製造業において「データ活用」が重要な時代になった今、品質部門・購買部門は社内データをどのように有効に使い、業績向上に貢献していくことができるのだろうか? 数々の製造業に対しBIプラットフォームの導入支援をしてきた、Domoのシニアビジネスコンサルタント 梅野快世氏に成功への道筋を語ってもらった。

  • ドーモ株式会社 シニアビジネスコンサルタント 梅野 快世氏

Excel集計の限界とデータ活用の悩み

―製造業における「データ活用」の課題について、どのようにお考えですか?

製造業のお客様は規模を問わず、共通する悩みを抱えています。それは「システムは導入され、情報のインプットはできている」「しかし、データ活用が上手くいっていない」ということです。
複数のシステムからcsvファイルを落としてきて、それを手作業でExcelにまとめて、出力する。今でも、こうしたやり方が多く見られます。ピボットテーブルを多用した結果、複雑な集計表になってしまい、「担当者が退職したらメンテナンスできなくなってしまった」といったご相談もよくあります。

従来のデータ集計方法の場合、扱えるデータ数の限界や属人化、データガバナンスなどの課題がありますが、最も深刻なものは「集計作業に手一杯で、そもそも何を見るべきかの議論ができていない」ことにあります。個々のデータをグラフや表にできても、全体を俯瞰することには向いておらず、視野が狭くなってしまうのです。

―製造業の品質部門や購買部門において、データ活用を推進する意義はなんでしょうか?

どちらもデータを活用できる機会の多い部門です。今は製品の品質が悪いとSNSや口コミですぐ問題が露呈してしまい、売上や株価に影響を及ぼしてしまいます。また、購買部門も、いかに安く仕入れるか、どうやって品質を安定させて購入するか、注視していかなければなりません。そのほか、自然災害や政治的要因のリスクも考える必要があります。
データを活用するということは、製品を構成する部品が、どこからどれだけ購入しているのかを把握し、また、販売している製品の不具合発生状況にすぐに気がつき、影響範囲を把握して対策が打てることです。過去私が担当したある企業では、新製品に不具合が無いか調べるために、毎日、品番リストを手入力して、クレームリストを確認していましたが、こうしたやり方は非効率で俊敏性に欠けてしまいます。

業務改善は必要なデータの選別と可視化から

―では、どうすれば製造業が抱える悩みを解決できるのでしょうか?

Domoは、インプットするデータに関しては、無理に統合せず、バラバラでいいと考えています。便利なSaaS製品が次々と登場していますから、その時点で使いやすいものを選ぶべきでしょう。しかし、現場で実際にデータを活用するためには、散らばったデータを接続し、統合するハブのようなシステム、BIプラットフォームが必要です。 「データ活用」と聞くと、「ウチはきれいなデータがない…」「まずはマスタを作りなおさなきゃ」と、及び腰になってしまうかもしれません。しかし、今あるデータテーブルの中から、業務で必要なものだけをピックアップすることだけでも、飛躍的な業務改善が可能です。濁った池からでも、美味しい魚は釣り上げられるというわけです。まずは、当たり前のことを可視化することから始めていくことが大事です。
たとえば、Domoをご活用いただいているコスモエネルギーホールディングス様では、全社における「データの民主化」を実現すべく、「可視化の実現」を起点とした導入に成功しています。データの整備後に可視化を実現する従来の進め方ではなく、本来の目的にフォーカスし発想を逆転させることで、わずか1カ月という短い期間で環境整備を実現しました。このように、まずは必要なデータのみを選定し、そこから可視化を行ってみる、という行動が、最短でのBI活用につながります。

※参考:コスモエネルギーホールディングス、「データの民主化」の早期実現を目指しDomo を導入(https://www.domo.com/jp/news/press/cosmo-energy-holdings-202210

―DomoのようなBIプラットフォームを使うと、どんな「当たり前のこと」が可視化できるのでしょうか。

たとえば、下記のような問いに、すばやく具体的に答えられるようになります。 

【品質部門】
  • 何カ月使用すると不具合が起きているのか?
  • どのような原因で不具合が起きているのか?
  • 不具合が起きているのはどのエリアか?
【購買部門】
  • この部品が含まれている製品はどれなのか?
  • この部品が含まれている製品はどれなのか?
  • この品番がストップしたときに代替となる品番は何か?

去年や目標と比較して不具合の件数がどうなのか、分からなければ現状を把握していることにはなりません。また、「購入額のうち仕入れ先のトップ10が占めている割合」が見えれば、なるべく仕入れ先を減らして価格交渉するのか、仕入れ先を偏らせずリスクヘッジを優先するのか、判断していくことができるようになります。
Domoを導入したお客様の多くは、最初にダッシュボードを見た瞬間に、自分たちの現状がすぐに分かり「もっとこの部分を詳しく見ていかなければ」と原因調査を行い、アクションにつなげて下さいます。

  • 上記【品質部門】の数値をDomoのダッシュボードで表示した場合のイメージ

Domoが後押しする全社的なデータ活用

―Domoの導入は「製造業における品質・購買」 をどのように支援できるとお考えですか?

Domoはデータ活用プラットフォームとして、クラウド上にあるデータや、基幹システムのデータなどを自動的に連携できる機能を有しています。Excelのファイルも自動的にアップできます。また、データの集計も、専門知識不要で、マウス操作で設定できますから、IT部門に頼らずとも実装&メンテナンスができます。
オススメの機能はアラート機能です。各担当者は通常業務で忙しいため、毎日Domo にログインすることが難しい場合もあるでしょう。そこでたとえば、戦略製品や新製品の品番をセットしておけば、セットした品番にクレームが入った場合は検知して、担当者にメールを送付することができます。

―ツール導入後の「定着」も、企業の課題になっていると思いますが、この点について、Domoはどのような支援をしていますか?

お客様の社内で、データ活用事例の共有会"Domo Day"を開催するお手伝いをしております。Domoを活用している部門を中心に、導入を検討されている別部門の方や、データ活用に興味がある方に参加してもらいます。
他社の導入事例はどうしても「自分ごと」として捉えるのが難しいですが、自社の事例であれば、理解や納得もしやすくなります。結果として、全社的なデータ活用推進を後押しする舞台の一つとなっています。また、実際にデータ活用を頑張る方々が社内的に評価される場になっており、毎回、本当にやって良かったと感じています。

―最後に、Domo のシニアビジネスコンサルタントというお立場から、これからツール導入を検討される製造業のご担当者へ、メッセージをお願いします。

高度な分析や未来予測によって、高度なインサイトを発見することばかりがデータ活用ではありません。案外、当たり前に見なければいけない情報が見えていなかったりするものです。すぐに始められることとして、会議でよく交わされている質問をリストアップしてみてください。その質問の答えが現場で必要な「使えるデータ」で、答えを出しアクションにつなぐことが「データ活用」です。 現場にツールが定着すれば、経営者が欲しい情報も自然とダッシュボードに集まっていきます。まずは、既存業務をより早く、質を上げるためにデータを活用してください。

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