ認知されていないのだと思います。スマホを携帯電話として捉えている人は、「電話するだけならガラケーでいい」と思いますからね。
秋山:たとえばスケジュール管理、勤怠管理、経費精算などは、スマホに集約することが可能です。そうすると事務所に戻らなくても現場で様々な事務処理が行えるようになり、業務を効率化したり残業時間を削減できたりします。また、建築現場でよく使用されるトランシーバーや製造現場で使用されるバーコードリーダーなどもスマホで代用できますし、セキュリティカメラを設置して、その映像をスマホで閲覧・管理するといったDXも可能になります。さらにカメラにAIを活用すれば人体認識により自動でセキュリティチェックできるので、何かあった場合に人の目で映像をすべてチェックするといった作業が不要になるわけです。
――続いては社用スマホが未導入の回答者で、「現在もしくは過去に困ったこと」についてアンケートをとりました。その結果、もっとも多かったのが「私的スマホの利用」であり、次に「リアルタイムに情報共有ができない」ことでした。この点についてはどう思われますか。
秋山:私用スマホの利用については、おそらく社外でのクライアントとの連絡手段として、社用スマホがないから自分のスマホで連絡をとっているが、その場合の通信料や通話料も従業員の負担になってしまうといった課題などが想定されます。また、従業員側としては本来ならお客さんや上司にプライベートの連絡先はあまり知られたくないといった悩みもあるのではないでしょうか。
――社用スマホがなければ私用スマホを使うしかないですが、当然仕事に自分のスマホを持ち込みたくない人は多いですよね。
広田:また、私用スマホの利用は、いわゆる「シャドーIT」になる可能性があり、会社としてもリスクがあります。たとえば私用スマホを使って社員やお客さんがチャットグループを作り、そこで個別に業務連絡などが行われる場合、機密情報の漏洩などが防げず、セキュリティ的にも大きな問題になり得ます。
社用スマホ導入後に感じる課題は「データ通信」や「アプリケーションの使いづらさ」
――では、次に社用スマホを導入している回答者のアンケート結果を見ていきます。社用スマホの主な利用シーンとしては「社内コミュニケーションツール」がもっとも多く、続いて「現場での作業管理」となりました。
広田:これは先ほどの「社用スマホが未導入のため私用スマホを使われてしまう」ことにも繋がる結果だと思います。私用スマホでコミュニケーションをされるリスクを取らないために会社として社用スマホを導入する場合が多いと思うので、主な利用目的として「社内コミュニケーション」が多くなるの想定通りの結果かと思います。
秋山:「現場での作業管理」については、ここではビジネスチャットなどをそのまま現場での作業管理に使っているケースが考えられます。他にも、作業管理専用のSaaSなどを使われているケースも当てはまりますが、その場合は「プロジェクトの進捗管理」という項目を選ぶでしょう。
――つまり社用スマホを導入しているユーザーの多くが、ビジネスチャットの活用に留まっている可能性が高いということですね。では続いて、社用スマホ導入ユーザーが感じている課題について見ていきます。アンケートの結果、圧倒的に多く挙がったのが「データ通信が不安定」、「アプリケーションなどが使いづらい」という回答でした。
秋山:データ通信が安定していないと、仕事で使う際には特に困ると思います。楽天モバイル法人サービスでは、導入前にトライアルSIMもご提供しているので、お使いのエリアで電波をご確認いただくことも可能です。また、楽天回線エリアは4G人口カバー率99.9%(※1)を達成しており、通信品質についても「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」(※2)において、5部門で単独受賞するなど高く評価されています。
※1 2023年9月時点。人口カバー率は国勢調査に用いられる訳500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出
※2 楽天モバイル、Opensignal社の「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」において5部門で単独受賞
また、アプリケーションの使いづらさについては、お客様ご自身で導入したけれど使い方がよくわからなかったり、十分なサポートを受けられていなかったり、そもそも自社に合っていない製品を選んでしまったなど、様々な要因が考えられます。楽天モバイルでは、まさにそうした法人様に対してアフターフォローも含めてアプリケーションの導入支援をしっかりさせていただいているので、同じような懸念をいだいている法人様に是非ご相談いただきたいと思っています。
広田:昔と違って現在はSaaSが主流となり、手軽にアプリケーションの導入ができるようになりました。ただ、だからこそ社員全員へしっかりと情報が行き届かない、という課題もあるのかなと思います。特に中小企業のお客様ですと、情シス自体がいなかったり、他の業務と兼務していて専門ではなかったりする場合も多いです。我々としては、その部分をしっかりサポートすることでお客様のビジネスを総合的に支援していきたいと考えています。
導入する側の視点から見た課題は、「コスト」や「セキュリティ」
――アンケートに戻って、次に役職を持ったユーザーの意見を見ていきたいと思います。まず、社用スマホ未導入ユーザーの中で、役職を持っている方に「社用スマホを全社導入する場合に課題になること」についてアンケートをとりました。その結果、圧倒的に多く挙がっていたのが「コスト」面での課題でした。
広田:役職を持っている方、つまり社用スマホ導入の意思決定に関わる方のご意見としてコストを気にされるのは当然ですよね。弊社の強みの1つとして、1台からでも大容量で低価格なプランをご利用いただけるため、コストを最小限に抑えて導入が可能です。(※3)さらに、社用スマホの導入効果として、業務効率化およびリソースの削減も期待できるため、社用スマホの導入コストもカバーできると考えています。
