ビジネスや生活にITが浸透し、あらゆる業種でデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されるようになった現在、企業のIT投資にも変化が求められている。目まぐるしく移り変わる市場のニーズに迅速かつ適切に対処するには、先進的な技術を活用したビジネスモデルの変革が不可欠だ。ところが、市場の変化に対応し業務を高度化するための戦略的投資、すなわち情報システムサービスの開発への投資が不十分な企業も少なくない。基幹システムの維持にIT予算の大半を費やしているためだ。こうした状況から企業の競争力は失われ、日本全体で12兆円にも及ぶ経済的損失が発生するともいわれている。
本稿では、製造業における2つのケースを紹介。市場の変化に対応し、スピーディに展開できるローコードプラットフォームの有用性をふまえながら、”ビジネスに求められる競争力につながるDX”を効率的に進める方法について紐解いていこう。
サイロ化・属人化したシステム開発環境の課題を解決するための最適解
企業全体を支える基幹系システムとは異なり、顧客との接点や業務の高度化を担うシステムはユーザー部門で構築・運用されるケースも多く、最新のIT技術を業務に活かすためには、継続的な開発が求められる。その結果、システムのサイロ化や属人的な運用といった課題が発生する。
Case1
製造業A社では、システムごとに異なるプラットフォーム上で構築されているためデータが分散化してしまい、運用コストも増大していた。そこで同社のCIOのAさんは、システムの運用効率化と部門横断のデータ活用を目指して、スクラッチ開発で統一プラットフォームの構築を検討。ところが現状のリソースでは2~3年の工期がかかることが判明し、プロジェクトは停滞してしまった。
Case2
製造業B社では、ユーザー部門で開発された製品マスタ管理システムを長年運用してきた。開発に携わった担当者は退職し、運用を任されたBさん。しかし、業務を進めるなかで重ねられたシステム改変は記録が残されていないため、開発当初の設計書と仕様が食い違っている。Bさんは仕様を把握できず、システム増強もままならない状況に陥ってしまった。
これらのケースでおすすめしたいのが、システム開発の生産性を効率化する「ローコード開発プラットフォーム」だ。ローコード開発プラットフォームを活用すれば、手作業でのコーディングを最小化して、カスタムアプリケーション(情報システムサービス)をスピーディにリリースできる。これによりシステムのライフサイクル全体を効率化する統合的な開発環境を実現し、ビジネス/オペレーションモデルの変革を推進できるようになる。
なかでも、87カ国・22業種で活用されている「OutSystems」は、業務アプリケーションに特化した視覚的なモデル駆動型開発が可能だ。開発期間の大幅な短縮をはじめとする開発生産性向上や、最新技術を採用したアプリケーションの開発、サイロ化したシステムの統合、基幹システムとの連携などを実現。さらに内部設計の不整合やロジックの不備、設定ミスのリアルタイムでの検知、セキュリティの自動的な確保など、システム開発を効率化するための機能も兼ね備えている。
OutSystems×TISが実現する、効率的なDX
とはいえ、OutSystemsは導入するだけですべての課題を解決する魔法のアイテムというわけではない。企業のプロジェクトやシステム要件、ローコード開発プラットフォームの特性を把握し、適切なアプローチで運用することで、期待どおりの成果を得られる。そこで注目したいのが、エンタープライズ向けシステムの導入と、OutSystemsの構築に豊富なノウハウを合わせ持つTIS株式会社(以下TIS)が提供する「OutSystems導入支援サービス」だ。
TISはSIerとして培ってきたプロジェクトマネジメント力を最大限に活用し、さまざまな業種を網羅したプロジェクトタイプ別の開発アセットを用意。システム構築だけでなく、計画立案から運用保守、コンサルティングまでをトータルでサポートする。TISが提示するプロジェクト計画はアジャイル/ローコードで開発どう進めていくかのロードマップが明確で、安心して進められるのも大きな特徴だ。OutSystemsのプラットフォーム自体が持つ生産性の高さに、TISのプロジェクト推進力が加わることで、システム開発の大幅な効率化が実現する。
OutSystems導入支援サービスを活用すれば、Case 1のA社の場合、スクラッチ開発と比較して工数は2分の1~3分の1に、さらにプロジェクト期間も約30%の短縮を実現するなど、大きな成果を得られる。モデルに入力した設定は、そのまま設計書などのドキュメントとして利用でき、さらに変更履歴は自動で登録される。これにより設計書の整合性がとれ、Case 2のB社のような運用の属人化を解消したうえで、適切なシステムの増強ができるようになる。
競争力を手に入れるビジネス改革のススメ
2つのケースから、システム開発環境への投資がもたらす効果について紐解いてきたが、一方でローコード開発プラットフォームは相応の維持費用がかかるのも事実だ。そこで導入を検討するにあたっては、コスト低減効果が得られる規模のシステムを見極めることが重要だ。TISの試算によると、プロジェクト総工数100人月程度の規模であれば、導入当初から大きな成果を出せるという。
またデータ利活用で確実に成果を出していくためには、まずは既存のデータから始めていくことが効率的といえる。すでにある社内データで成果を積み上げてから、業務の高度化やビジネスモデルの創出につながる新たなデータの取得・活用を進めていくというアプローチが有効だ。
DXの実現には「デジタル活用に向けた意識改革」と「アジャイルなプロジェクト推進能力」が必要だ。OutSystemsを活用して大規模な案件から開発を始め、まずは投資コストを回収する。そこから小規模・中規模のDX案件をスピーディに展開して成果を積み上げながら、企業文化の醸成(意識改革)とプロジェクト推進能力の向上をさせる。こうして全社的なDXを加速させていくことが、これからのビジネスで求められる競争力につながるだろう。現状のシステム開発環境に課題を抱えているのであれば、TISが提供するOutSystems導入支援サービスの活用をぜひ検討してみてほしい。
[PR]提供:TIS