12月8日、東京都新宿区にて開催された「マイナビニュースフォーラム2017 Winter for データ活用 ~企業間競争に勝ち残るビッグデータ活用術~」。流通・小売業セッションには、BIソリューションにおいて優れた提案力で高い支持を集めるテクマトリックスが登壇。本稿では、同セッションの様子をお届けしよう。

「使われる」BIツールを提案

本イベントの流通・小売業セッションに登壇したテクマトリックスの上村氏。同社が持つ豊富なBIソリューションのラインアップを紹介しながら「今回は新世代のアナリティクスプラットフォームであるYellowfinについてご説明します」と同氏は語り、講演がスタートした。

オーストラリアのメルボルンに本社があるYellowfinは、“容易にBIを実現する”ことに情熱を注ぐ企業であり、日本では東京・大阪にも拠点を持っている。「国内ではすでに350社を超える企業に導入されており、世界的なアナリストファームからも高い評価を受けています」と上村氏は説明する。

テクマトリックス カスタムメイドソリューション事業部 カスタマーソリューション営業部 カスタマーソリューション営業課 課長代理 上村巨樹氏

BI業界での一番の課題がユーザー使用率の低さであることを挙げ、「導入した後に使われないツールとなってしまうのは、導入する側、導入される側にとっても不幸です。こうした問題は解決する必要があると思っています」と上村氏はいう。その大きな理由として従来のBIツールがデータアナリストを対象として作られているという部分に触れつつ、「企業の中でデータアナリストはごく一部で、大多数は一般ユーザーです」と指摘する上村氏。このギャップが企業内での普及を妨げているのだという。

Yellowfinでは、企業内の異なるニーズを持つ各ユーザーに対し、それぞれに最適な機能やインターフェースを提供することによって解決を図っている。上村氏は「データアナリストに対しては『ダッシュボードやレポートの開発のしやすさや生産性の高さ」、一般ユ―ザー向けには『簡単な操作やマルチデバイス対応』、IT管理者には『容易な運用性やガバナンス・セキュリティ機能』などを提供しています」と語る。

Yellowfinが備える機能の一部をここで紹介すると、60種類を超えるデータベースへの対応や外部サービスへのコネクタの実装、インタラクティブな操作が可能で洗練されたデザインを持つダッシュボード、豊富な表やグラフの種類など、様々な特長を持っている。「たとえば『おまかせグラフ』という機能があるのですが、利用者が選んだデータの性質や内容に応じて、Yellowfinが自動で最適なグラフを生成してくれます」(上村氏)

このほか、共有とコラボレーションにおける各機能、地図情報と連携した分析機能、ガバナンス・セキュリティ機能、モバイル対応などの機能もあると解説。「これらの機能を提供することで、ユーザーにも使われるBIシステムが構築できます。一般的なBIツールは業界平均で1社あたりのユーザー利用率は15%と言われていますが、Yellowfinでは37%の利用率に上昇します。BIツール導入企業における一般ユーザーとデータアナリストを対比すると、業界平均は15:1の割合、つまりデータアナリスト1人に対して一般ユーザーが15人という状況です。一方のYellowfinでは44:1となっており、データアナリスト1人に対して一般ユーザー44人となっています。ここからは、Yellowfinがデータアナリストにとっては非常に手離れが良く、一般ユーザーにとっては独力で使いやすいツールであることが伺えます」と、上村氏は利用率においてアドバンテージがあること示すデータを公表した(2013年調べ)。

  ユーザー利用率 一般ユーザーと
データアナリストの比率
Yellowfin 37% 44:1
一般的な
BIツール
15% 15:1

ビッグデータから必要な気づきを得る

上村氏は続いて流通・小売業におけるデータ分析について「業種、従業員規模、いずれも幅広い業界で使われているYellowfinですが、流通・小売業のデータ分析というと代表的なところでは顧客カットの分析、商品カットの分析、時系列データの分析、販売チャネルカットの分析といった領域に対して、それぞれ単独あるいは横ぐしを通して深く分析することで、気づきを得ていくことができると考えています」と語る。実際にこうした分析結果をダッシュボードで一元的に見られるようし、現場向け、経営層向けに分かりやすく表示するというニーズは多いのだという。

また、流通・小売業でのデータ分析では、データ集計や加工、統合などはExcelを用いて手作業で行われることが多いため、取り扱うデータ量が増えるほどミスも発生しやすく、集計の時間もかかってしまうと指摘。「Excelは非常に便利なツールですが、手作業でのデータ統合は少数の社員の職人技に依存していることが多く、作業の属人化につながりやすいリスクがあります。また、流通・小売業では取り扱う商品数が非常に多い傾向にあります。データ量が増加するとExcelでの作業には限界が生じやすいことも課題です」と上村氏はいう。

テクマトリックスではこうした課題を解決するためのソリューションを提供している。「Yellowfinと ETLツール、Amazon Web Servicesを組み合わせています。このソリューションのポイントはリードタイムで1~2ヵ月という短期間で導入でき、なおかつ低コストで構築が可能な点が挙げられます。また、データ集計の大幅な自動化もできるようになります」と上村氏は語る。

また、最新の「Yellowfin7.4」では、従来のBIが「何が起きたのか」を伝えるだけだったのに対し、新バージョンでは「なぜ起きたのか」を伝えられるようになっているという。「様々な機能を追加することで、データ分析に関わる端から端までをカバーします。これにより、自動化された気づき、洞察を提供し、分析までの時間を短縮することができます」と上村氏は語る。

同氏は実際にYellowfinのCEOが客船のタイタニック号の事故状況を手作業で分析したところ結果が出るまで2時間かかり、Yellowfin7.4を使って同じ分析をすると5分で完了したというエピソードを披露。「高い精度でアナリストのサポートも楽に行えることが証明されました」と語る上村氏。

このあと、実際の画面を使ったデモンストレーションが行われ、その機能性の確かさを紹介。上村氏が「2018年2月初旬に日本語版のリリースが予定されています」と発表したところで時間いっぱいとなり、大きな拍手と共にテクマトリックスのセッションは幕を閉じた。企業内のあらゆるユーザーに対し、ビッグデータ分析を身近にできるソリューションだといえるだろう。

  • 最後に実際の画面を使ったデモンストレーションが行われた

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