※3 大容量で低価格とは4キャリアの大容量プランと比較した場合。2024年5月時点。自社調べ
秋山:仮に1台あたり月額1,000円かかるとしても、業務が効率化されて残業代がそれ以上削減できればトータルでプラスですからね。
――次に社用スマホを導入している役職持ちの方に、「困ったこと」を聞いてみました。その結果、先ほどの一般職員と同じく「データ通信が不安定」「アプリケーションが使いづらい」という回答が多くなりました。さらに踏み込んで、これらの悩みを解決する際に課題となる点について聞いてみると、「セキュリティの問題」「コストの問題」「管理者の問題」が課題として挙がりました。
広田:セキュリティや管理者の問題は法人向けのモバイル製品導入においてよく課題に挙がる部分ですね。この点について、楽天モバイルではMDMをセットで提供することが可能なので、導入時から会社の管理者が端末を一元管理することもできます。MDMを導入していれば、たとえば従業員が端末を紛失した場合でも、遠隔でデータを削除するなど情報漏洩対策が取れますし、GPS情報が管理できるので端末を捜索することもできます。業界によりこういった課題やニーズは異なってくるため、楽天モバイルではお客様に合わせて様々なセキュリティ対策をご提案しています。
社用スマホの利用に“制限がある”、“ユーザーが気を使う必要がある”という実態
――次に「社用スマホの利用制限」についてアンケートを取得しました。社用スマホを導入している企業で、ユーザーに対し「通信の制限をかけている」もしくは「制限はないが使用し過ぎないようにと注意書きがある」との回答が約65%となりました。また通話についても同様にアンケートを行った結果、「通話時間に制限がある」もしくは「通話時間に制限はないが長電話は避けるようにと注意書きがある」と回答したユーザーが約60%となりました。
さらに「ギガ使い放題、通話時間し放題の社用スマホがあったら導入して欲しいと思いますか?」という設問に対しては、半数以上のユーザーが導入して欲しいと回答しています。
秋山:データ容量や通話時間のコストに課題を感じているユーザーが多いことがアンケートから読み取れますね。本来なら、業務での通話時間や通信料などは気にしたくないところだと思います。楽天モバイルでは、「Rakuten Link Office」アプリを提供しており、国内通話がかけ放題でご利用いただけます。(※4)また、今年3月にはデスクトップ版も提供を開始し、PCで業務をしながらの通話も可能となりました。(※5)
※4 一部対象外番号あり。Rakuten Linkアプリ未使用時30秒22円
※5 Rakuten Link Office デスクトップ版はAndroid端末のみ対応。iPhoneでご利用のお客様へのデスクトップ版のサービス提供は順次対応予定。
管理体制にアウトソーシングの選択肢を
――次に管理体制についてのアンケート結果です。社用スマホを導入していると回答したユーザーのうち、約30%が「デバイスの管理運用やセキュリティなどを専門に行う部署はない」と回答しています。これは先ほど役職持ちの方から多く挙がった課題でもありますね。
秋山:特に建設関係の場合、現場は土日も稼働しているけれど、本社の情シスは土日が休みなのでサポートをしにくい、といったケースもあるかもしれません。そういった場合は、デバイスの管理やサポートをアウトソーシングするというのも手だと思います。
たとえば楽天モバイルでは、お客様用にヘルプデスクを構築できるマネージドサービスも提供しており、お客様企業の従業員の方からお問い合わせを受けられる体制を作っています。それだけ聞くと、情シスがいなかったり不足していたりする中小企業のためのサービスに思えるかもしれませんが、実はしっかりとした情シス部門を持つ大企業にもご活用いただいているサービスなんです。
なぜかというと、社員からの問い合わせを情シスがすべて受けていたら、他の業務に手が回らなくなってしまうからです。そこで社用スマホに関する問い合わせは我々のヘルプデスクにアウトソーシングしていただくことで、情シスの方々がもっと重要なコア業務に注力できるのです。
楽天モバイルなら、社用スマホ導入やDXをまとめてサポート
――今回のアンケートを通して、建築・製造業における社用スマホ導入の実態と、導入にあたり、さまざまな事情が複雑に絡み合った課題が見えてきました。そうした複合的な課題に対し、楽天モバイルが解決に向けて提供できる総合的なサービスや強みについてあらためて教えてください。
広田:弊社の強みはやはりなんといってもまずはプラン内容です。低価格で大容量のプランを提供しており、社用スマホ導入にあたっての課題としてもっとも多かったコストの問題を解決できます。また、モバイル端末だけでなくタブレット端末も提供しており、ペーパーレス化などにも貢献できます。
さらにSaaS系のソリューションも多数提供しており、コミュニケーション系のサービスやMDMなど社用スマホに必要な機能を組み合わせて複合的にご提案できるところも、我々の強みです。社用スマホを導入したいけどどうして良いかわからない、さまざまな課題を抱えて困っている、そういった企業の方に「まずは楽天モバイルに相談しよう」と思ってもらえるような提案を今後も続けていきます。
秋山:現場で使用しているハードウェアやソフトウェアの多くをスマホに集約できる点は大きな魅力です。仮にスマホの導入でトランシーバーやハンディターミナル、バーコードリーダー、デジカメ、ボイスレコーダーなどのハードウェアが不要になれば、大きなコスト削減につながる可能性も十分にありえます。また、スマホには様々なセンサーが搭載されており、今後さらに進化していくでしょう。弊社としては、スマホが生み出す付加価値を活用したDXを今後も支援していきたいと考えています。
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